悪役令嬢お嬢さマージ!

花石雫

悪役令嬢は双子の商人と出会いました。(脚本)

悪役令嬢お嬢さマージ!

花石雫

今すぐ読む

悪役令嬢お嬢さマージ!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇草原の一軒家

〇暖炉のある小屋
フロンテラ「・・・・・・・・・」
ロゼウス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
フロンテラ「昨日も思いましたが・・・」
フロンテラ「マージで作った料理・・・余り美味しくないですわね、ロゼウス様・・・」
ロゼウス「あ、いや、ちゃんと食べられるよ?」
ロゼウス「ただ、まぁ・・・」
ロゼウス「美味しいとも言い難いけど不味くはない、でも何と言うか・・・そっけない?」
フロンテラ「そうなんですのよ!!」
フロンテラ「お腹を満たすだけなら充分美味しく食べられますわ・・・ただ・・・」
フロンテラ「・・・私、自分達がいかに恵まれた食生活を送っていたか身にしみましたわ・・・」
フロンテラ「というわけで、恐らく自分でなにか作った方が美味しく食べられると思いますの」
ロゼウス「あぁ、フロンは慈善活動で炊き出しを手伝ったりもしているもんね?」
フロンテラ「ウフフ、料理長などに手解きを受けてもいますから任せてほしいですわ!」
フロンテラ「というわけでロゼウス様、早急に食材と調味料、調理器具が必要ですわ」
ロゼウス「ここ、魔素濃度の測定の時にしか使わないのか最低限すらも置いてないからねぇ・・・」
ロゼウス「幸い井戸水は問題なく使えそうだし・・・」
ロゼウス「私も、毎日フロンの手料理が食べられる方が・・・嬉しいしね?」
フロンテラ「ロゼウス様ったら・・・破廉恥ですわ・・・!」
「おはようございまーす、誰かいませんかぁ〜!!」
フロンテラ「え?こんなところに・・・子供の声・・・?」
ロゼウス「うーん?ツインホーンには村も何も無いはずだけど・・・」
「すみませーんっっっ!!!!!」
ロゼウス「──・・・取り敢えず、出てみようか?」
フロンテラ「そうですわね」

〇草原の一軒家
ショウ「おっ!いたいた!!とーちゃんの言う通りだったな!」
ニィン「ショウ、失礼よ」
ニィン「失礼ですが、お二人はロゼウス様とフロンテラ様でお間違い無いでしょうか?」
フロンテラ「え、えぇ・・・」
ロゼウス「えぇっと、君たちは・・・?」
ニィン「申し遅れました、私達は天空の馬車店の支店ツインズを営んております」
ニィン「あちらがショウ、私がニィンと申します、以後お見知りおきを」
フロンテラ「天空の馬車店・・・王都でも有数の雑貨屋を営むあの?」
ニィン「はい、王都のお店は両親と長兄が営んでおります」
ニィン「私とショウは国の北西から北東にかけて日夜仕入れに走り回っておりまして・・・」
ショウ「とーちゃん達が噂の悪役令嬢がここに居るから一儲けしてこいって──・・・」
ショウ「いってぇ〜・・・」
ニィン「・・・大変失礼いたしました」
フロンテラ「私、そんな呼ばれ方をしているのですね・・・」
フロンテラ「そんな私に力を貸すなんて・・・有り難いですけれどお店は大丈夫なんですの?」
ニィン「ご心配にはおよびません」
ニィン「王都では、日頃から両親がガメツク家に大変お世話になっているそうでして・・・」
ニィン「ぜひともお二人の力になるように、と言われて参りましたので!!」
フロンテラ「こちらこそ、御両親のお店にはお世話になっていますのに・・・」
フロンテラ「いえ、今はその好意に甘えさせていただきますわ・・・」
ロゼウス「ふぅん、どの縁がどう繋がるかわからないものだねぇ・・・」
ニィン「商人には商人のやり方がございますし、両親にも考えがあるのでしょうからお気になさらず・・・」
ニィン「私個人としても、お二人のお役に立つべく頑張らせていただきます!」
フロンテラ「ニィン・・・ありがとうございます・・・」
フロンテラ「・・・はっ!ロゼウス様・・・ということは、もしかして・・・!?」
ロゼウス「うん、そうだね♪」
ロゼウス「ねぇニィン、お店ってことは何か商品があるのかな?」
ニィン「はい!日用品、服飾品、食料品・・・何でも一通り取り扱っておりますよ!」
フロンテラ「まさに渡りに船・・・助かりますわ〜!!」
フロンテラ「確かあの子が持たせてくれた荷物にお金が入っていた筈・・・少し失礼しますわね!」
ロゼウス「あ、フロン、中に行くのならあの花も持ってきてくれるかい?」
フロンテラ「ええ、お持ちしますわ!」
ロゼウス「・・・ねぇ、ニィン。仕入れをしてるってことは、輸送用の転移魔法陣を使ってたりするのかな?」
ニィン「そうですね。あ、何か取り寄せたいものがございますか?」
ロゼウス「いや、逆にこちらから売りたい物を委託・・・王都のお店に送り込むことは可能かな、って・・・」
ニィン「まぁ!もう借金返済のプランが!?」
ロゼウス「うん、私の方でも色々考えては居るんだけど・・・」
ロゼウス「王都で売ったほうが高く売れるし、天空の馬車店なら色々なルートもあるでしょう?」
ニィン「それはもう、ぜひ私どもに御任せをっっっ!!」
ニィン「販売ルートなら南の孤島から北の山頂までお任せあれなのです!」
ロゼウス「ありがとう、頼りにさせてもらうね」
ショウ「交渉諸々成立だな♪」
ニィン「ショウは何もしてないじゃない・・・」
ロゼウス「まあまあ。・・・ところで」
ロゼウス「王都での私達の噂、具体的にどんなものが流れているのか・・・わかるかい?」
ロゼウス「特にフロンが悪の令嬢ってのは・・・私としても聞き捨てならなくてね・・・」
ショウ「んー?そうだなぁ〜」
ショウ「王国の麗しの薔薇、第七王子ロゼウス様を誑かし500億イェーンを盗み取った稀代の悪女フロンテラ・ガメツク!!」
ショウ「ロゼウス王子はフロンテラに脅されて共に逃亡中か!!?」
ショウ「そして、ガメツク夫妻に反乱の噂!!娘のお金を持って国外逃亡した可能性も!!!!!」
ショウ「さらにはツインホーンへ逃げた二人を王国騎士団が現在追跡中との証言も続々と上がっている!!」
ショウ「果たしてラインバルト家はロゼウス王子を取り戻し宿敵ガメツク家に鉄槌を下せるのか!!!!?」
ショウ「・・・って感じだな♪」
ショウ「いってぇ〜・・・」
ニィン「申し訳ございません、ロゼウス様。心無い新聞屋の戯言でございます」
ロゼウス「いや、気にしなくていいよ」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:悪役令嬢の王子様は、大魔法使いなのです

ページTOPへ