十八月(脚本)
〇けばけばしい部屋
未夏さんは、
気持ち聞かせて
って言ったら、
未夏「私の疲れた衣装に寝て」
って──
一人の女の子としてこたえてくれるかな
〇大きな木のある校舎
校舎の3階から、
木の枝幹を伝って抱きつき下りると
その下の中庭で、
執事のじいやのような老男性に問われる。
カンゾウ(気持ち?)
カンゾウ(本気で好きなのは間違いない)
心意気を言うと、
木の肌状の拳銃を向けてきて
老「大丈夫です 私の目から見てもいっぱいですから」
と、先を行くよう促される。
こっちは朝から
学校に忍び込んでるみたいで
両手に剣よろしく金具持ってて、
学生の気配して、
物影隠れても全然隠れらんないけど
あいさつ勢いでして先へ進む。
老「・・・・・・」
老「運命とは」
老「直結して、確認して ゴーしかない」
老「あとはお天気ですが」
老「あいにくの雨模様から」
老「キラキラの星模様になるじゃないですか」
老「華金満開で」
〇仮想空間
未夏「もう楽しかったし、最高!」
未夏「おまえとの一生はいい一生だったよ」
最後に言われたら
それはうれしいですね
〇研究所の中
カンゾウ「かわいい」
妹「何?w」
カンゾウ「かわいい」
妹「どういうつもり?w」
妹「・・・うがいしてくる」
カンゾウ「恩返ししてくる?」
──本棚の上に寝床があって
そこで話をして、
口閉じたまま「かわいい」って言って、
でも、言ってるのは伝わってるみたい。
仲間の妹くらいの女性で、
性格よくて鹿っぽい感じの
にこやかな子、品があって
どういうつもりってそういうつもりで
妹に手出していいの?
いいでしょ好きなら
こっち来て、キスしよ?
〇ライブハウスの入口(看板の文字入り)
あとはゆくゆくは結婚できたらいい
ちょっとムチッとしたおかっぱ伸びた
くらいの制服姿の子と再会して、
未夏「どうだった?」
って話になって、
うん、こっちはね、一通り終わったよ
あとは、そうだね、
ゆくゆくは結婚
きみとできたらいいね
って、そこで言っちゃおうかな
(ミケザキモールライブハウス前辺り)
もう再会して、雰囲気が親密で、
ハグして、チュッして、くっついてたい。
白菜みたいに親しいお互い──
〇仮想空間
──再会しようとすると、
未夏さんの顔が母親のようになる。
母親「まぁ、言っていい情報かっていうのは サポートツールで確認して」
母親「バックアップとれてるとかは 控えてますねー」
〇繁華な通り
広い商店街の道、
若い、20くらいの男の子と歩いてて
通りの上にモニターがあって
FFの映像が流されていて、
それでFFの話になって、
こっちがいろいろ教えてあげる。
カンゾウ「それはねー、ベルのマーク出るでしょ」
若者「あっ、そうですね」
カンゾウ「アイテムがごちゃごちゃ出る っていうのも何だけど」
カンゾウ「それ使えんだよねー コピーとかいろいろやれること多くて」
カンゾウ「しかし今の人がやっても面白いの? 10年前だよ?これ出たの」
若者「FFは面白いですよっ」
黒縁眼鏡に細い体。若い子と
同じゲームについて話せるなんてなー
カンゾウ「DDは携帯版は地霊が天照之神やら 呪文使って、限定の仕様があったり・・・」
なんてモニターで見てると、
その男子が、ミルティになって、
その場に泣き崩れてしまう。
カンゾウ「よしよしつらかったねーっ」
一人で立てないから、
ミルティを前から抱きしめて
スクワットの要領で立たせて、
カンゾウ「よしよしつらかったね」
カンゾウ「これからは俺がいるからね」
気丈にしてたって女の子だからね
ラブマックスでまもるから
〇宇宙空間
・・・あまりにみんな以然形なので
雑然なんてのも未然にしてあげるか
〇古いアパートの部屋
俺は保護手当もらえる
今のままの方がいい
──子供が、
女の子「もう僕入ってる部屋に来て 一緒に住んでもいいよ!」
って迎え入れることを言ってるところ、
お金のことを突きつける。
もちろんおまえがそう思うのはいい。
ただし、それにつきまとう
事柄も考えて決めることだ。
相手の子を家族として受け入れる、
保護費用がもらえなくなる、
母親が生活のために働きに出る、
母親がいない家になる
・・・水を差すようだけど、
一面を見せる
自分は現実的じゃなかったりすんのにな
やっかいだな。
〇仮想空間
母親「開放したのはだれですか?」
未夏
母親「ではそちらの情報の登録を」
メアドしかわかりません
俺は欺かれたの?もう無理だよ
〇本棚のある部屋
・・・最近は夢日記ばっかり
書いてるせいか、みんな集まる
みんな大好き 未夏
カンゾウ「はぁ」
黒猫「どうしたの?」
カンゾウ「どうしたのじゃないよ」