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ゆきんこ

第6話 解こうとする糸は余計にダマと化す(脚本)

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〇結婚式場の階段
葉月(はづき)「アナタを倒せば、 古武術部を認めてくれるのね!」
我田雅「私を倒す?」
我田雅「剛毅な娘! 嫌いではないがのう」
我田雅「うぬ等はこの教師の仲間か?」
葉月(はづき)「古武術部を申請中の生徒よ!」
我田雅「ならば潰す!」
我田雅「ぬッ・・・!?」
葉月(はづき)「ありがとう、流星!」
我田雅(私の初手を見抜き、 往(い)なしながら女生徒を庇った)
我田雅「敵ながら天晴!」
我田雅「ならばコレでどうだ」
我田雅「我田引水流・獅子奮迅!!」
流星(りゅうせい)「破天荒流・疾!」
流星(りゅうせい)「何ィ!?」
流星(りゅうせい)「ウワアア!」
葉月(はづき)「流星──ッ!!」
執念(しゅうねん)「馬鹿な!」
執念(しゅうねん)「霊長類最強最終兵器が押し負けるなんて!?」
我田雅「コイツが霊長類最強最終兵器、だと?」
我田雅「まさか、破天荒流の後継者!?」
我田雅「クククッ」
我田雅「ウキャッキャキャ☆」
執念(しゅうねん)「何が可笑しいのよ!」
我田雅「古武術五大流派の一派である我田家は」
我田雅「天変地異との婚約権が第三位」
我田雅「しか〜し」
我田雅「第一位の破天荒流を倒したとあれば、ソレぞまさに下剋上!」
我田雅「これからは、霊長類最強最終兵器という通り名は私が名乗ることにする」
我田雅(かっこよ! キュン♥キュン)
葉月(はづき)「流星が敗けちゃうなんて・・・!」
執念(しゅうねん)「私も信じられない・・・」
執念(しゅうねん)「けど、2人も負傷者が居る以上、 今は退却が優先!」
葉月(はづき)「私が目眩ましをかけるから、 操は2人を担いで!」
執念(しゅうねん)(初めて操って呼ばれた・・・!)
執念(しゅうねん)「てぇてぇなッ! (心の友よーッ!)」
葉月(はづき)「え?なんて??」
我田雅「トドメなり」
葉月(はづき)「天変地異流・猫脚回避!」
我田雅「消えた・・・!?」
我田雅「妙な技を使う小娘め・・・」
我田雅「・・・」
我田雅「この学校に、天変地異流に破天荒が在籍していたとは」
我田雅「面白くなってきたのぅ」
我田雅「ウキャキャキャ☆」

〇屋敷の門

〇屋敷の大広間
流星(りゅうせい)「くっ、悔しい」
流星(りゅうせい)「あんなヤツにやられるなんて・・・」
葉月(はづき)「油断しただけじゃないの?」
流星(りゅうせい)「いや、手に力が入らないというか・・・ なんだか身体がオカシイんだ」
流星(りゅうせい)「そういえば更衣室の奴らも、殴ったのに平気な顔をしていたな」
流星(りゅうせい)「俺、弱くなっている!?」
流星(りゅうせい)「オイ、クソ親父!」
流星(りゅうせい)「男になったら、強くなるんじゃなかったのかよッ!?」
隕石(いんせき)「簡単なことじゃ」
隕石(いんせき)「身体は男なのに心が女のままだから、漢をコントロール出来ないのじゃ!」
流星(りゅうせい)「俺は女だ、バカヤロウ!!」
隕石(いんせき)「そ〜ら、それがマズいと言っておる」
隕石(いんせき)「オマエが破天荒流の役割を全うし、葉月ちゃんと共に『真家』を作ったら」
隕石(いんせき)「もう一度『とりかへばや物語』を使って女に戻してやるぞい」
「ふざけるなあぁッ!!」
???「アナタのその石頭が原因でッ・・・!!」
流星(りゅうせい)「え!?」
流星(りゅうせい)「アンタ誰だ!?」
???「しまった、つい」
隕石(いんせき)「ついに、見つけてしまったようだな」
流星(りゅうせい)「別に隠れていなかったからな!」
???「ワ、ワ、ワタシは・・・」
隕石(いんせき)「聞いて驚け。何を隠そうこの漢は」
隕石(いんせき)「お前の母親じゃ!」
流星(りゅうせい)「・・・」
流星(りゅうせい)「・・・」
流星(りゅうせい)「はは・・・おや・・・?」
隕石(いんせき)「如何にもタコにも!」

〇黄色(ディープ)
ゆきんこ「タコじゃないよ!」

〇屋敷の大広間
流星(りゅうせい)「あのな」
流星(りゅうせい)「これ以上、タチの悪い冗談はヤメてくれ!」
隕石(いんせき)「生き別れの母を前にしてその言い種は、失礼だぞ!」
流星(りゅうせい)「な、泣いていた?」
流星(りゅうせい)「まさか、本当に・・・!?」
葉月(はづき)「待って、流星!」
豪快(ごうかい)「葉月、追ってはならぬ!」
葉月(はづき)「パパなら、事情を説明出来るよね?」
豪快(ごうかい)「ムッ・・・」
葉月(はづき)「一体、何が起こっているの?」

