第7誓 助けなきゃ!(脚本)
〇城の救護室
ルイーナ「ラスキア・・・」
ゼノンアビス「ルイーナ・・・ ラスキアの様子は?」
ルイーナ「・・・ゼノ・・・」
ルイーナ「・・・ラスキア・・・ ゼノだよ? ・・・起きて?」
ラスキア「・・・」
ルイーナ「意識はあるみたいなんだけど・・・ まだ目覚めてはくれなくて・・・」
ゼノンアビス「・・・そうか・・・」
ルイーナ「ま、祭りの方は?」
ゼノンアビス「あ、ああ・・・心配するな! 皆にソルヴィータは配り終え・・・ あとは、ヘリアンテスの占いを残すのみ・・・」
ゼノンアビス「ほら! ルイーナとラスキアにもソルヴィータを 持って来た!」
ルイーナ「ありがとう!ゼノ!」
ゼノンアビス「・・・それと・・・ この宝石がラスキアの倒れた場所に 落ちていた・・・」
ルイーナ「これは・・・?」
ゼノンアビス「・・・これは・・・ ライオール家に伝わる『月影の宝玉』・・・」
ゼノンアビス「長年、行方不明になっていたものだが・・・」
ゼノンアビス「なぜかラスキアがこれを持っていた為に ルスキニアの難を防ぐ事が出来た・・・」
ゼノンアビス「ルイーナ・・・ この宝石を光にかざして見てくれ・・・」
ルイーナ「あ! 宝石の中で影が動いて・・・る?」
ゼノンアビス「そうだ おそらく・・・ ラスキアはこの宝石を使って ルスキニアを宝石の中へ閉じ込めたのだろう・・・」
ルイーナ「!?」
ゼノンアビス「ルイーナ・・・ ラスキアの眠りが覚めるまで まだ時間がかかる・・・」
ゼノンアビス「とりあえず・・・ オレと一緒にヘリアンテスの占いを聴きに行こう」
〇時計台の中
占い師「ゼノンアビス様・・・!! ようこそ! お待ち申し上げておりました・・・」
ルイーナ(あ、ライオール王様もいらっしゃる・・・)
ゼノンアビス「ああ 早速、ヘリアンテスの占いを行なってくれ」
占い師「はい・・・」
占い師「・・・」
占い師「・・・」
占い師「・・・引き裂かれた二つの運命の道が重なり合う時・・・ 失くした力が再び戻るであろう・・・」
占い師「一つは・・・太陽・・・ 一つは・・・月影・・・ 鍵となるのは・・・涙・・・」
占い師「涙の選択次第で・・・ 力は天秤のように傾く」
占い師「均衡を取るか・・・ 太陽と月影・・・どちらかを取るか・・・」
占い師「どれを選択してもライオールの繁栄に変わりはない」
占い師「ただ・・・ 太陽が昇り沈み・・・ 月が昇り沈み・・・」
占い師「涙の選択次第では・・・ 太陽神の加護から 月神の慈悲へ交代する日も 遠くはないだろう・・・」
「・・・」
〇貴族の応接間
「・・・」
ルイーナ(な、なんか・・・立ち去るタイミングを逃して・・・付いて来ちゃったけど・・・ よかったのかな・・・?)
