ミナツキ

但馬感象

十九月(脚本)

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〇けばけばしい部屋
  みるくさん。ラブスターズで、
みるく「怒ってるの?」
カンゾウ「怒ってないよ」
カンゾウ(流しに入って寝てこっちに来ないから)
  ステンレスの浴槽の鏡側に隔てられて
  ──口でサッと終わって、久しぶり?
  室の段上がり辺りでしてくれたのか
  その後、キス少し抵抗ありつつしたり
  ポンカンみたいな果物あったり
  (上が開いてて中の果肉が見える、
  ブラッドグレープフルーツ系)
  流しから出てチュッチュとかしたり、
カンゾウ(・・・とか、馬鹿にしてんの?)
カンゾウ(もうみるく?未夏はどうしたんだよ)
カンゾウ((かぶせてんならいいけど))

〇古びた神社
カンゾウ(神様、大黒天様、お稲荷様)
カンゾウ(わたしの精進は、無駄だったんですか?)
カンゾウ(何年尽くしたら報われるんだ)
  愛あるものに奇跡は起こる〜
カンゾウ(起これよ)
白猫「・・・救えないの?」
黒猫「もう助けましたよ、囚われの姫は」
黒猫「後は迎えに行くだけ」
カンゾウ(とかさせて下さい)

〇海辺
  ──琉球の砂浜(海岸)
  瑠璃紺と、透明のクリスタル
  蛇行した翼つきのそれぞれの数珠
  それを重ねることで夢がかなう
  未夏さんと結婚させて下さい
  付き合わせて下さい

〇住宅街の道
  探偵が、住宅地の一角の、
  透明ケースに入ったガスタンクのような
  物がある所の外のパイプ枠を使って
  こっちが近くいったところ、
  内側に入れてパイプ握り締めて拘束する
カンゾウ「爆破でもしようってのか?」
カンゾウ「いいよ、やってみなよ」
探偵「おまえに何がわかるっていうんだ」
カンゾウ「わかるよ、未夏さんのことだったら」
カンゾウ「俺より考えてる人はいない」
  他にも、警察か同僚かいるけど、
  こっちだって覚悟がある。

〇ファンタジー世界
  ──狩猟ファンタジーゲーム。
  誰が設定したかしらんけど、敵が強すぎて
  他のプレイヤーいなくなって、
  協力して倒す前提で設定してるから、
  1人でインしても無理だよ。
  ──水エリアで、サンゴとか並ぶところ
  潜ってヒレだけ現して襲ってくるけど、
  ダメージきつくてすぐアウトする。

〇黒背景
カンゾウ(関係あるのかしらんけど)
カンゾウ(殺したきゃ殺せ こっちだって本気なんだ)
  その狩猟ゲームだって
  未夏さんとプレイしたくてはじめたんだ

〇ファンタジー世界
  フェウ
エルフ「どうしたの?」
  エルフ。
  何ともいえない顔して、そばにいて
エルフ「その子と結婚するんだよね」
  心配でいてくれてるのか
  最終決戦勝利して
  そのまま結婚しよう
  フェウ

〇けばけばしい部屋
未夏「それについては カンゾウさんと話したい」
  ドーナツの輪、赤、イチゴの輪
未夏「カンゾウさんとお肉いきたい」
  輪が完成したなら
  してなくてもいこう
  心からの謝罪
  いいでしょう
  心からの告白
  完成した輪っかで
  結婚指輪として
  はめてもらえますか?
未夏「よろこんで・・・」
  湿った指にフィットするかな
未夏「完熟です」

〇占いの館
老「4月2日から途絶えているって」
カンゾウ「はい、間違いないです」
老「大変かと思うが 少しずつそこから戻していって」
老「それだけは外に」
老「地上に星を 出してはいけない」
カンゾウ「はい、まぁ入力し直しとか 何でもします」
老「・・・ただし、 つづみを右にまわした方がつなぎやすい」
  黒鉄質の指輪で、サメの背ビレみたいな
  刃のついたのを見せて、
老「・・・途絶えてるんですね」
老「遠いみちというのは 夢の中の遠いみち」
カンゾウ「2日からですね、見返して そこからまわし直しますね」
カンゾウ「輪をキレイにして、 右回り、キレイな輪を献上します」

〇女性の部屋
  何このハート、AI?!
  って、薄いハートピンク
  透けるプレート
  未夏さんが写メ日記みたいのあげてる。
カンゾウ(以前の、他の店の?)
  って見てると、
  未夏さんが帰ってきて
カンゾウ「あ、おかえりー・・・」
  軽く会釈して、
  何か直視しないでいると
  そのまま自分の
  左脇の方で着替え始める。
  仕事帰りか、
  白のモファッとした上着脱いで
  ノースリーブで、二の腕が見えたり
  未夏じゃなくて、未夏さん。
  室は未夏さんのなのかな。リビングで、
  まぁ、あんなメールのやりとりの後
  はじめて会ったんだから、
  いきなり親しい笑顔じゃないんだろうけど

〇広い公園
  未夏さんと朝一緒にいて、
  公園の砂利道歩いてるところ
カンゾウ(あっ)
  同僚の女性が二人、
  並んで前を歩いてて。
カンゾウ(・・・あんまり気づかれないもんだねー)
カンゾウ(こっちに興味ないのかな)
カンゾウ(それとも気づいてて気遣ってるのか)
カンゾウ(こっちは、徹夜明けみたいな テンション上がってる感じで)
カンゾウ(別に酔ってないけど、テンション高くて)
  と、未夏さんがこっちにヘッドロックが
  崩れた様に、もたれかかってきて、
  そのまま、しなだれつつ歩く。
カンゾウ(別に、どう思われてもいいけど)
カンゾウ(あんまラブラブすぎるのもな)
未夏「はぁーっ、好きっ」
カンゾウ「ありがとう・・・」
カンゾウ「って、好きって、初好きじゃない?」
未夏「そう?」
カンゾウ「そうだよっ、言われたことないよ」
  思わず好きって──
  出勤時間か、
  人通りがあって、水たまりとか
  道の駅みたいな瓦屋根、
  白い壁の建物が並ぶ、ひらけた感じ。
  そんな中、公園のベンチに
  くっついて座って、横並びで、
  左手、後ろから
  未夏さんの脇にまわしてて
  ちょうどいい位置だから指で脇ツンツン
  脇弱いからなってしたりして。

〇けばけばしい部屋
  ──ラブスターズ。
  未夏さん、裸で仰向け。
カンゾウ(もうやってやるか)
  と思うと、未夏さんガバッと起きて、
  脚で頭挟まれる、
  ってほどでもないけど
  その拍子にどこかぶつけたかして、
  痛ってなってそのまま(ハッとなって)
  流れでなだれ込むように抱きついて
  横寝して、近い顔、口もつけたい──
  でもそれより
未夏「あーっ、会えた」
未夏「うれしいーっ」
未夏「もー」
未夏「自腹で遊園地までいっちゃうよんっ」
  同じこと言って、同じこと思って
  で、直接会えて(やっとって実感して)
  敬語じゃなくて、
  前みたく明るく話してくれて
  会えないこの1ヶ月が
  全部お互い解消されたようになって
  本当にそうなれたら
  どれだけうれしいかわからない
  とにかく何もかも
  もうそのまま抱きしめて
  やさしさの精霊

次のエピソード:二十月

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