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ゆきんこ

第5話 全てはワチャワチャ学園ライフのために(脚本)

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ゆきんこ

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〇屋敷の大広間
豪快(ごうかい)「カアッ!?」
豪快(ごうかい)「危ない!」
豪快(ごうかい)「テイッ!」
豪快(ごうかい)「フゥッ!」
豪快(ごうかい)「隕石クン!!」
隕石(いんせき)「何じゃ豪快チャン」
豪快(ごうかい)「先程からどうも・・・」
隕石(いんせき)「おっと! ナイフか。 豪快チャン、気をつけてくれよ!!」
豪快(ごうかい)「この家に、儂ら以外の何かが居て、」
豪快(ごうかい)「物理的な攻撃をされている気がするのじゃが・」
隕石(いんせき)「儂が訳あって、物理的に生命を狙われているからな!」
隕石(いんせき)「殺し屋じゃ!」
豪快(ごうかい)「隕石クンが狙われていたんか〜い!!」
殺し屋「ギャッ!」
隕石(いんせき)「豪快チャンが噴火した岩が、殺し屋にヒットしたぞい!」
殺し屋「ウウウ」
豪快(ごうかい)「破天荒流の総帥を狙うなんて、どこのドイツじゃ!」
隕石(いんせき)「ドイツ人じゃな!」
殺し屋「ボケが古典的すぎるわ!」
豪快(ごうかい)「アアッ!? その声、アンタはもしや・・・」

〇教室
流星(りゅうせい)「ハァ、ハァ」
葉月(はづき)「アッ、流星!お帰り〜!!」
葉月(はづき)「教室に着いたのに、流星が居なくて焦ったけど」
葉月(はづき)「男子はグラウンドで、体育の授業だったんだね!」
葉月(はづき)「私たち、同じクラスで良かったね〜♪」
流星(りゅうせい)「それより葉月、香水持ってない?」
葉月(はづき)「あるよ♪」
葉月(はづき)(体臭を気にするなんて、さすがに身体は男だけど、中身は女の子ね!)
葉月(はづき)「シャボンの香りとアップルミントならあるけど、どっちが良い?」
流星(りゅうせい)「何日も履き潰した革靴の中で生成された、生乾きの雑巾みたいなニオイか、」
流星(りゅうせい)「真夏に出し忘れた魚の臓器が入った生ゴミみたいなニオイの香水は無いかッ!?」
葉月(はづき)「無い無い無いッ!!」
葉月(はづき)「そんな特殊な香水、 どこにも無いわよ!」
葉月(はづき)「一体、何があったの!?」
流星(りゅうせい)「俺・・・身体は漢でも中身は女のせいなのか、」
流星(りゅうせい)「男どもが匂いを嗅ぎに、列を成して群がってくるんだ!」
流星(りゅうせい)「しかも、アリのようにワラワラと!!」
葉月(はづき)「男たちが、流星の匂いを嗅ぎに、アリのようにワラワラと・・・」
葉月(はづき)(そんな垂涎もののBL展開・・・!)
葉月(はづき)(見たい!全身全霊で見たいわ!)
葉月(はづき)「じゃなくて!」
葉月(はづき)「内なる女性フェロモンは隠しきれないということかしら?」
流星(りゅうせい)「以前通っていた学校では、何故か女子に群がられていたから、」
葉月(はづき)(悪いけど、それは妙に理解できるわ)
流星(りゅうせい)「転校すれば、普通の学園生活が送れるのかと思っていたのに・・・」
流星(りゅうせい)「もう俺、学校に来たくない・・・」
葉月(はづき)「流星が引きこもり!?」
葉月(はづき)「それは非常事態ね!」
葉月(はづき)(ただでさえ執念みたいな強敵もいるのに、)
葉月(はづき)(男まで流星を狙うようになるなんて、絶対無理!)
葉月(はづき)「夢のワチャワチャ学園ライフを成功さするために、私が一肌脱ぐしかない!」
流星(りゅうせい)「なんだよワチャワチャ学園ライフって」
葉月(はづき)(心の声がダダ漏れだった!?)
葉月(はづき)「なっ、何でも無い!」
葉月(はづき)「それよりも、『古武術部』を作るのはどうかな?」
流星(りゅうせい)「古武術部?」
葉月(はづき)「そう! みんなで協力して、流星を女の子に戻すための部活よ!」
葉月(はづき)「活動内容は『とりかへばや物語』 をマスターすること!!」
葉月(はづき)「1人の力では刃が立たなくても」
葉月(はづき)「仲間が居たほうが知恵も出るし、 オジサマに勝てるかもしれない!」
葉月(はづき)「モチロン、男たちに追いかけられたら守ってもらえるわよ!」
流星(りゅうせい)「そんな俺にだけ都合の良い話、聞いてくれる部員や顧問なんていないだろ」
流星(りゅうせい)「それに俺は群れるのが得意じゃない」
葉月(はづき)「流星」
葉月(はづき)「前にも話したけど」
葉月(はづき)「私は流星のおかげで、忘れることが恥じゃなくて、むしろ大事だって分かった」
葉月(はづき)「流星は自分に厳しすぎるんじゃない?」
葉月(はづき)「甘えたい時には甘えて、自分に優しくしてあげて!」
流星(りゅうせい)「・・・自分に優しく?」
葉月(はづき)「今までずっと、霊長類最強最終兵器とか呼ばれて、プレッシャーがあったでしょ」
流星(りゅうせい)「確かに」
葉月(はづき)「まずはそういうのを1人で抱え込まないで、相談できる仲間を作ろうよ!」
流星(りゅうせい)「仲間?」
執念(しゅうねん)「私も入部するから安心して!」
葉月(はづき)「執念、無事だったの?」
執念(しゅうねん)「バナナを食べて、鎖を引きちぎってきたわ!」
葉月(はづき)「バナナって、そんな特殊効果あった?」
流星(りゅうせい)「ありがとう」
流星(りゅうせい)「仲間か・・・なんか、良いよね」
流星(りゅうせい)「でも、3人じゃ部活にはならないんじゃないのかな?」
流星(りゅうせい)「顧問の問題もあるし」
葉月(はづき)「それなら、心当たりがあるから任せて!」