近衛騎士 エクス「ゼノンアビス様!! ご所望の品をお持ち致しました!!」
ゼノンアビス「ああ ありがとう・・・」
ライオール王 ライヴァン「・・・さて・・・ ゼノンアビス・・・ 『月影の宝玉』を出しなさい」
ゼノンアビス「はい」
ライオール王 ライヴァン「・・・うむ・・・ 本物・・・のようだな・・・」
ライオール王 ライヴァン「これを持っていた者は・・・ 今どこに・・・?」
ゼノンアビス「城内の救護室で寝ています・・・」
ライオール王 ライヴァン「名は・・・?」
ゼノンアビス「ラスキアという者です・・・ そこに控えるルイーナの兄にあたるそうで・・・」
ゼノンアビス「ルイーナ・・・! こちらへ・・・」
ルイーナ「は、ハイッ!! お初にお目にかかります!! ルイーナと申します!!」
ライオール王 ライヴァン「・・・ルイーナ・・・ ラスキアは、そなたの兄だと聞いたが・・・ 本当か? そなたの父の名は?」
ルイーナ「・・・ラスキアは本当の兄ではありません・・・」
ゼノンアビス「そうなのか!?」
ルイーナ「ラスキアの両親が事故で他界した後・・・ 私の父・・・リムドが私と一緒に育てた・・・ 義兄弟です・・・」
ライオール王 ライヴァン「・・・リムド・・・!!」
ライオール王 ライヴァン「・・・そなたの父は・・・墓守りをしているか?」
ルイーナ「・・・ど、どうして・・・それを・・・!? 確かに・・・私の父リムドは墓守りをしていますが・・・」
ライオール王 ライヴァン「スフェラが持っていた『月影の宝玉』・・・ 墓守りのリムド・・・ ・・・・・・ラスキア・・・と言うのだな・・・」
ライオール王 ライヴァン「・・・生きて・・・いたのだな・・・」
ゼノンアビス「父上・・・?」
ゼノンアビス「父上!?」
〇城の救護室
ライオール王 ライヴァン「・・・ラスキア・・・!!」
ライオール王 ライヴァン「・・・ラスキア・・・」
ライオール王 ライヴァン「・・・立派に育てて・・・くれた・・・のだな・・・リムド・・・」
ラスキア「・・・」
ゼノンアビス「・・・父上?」
ライオール王 ライヴァン「・・・ああ・・・すまない・・・」
ルイーナ(・・・ラスキア・・・)
ライオール王 ライヴァン「・・・この者を私の私室へ運び・・・手厚く看護しろ!」
〇宮殿の部屋
ライオール王 ライヴァン「・・・取り乱して・・・すまなかった・・・ ・・・本題に入ろう・・・」
ライオール王 ライヴァン「ゼノンアビス・・・驚かないで聞いてくれ・・・」
ゼノンアビス「?」
ライオール王 ライヴァン「・・・ラスキアは・・・そなたの・・・生き別れの双子の片割れ・・・ このライヴァンの実の息子だ・・・!!」
ゼノンアビス「・・・は?」
ライオール王 ライヴァン「・・・ルイーナ・・・ その様子だと・・・そなたはラスキアが王子だと・・・もう知っていたのだろう?」
ルイーナ「・・・はい・・・ 少し前に・・・知りました・・・」
ゼノンアビス「・・・だから・・・ 『月影の宝玉』でルスキニアを封じ込める事が出来たのか・・・」
ライオール王 ライヴァン「ああ、そうだ・・・」
ライオール王 ライヴァン「・・・だが・・・ 使い方は知らないとはいえ・・・ 無意識に『月影の宝玉』の力を発動させた反動だろう・・・」
ライオール王 ライヴァン「ラスキアはルスキニアの強い気に当てられて・・・昏睡状態にある・・・」
ルイーナ「・・・いつ頃、目覚めるんですか!?」
ライオール王 ライヴァン「・・・それは・・・わからない・・・」
ルイーナ「・・・そんな・・・」
ライオール王 ライヴァン「・・・だが・・・目覚めさせる方法なら知っている!!」
ルイーナ「どんな方法ですか!? ラスキアを目覚めさせる為なら!! なんでもします!!」
ゼノンアビス「・・・オレも・・・ オレの兄弟が苦しんでいるのを放っては置けない・・・ オレも力を貸そう!!」
ライオール王 ライヴァン「・・・では・・・ この『月影の宝玉』と・・・」
ライオール王 ライヴァン「──・・・『太陽の宝玉』をそなた達へ渡しておこう・・・」
ライオール王 ライヴァン「この二つの宝玉を携え、北の遺跡『レーテ』へ赴くと良いだろう・・・」
ゼノンアビス「・・・『レーテ』・・・ 確かそこには『ウンブラ』という守護獣が眠っていたはず・・・!!」
ライオール王 ライヴァン「・・・そうだ・・・ その『ウンブラ』を『太陽の宝玉』へ封じ込めて来るのだ・・・」
ライオール王 ライヴァン「『ルスキニア』を封じ込めた『月影の宝玉』・・・ 『ウンブラ』を封じ込めた『太陽の宝玉』・・・」
ライオール王 ライヴァン「二つを携え、再び我が元へ戻ってきたら・・・ラスキアの眠りを打破する解決法を教えよう!!」
この双子王子の愛憎劇(?)にRPG要素も取り入れたら、無敵展開じゃないですか!ワクワクが止まりません😆
でも、ルイーナが一緒に行くのは危ないのではと一瞬、不安になりました。
ルイーナの必殺技…お野菜詰め込み!は魔物には効かないか😭
日常感や各キャラの魅力を存分に堪能した後での、この王道ファンタジー展開……大好きです😂
ゼノ様たちにしてみたら衝撃の状況なのでしょうが、この展開に不謹慎ながらワクワクしてしまいます😜