〇旅館の和室
豪快(ごうかい)「破天荒流の男性後継者は、100年毎に『真家』を生み出す役割がある」
豪快(ごうかい)「だが」
豪快(ごうかい)「役割が終われば『真家』に生命を吸い取られる宿命(さだめ)」
豪快(ごうかい)「まるでカマキリの雄のようにな」
葉月(はづき)「そんな・・・!?」
豪快(ごうかい)「隕石クンの妻の彗星サンは、もともと破天荒流の家の娘」
豪快(ごうかい)「子を授かり性別が判明した時に、酷く落ち込んだらしい」
葉月(はづき)「え・・・?」
葉月(はづき)「『真家』を生み出せない女の子だったから?」
豪快(ごうかい)「逆じゃ」
豪快(ごうかい)「流星クンは、もともと男の子だったんじゃ!」
葉月(はづき)「ふえッ!?」
葉月(はづき)「ま、まさか彗星サンは・・・」
豪快(ごうかい)「その『まさか』じゃ」
豪快(ごうかい)「彼女は破天荒流の中でも隕石クンに並ぶ技の使い手」
豪快(ごうかい)「産み落とした子に『とりかへばや物語』を使い、女子にしてしまったのじゃ!」
葉月(はづき)「り、流星は男の子だったの!?」
葉月(はづき)(流星・・・!!)

〇大樹の下
彗星(すいせい)「・・・」
流星(りゅうせい)「あの・・・」
流星(りゅうせい)「アナタが母親って・・・親父に聞いて」
流星(りゅうせい)「・・・どう見ても男にしか見えないんですけど」
流星(りゅうせい)「説明できますか?」
葉月(はづき)(やっぱり追いかけて来ちゃった!)
彗星(すいせい)「そうよ」
彗星(すいせい)「こんな姿だけど、私はアナタの母親」
彗星(すいせい)「破天荒 彗星よ」
彗星(すいせい)「アナタを守れなくて悔しい・・・」
流星(りゅうせい)「アッ、そうか!」
流星(りゅうせい)「まさか、誰かに『とりかへばや物語』をかけられて男になったの!?」
流星(りゅうせい)「でも安心して!」
流星(りゅうせい)「俺が『とりかへばや物語』をマスターして、母さんを元に戻すからね!」
彗星(すいせい)「それは・・・」
葉月(はづき)「『忘れた』んですよね!!」
流星(りゅうせい)「葉月?」
葉月(はづき)「忘れたなら忘れたって言って下さい!」
葉月(はづき)「そしたら私は、彗星サンを許せます!」
葉月(はづき)「中途半端な説明で」
葉月(はづき)「親のエゴで振り回される子供の気持ちになって下さい!!」
葉月(はづき)「流星は、私が責任を持って『女性』に戻します!!」
彗星(すいせい)「葉月ちゃん・・・」
彗星(すいせい)「そうね。『忘れた』わ」
彗星(すいせい)「葉月ちゃんの言う通り」
彗星(すいせい)「私は漢になった」
彗星(すいせい)「それだけよ」
流星(りゅうせい)「・・・」
彗星(すいせい)「アナタに、この姿を見せるのが恥ずかしくて」
彗星(すいせい)「ずっと隠れて生きてきたわ」
彗星(すいせい)「でも、エンスタで隕石クンが流星とスワップしたと聞いて」
流星(りゅうせい)「エッ、エンスタで? 相互フォローしてたの?」
彗星(すいせい)「だんだんムカついてきて・・・」
彗星(すいせい)「隕石クンを暗殺するためにココに来たのよーッ!」
彗星(すいせい)「ダアアッ!!」
隕石(いんせき)「落ちつけ彗星クン! 子どもの前で夫婦喧嘩は教育上良くない」
隕石(いんせき)「しかも、それはもはや、暗殺ではないぞ!」
彗星(すいせい)「どの口が教育を語るのよ!!」
彗星(すいせい)「私は絶対に流星を女の子に戻してみせるわ!」
隕石(いんせき)「切り替えが早すぎるわい! 刃物を向けるな!!」
葉月(はづき)「流星、大丈夫?」
流星(りゅうせい)「俺、夢で見るくらい母さんに会いたくて」
流星(りゅうせい)「どんな形でも会えて良かった」
流星(りゅうせい)「漢になっていたのは驚いたけど、それが母さんの人生なら認めなきゃな!」
流星(りゅうせい)「葉月」
流星(りゅうせい)「心配してくれてありがとう!」
葉月(はづき)「ウン!」
流星(りゅうせい)「俺・・・」
葉月(はづき)「何?」
流星(りゅうせい)「いや、何でもない!」
流星(りゅうせい)「先に帰って風呂に入ってくる!」
葉月(はづき)「私も」
葉月(はづき)「何があっても、 流星を守ってみせるわ!」

〇露天風呂
流星(りゅうせい)「何だろう、この気持ち・・・」
流星(りゅうせい)「あったかくて、フワフワして・・・」
流星(りゅうせい)「俺、まさか葉月のこと・・・」
流星(りゅうせい)「ナイナイナイ!女同士でそれは・・・」
流星(りゅうせい)「まさか、身体が漢になって、心まで侵食されてるのか!?」
流星(りゅうせい)「俺は・・・どうなっちゃうんだよ!!」

コメント

  • まさに複雑かつ破天荒……。みんなが転換して複雑になってます(笑) そして、流星の心にも変化が……これからどうなるのでしょう。

  • 益々混乱して、複雑な展開になっていきますね‼
    男⇒女⇒男と、二転三転する意外な展開😳
    中々そこまでは思いつきませんね、設定が込み入ってて凄いなと思いました‼
    奥義合戦も楽しいので、流派同士の意外な戦いも楽しみですね😄
    スチルが印象的で面白いです。

  • うーん?とすると、流星が男になってしまった今、真家が成立してしまうのでその父である…今だと彗星さんが生命力を吸い取られるのでは?いや、流星の時代で真家が成立して流星が死んでしまうことを懸念した彗星が先にとりかへばや物語を使ったのか。
    100年って二世代くらいで来るからタイミング的にすぐ来るイメージですね。

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