〇散らかった職員室
七転(しちてん)「姫! 君から会いに来てくれるなんて♪」
七転(しちてん)「しかも、古武術部の顧問に来てほしいなんて、願ったり叶ったり」
七転(しちてん)「・・・いえ、頼ってくれて嬉しいです」
葉月(はづき)「良かったあ!」
葉月(はづき)「でも、3人しか居ないから部としてどうかなって思っていて」
七転(しちてん)「それならばご心配なく」
七転(しちてん)「校長先生、生徒から古武術部を作りたいという要望がありましたが」
七転(しちてん)「現状3人で立ち上げても問題ないですよね?」
校長「エッ・・・」
七転(しちてん)「異論はあ・り・ま・せ・ん・よ・ね?」
校長(七転先生って、大人しい人だと思っていたのに、こんなキャラだったの?)
校長「さっ、3人はどうかな・・・最低人数は5人だったハズ・・・」
七転(しちてん)「生徒のためです。 異例で3人でも発足出来ませんか?」
七転(しちてん)「アナタなら出・来・ま・す・ね?」
校長(丁寧な話し方だが、抗えん!)
校長「わ、分かった、分かったよ。 私は良いのだが」
校長「生徒会長の我田クンにも承認を得てくれないか?」
校長「わが校の部活動の管理は、全て生徒会に任せているからね」
七転(しちてん)(忘れていた。 生徒会か・・・)

〇黒
「生徒会長の我田といえば」
「古武術五大流派の1つ、 我田引水流の跡取り」
「下手に動けば、天変地異葉月を狙う輩が増えてしまう」
「古武術部を認可させつつ、こちらの真意は探らせない方法を取らなければ」

〇散らかった職員室
七転(しちてん)「では、放課後に生徒会室前にて待ち合わせをしよう」
七転(しちてん)「何、風紀指導の私が顧問ならば、奴らも文句は言わないさ!」
葉月(はづき)「七転先生に頼んで良かったです!!」
葉月(はづき)「これから、古武術部をヨロシクお願い致します!」
七転(しちてん)「フフ。 こちらこそ」
葉月(はづき)「早速、2人に報せてきます!」
七転(しちてん)(か、可愛い〜❤)
七転(しちてん)(毎日姫と顔を合わせることが出来るなんて、願ったり叶ったり♪)
七転(しちてん)「だが、どうするかな」
七転(しちてん)「うちの生徒会は、校長ですら口出し出来ない独立国家であり、無法地帯」
七転(しちてん)「果たして慣例に無い部活動を認めてくれるのか?」
七転(しちてん)「もし、交渉が難航したら・・・」
七転(しちてん)「力でねじ伏せるか」

〇結婚式場の階段
流星(りゅうせい)「うちの学校の生徒会室って、入り口が学校と繋がってないんだ!」
葉月(はづき)「生徒会長は理事長の子供らしくて、特別扱いなのよ」
葉月(はづき)「私も初めて知ったんだけど、この学校の部活動及び学校行事は」
葉月(はづき)「全部、生徒会長のお伺いを立ててから決まるらしいの」
流星(りゅうせい)「へえ」
執念(しゅうねん)「あの風紀指導のクモ男はどこに居るの?」
葉月(はづき)「生徒会室の前で待ち合わせていたんだけど・・・」
葉月(はづき)「仕事が終わらないのかな?」
流星(りゅうせい)「なにィッ!?」
七転(しちてん)「ウワアアア!!」
七転(しちてん)「クソッ、油断した!!」
葉月(はづき)「先生! 一体、何が・・・」
七転(しちてん)「せ、生徒会長に気をつけろ・・・」
七転(しちてん)「羊の皮を被った・・・狐だ」
葉月(はづき)「先生!」
「古武術は武道。遊びではない」
葉月(はづき)「あなたが生徒会長?」
「如何にも」
我田雅「近くば寄って目にも見よ」
我田雅「我田雅の同意無しに、古武術部など、以ての外」
我田雅「押し通そうとするならば、全力でかかってきなさい」

次のエピソード:第6話 解こうとする糸は余計にダマと化す

コメント

  • 久しぶりに読んで話の展開思い出せるか心配でしたが、登場人物がみんな個性的なので大丈夫でした(笑) 生徒会長もそんな感じですね。
    胃カメラは口でも鼻でもダメです。若いときに口からやってトラウマになって、最近鼻でやってもダメでした……。嫌ですけど消去法でバリウムにしています。

  • みんな心の声が漏れてる🤣
    七転先生は何歳なんでしょうか。結構年の差ありそうですけど大丈夫ですかね🤣
    生徒会長は意外な外見で驚きました。
    堅苦しい男性だとばかり思ってたので。
    なんだかまた個性が強そうで次回も楽しみです!

  • 魚の内蔵が腐った匂いは最悪ですよね。検証ではエビかにの殻が腐った奴がキツさで勝ったようですがそれはさておき。

    相変わらず全力のおふざけ具合で楽しいです。生徒会長への交渉、100%失敗すると思いましたよ。新キャラは新たな恋愛関係のもつれに発展するか、見ものです。

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