新人レジvs迷惑客(脚本)
〇カフェのレジ
岡島さん「──っと、レジはこんな感じかな」
里崎加奈子「は、はいっ」
里崎加奈子「お、教えて下さり、あ、ありがとうございましゅ、す・・・・・・」
岡島さん「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
岡島さん「接客マニュアルはちゃんと覚えたんでしょ?」
里崎加奈子「は、はい・・・・・・」
岡島さん「それなら、マニュアルを思い出せば大丈夫だよ」
里崎加奈子「が、頑張ります・・・・・・」
岡島さん「今日はご予約が多くて、私はレジに出られないから」
岡島さん「里崎さん、頑張ってね!」
里崎加奈子「あっ・・・・・・」
里崎加奈子「い、いらっしゃいま──」
チャラ男A「なに食う・・・・・・って」
チャラ男A「この店員、めっちゃ可愛くね!?」
里崎加奈子(な、何んかお客様同士で喋ってる・・・・・・どうしよ・・・・・・)
チャラ男A「おねーさん、いくつ?」
里崎加奈子(あ、えっと、個数は・・・・・・)
里崎加奈子「お好きな数を注文頂けます・・・・・・10個セットは割引になります」
チャラ男A「は・・・・・・?」
チャラ男A「それより、おねーさん可愛いじゃん、彼氏いるの?」
里崎加奈子(えっと・・・・・・お客様からご意見を頂いた時は・・・・・・)
里崎加奈子「き、貴重なご意見ありがとうございます・・・・・・」
里崎加奈子(えっと・・・・・・さっきのはなんだっけ・・・・・・)
里崎加奈子「申し訳ありません、もう一度お願いします」
チャラ男B「だーかーらー、おねーさん彼氏いるのって」
里崎加奈子「あっ、えっと・・・・・・」
里崎加奈子(何言ってるの・・・・・・?)
里崎加奈子「申し訳ございません、もう一度お願いしてもよろしいでしょうか?」
加奈子はチャラ男達に顔を近づける。
チャラ男A「うわっ、めちゃ可愛いじゃん」
チャラ男A「俺達と遊びにいかね?」
里崎加奈子「あっ、その・・・・・・」
里崎加奈子「べっ、別の言い方のご注文は可能でしょうか・・・・・・?」
チャラ男A「おねーさんと遊びに行きたいって言ってんの」
里崎加奈子「おねーさん・・・・・・?」
チャラ男A「じれってぇなー・・・・・・」
チャラ男A「お前と俺達で楽しいことをしようって言ってんの!」
里崎加奈子(ま、また聞き返すのはダメだよね・・・・・・)
里崎加奈子「た、楽しいことはお1つですか・・・・・・?」
チャラ男B「1つなんかじゃねぇよ!」
チャラ男B「楽しいことは多い方がいいだろ?」
里崎加奈子「えっと・・・・・・具体的な個数をお願いします」
チャラ男A「満足するまでかな」
里崎加奈子「楽しいことを、満足するまでですね」
里崎加奈子(この『みんなで満足パック!』でいいかな)
里崎加奈子「ほ、他にご注文はございますか?」
チャラ男A「えっ?さっきのが注文ってことは・・・・・・」
チャラ男A「君貰っちゃっていいの?」
里崎加奈子「きみ・・・・・・わたしですか?」
チャラ男A「そそ」
里崎加奈子「えっと・・・・・・おいくつでしょうか?」
チャラ男A「俺?20」
チャラ男B「俺は18」
里崎加奈子「えっと・・・・・・38ですね」
チャラ男A「馬鹿にしてんのか!!」
里崎加奈子「あ、も、申し訳ございません!」
里崎加奈子(け、計算ミス・・・・・・!?)
チャラ男A「どこが38に見えんだよ!!」
里崎加奈子「えっと・・・・・・ただいま確認致しますので少々お待ち下さい」
チャラ男A「いらねぇ!お前が付いてくりゃいいんだよ!」
チャラ男は顔をグイっと近づける。
里崎加奈子「あっ、そこカバー──」
チャラ男A「うおっ!?なんだこれ!」
里崎加奈子「飛沫防止です・・・・・・感染症対策の・・・・・・」
チャラ男A「いちいちまどろっこしいんだよ!!」
チャラ男は加奈子の腕を掴んだ。
チャラ男A「さっさと来い!!」
岡島さん「里崎さん!この2つレジ袋に入れておいて」
里崎加奈子「あ、この2つですね!」
里崎加奈子(レジ袋に詰めるのは得意・・・・・・!)
里崎加奈子「よいしょっと・・・・・・!」
里崎加奈子(なんか言ってることわからなかったけど、商品だったんだ)
里崎加奈子(あれ・・・・・・?でもうち飲食店だけど・・・・・・)
里崎加奈子(まあ、岡島さんが言うんだし間違いないよね)
〇カフェのレジ
岡島さん「・・・・・・・・・・・・」
岡島さん「ねぇ・・・・・・」
里崎加奈子「なんでしょうか?」
岡島さん「この2つ・・・・・・何?」
岡島の前には、2つの巨大レジ袋賀置いてあった
岡島さん「犯行現場・・・・・・?」
里崎加奈子「えっ・・・・・・商品ですよ?」
岡島さん「商品・・・・・・?」
里崎加奈子「金髪と赤髪の人型クッキー、AI搭載モデル・・・・・・みたいなやつです」
岡島さん「は・・・・・・?」
岡島さん(か、確認してみないと・・・・・・)
岡島さん「なに・・・・・・これ・・・・・・」
チャラ男A「うう・・・・・・」
岡島さん「生きてる・・・・・・」
岡島さん「えっ、この人をレジに入れたの・・・・・・?」
里崎加奈子「違いましたか・・・・・・?」
岡島さん「うん・・・・・・全然違う」
里崎加奈子(どこから違ったのかな・・・・・・)
岡島さん「まあ、1人で任せちゃった私も無責任だったよ」
岡島さん「まずは商品覚える所から始めよっか」
里崎加奈子「は、はい・・・・・・!」
里崎加奈子(次は失敗しないように、頑張ろう!)
人を袋に入れて放置するとは、恐ろしい新人……!
そんな新人に一言。
「マニュアル通りにやっていますというのは、アホの言うことだ!」
∀ガンダムのワンシーンより
新人レジvs迷惑客は、コメディジャンルの作品ですね!新人の里崎加奈子がレジで頑張るお話で、笑いがたくさんありました。加奈子の緊張や困惑がリアルで、キャラクターたちのやり取りも面白かったです。特にチャラ男たちのセリフがユーモラスで、思わず笑ってしまいました。加奈子の頑張りを見て、自分も応援したくなりました。笑いと共感が詰まった作品で、とても楽しめました!
この「すれ違い」の超展開、お見事すぎて笑ってしまいました😂
この「日常」と「非日常」のシームレスな内容、もう大好きです😊