『浮気』しないと恋人が死んでしまいます

鉄火キノコ

第8話 四度目の初デート(脚本)

『浮気』しないと恋人が死んでしまいます

鉄火キノコ

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〇病院の診察室
藤田賢雄「失礼します」
藤田賢雄「この前はすみませんでした」
藤田賢雄「カスミが勝手に抜け出しちゃって」
医者「まぁ、元気に動けるならいいのだがね」
医者「さすがに」
医者「勝手に抜け出されるのは困るな」
藤田賢雄「す、すみません」
医者「ところで」
医者「そちらの進捗はどうかね!?」
藤田賢雄「えぇ、ターゲットと付き合うことはできました」
医者「そうか」
医者「では、ここからの課題は二つある」
医者「まず、一つ目は、本当に君が彼女の好意を獲得できているかどうかの確認」
医者「そして、二つ目は、彼女の血液を入手する方法」
藤田賢雄「そうですね・・・・・・」
医者「こればかりは、君に任せるしかない」
医者「申し訳ないな」
藤田賢雄「いえ、大丈夫ですよ」
藤田賢雄「こんど、何かしらの理由をつけて、ターゲットをこの病院に誘います」
藤田賢雄「そのとき、血を採取しましょう」
医者「そうだな」
藤田賢雄「じゃあ、カスミに会ってきます」
医者「ウム」

〇病室
藤田賢雄「カスミ、入るぞ」
鈴鹿カスミ「どうぞ!!」
藤田賢雄「はいよ」
鈴鹿カスミ「いつもありがとー!!」
藤田賢雄「カスミ・・・・・・」
鈴鹿カスミ「!?」
藤田賢雄「三雲しほのサインとか、欲しくないか!?」
鈴鹿カスミ「いらない」
藤田賢雄「えぇ!?」
鈴鹿カスミ「あの人嫌い」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「もし、カスミがサイン欲しかったら、病院に呼ぼうと思ってたんだが」
鈴鹿カスミ「まぁ、確かに、売ればお金になるかな」
鈴鹿カスミ「いいよ!!!!」
鈴鹿カスミ「サインもらってあげよっか!!」
藤田賢雄「金目当てかよ・・・・・・」
藤田賢雄「うん!?」
藤田賢雄「勉強してたのか」
藤田賢雄「邪魔したな」
鈴鹿カスミ「大丈夫!!」
鈴鹿カスミ「ちょうど、休憩したいと思ってたから!!」
藤田賢雄「熱心だな」
鈴鹿カスミ「まぁね!!」
鈴鹿カスミ「しっかり勉強しないと医学部なんて無理だから」
藤田賢雄「勉強しないといけないのに」
藤田賢雄「病院から抜け出してエキストラやってたのはどこの鈴鹿カスミさんですかね」
鈴鹿カスミ「もーー!!」
鈴鹿カスミ「意地悪!!」
藤田賢雄「先生困ってたぞ」
鈴鹿カスミ「あの後、謝ったからいいの!!」
鈴鹿カスミ「でさぁ、でさぁ!!」
鈴鹿カスミ「これ見て!!」
  画面には、ネックレスが映し出されていた
藤田賢雄「なにこれ!?」
鈴鹿カスミ「ずっと行きたいって言ってる」
鈴鹿カスミ「遊園地でしか売ってないネックレス!!」
鈴鹿カスミ「欲しいですね・・・・・・」
鈴鹿カスミ「はい・・・・・・」
鈴鹿カスミ「買ってくれますよね!?」
藤田賢雄「いきなり敬語使っても無駄だからな!?」
鈴鹿カスミ「もーー!!」
藤田賢雄「病気治って、遊園地行けるようになったら」
藤田賢雄「その後、考えてやる」
鈴鹿カスミ「もーー!!」
鈴鹿カスミ「意地悪!!」
藤田賢雄「アハハハハハハハハ」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「うん!?」
  電話の相手は”三雲しほ”だった
藤田賢雄「ちょっくら、電話してくる」
鈴鹿カスミ「誰から!?」
藤田賢雄「仕事関係の人だよ」
鈴鹿カスミ「わかった」

〇川沿いの公園
藤田賢雄「お待たせしました」
三雲しほ「敬語禁止!!!!」
藤田賢雄「あぁ、ごめん」
三雲しほ「紹介する」
三雲しほ「この人が私の兄」
三雲悠生「・・・・・・」
三雲悠生「こんにちは」
藤田賢雄「こ、こんにちは、お義兄さん」
三雲悠生「はぁ!?お義兄さん!?」
三雲悠生「だまれよぉぉぉぉ死ねよぉぉ」
三雲悠生「死んでくれ!!頼む、死んでくれ」
三雲しほ「ちょっと!!お兄ちゃん!!」
三雲悠生「むぅぅぅ」
三雲しほ「威嚇しないの!!」
三雲悠生「はぁ・・・・・・」
三雲悠生「こいつが、しほの新しい彼氏か」
藤田賢雄「どうも、藤田賢雄と申します」
藤田賢雄「ご存じの通り、しほさんとお付き合いさせていただいてます」
三雲悠生「君、もしかして」
三雲悠生「ドラマでしほと・・・・・・」
藤田賢雄「えぇ、共演しています」
三雲悠生「そうか」
三雲悠生「僕は、三雲悠生。記者をしている」
藤田賢雄(記者・・・・・・)
三雲悠生「よろしく、死んでくれ」
藤田賢雄「えぇぇ」
三雲しほ「お兄ちゃん、最悪。気持ちわる!!」
三雲悠生「えぇぇ」
三雲しほ「賢雄、ごめんね。こいつ嫌な兄貴なの」
藤田賢雄「はぁ」
三雲悠生「しほも、負けないぐらい嫌なやつだよ」
三雲悠生「俺に似てな」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「じゃ、賢雄、行こっか」
藤田賢雄「・・・・・・」
三雲悠生「無視しないでくれよぅ」
三雲しほ「だって、どうしてもって言うから」
三雲しほ「紹介してあげたのに!!」
三雲しほ「暴言しか吐かないからさぁ・・・・・・」
三雲悠生「それはなぁ、お前が元カレに浮気されてたっていうから」
三雲悠生「今度の奴は大丈夫か心配になって・・・・・・」
三雲しほ「大丈夫に決まってるじゃん!!」
三雲しほ「賢雄は浮気するような奴じゃないよ」
三雲しほ「ね!!賢雄!!」
藤田賢雄「あぁ、もちろんです」
三雲しほ「敬語禁止!!!!」
藤田賢雄「あぁ、ごめん」
三雲しほ「じゃ、私たち行くから」
三雲しほ「バイバーイ」
藤田賢雄「失礼します」
三雲悠生「・・・・・・」
三雲悠生「・・・・・・」

〇遊園地の広場
三雲しほ「今日こそは遊ぶ!!!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄(ここは、カスミの病気が治ったら)
藤田賢雄(彼女と来る約束をしている遊園地だ)
藤田賢雄(そして、俺が太希の浮気を糾弾した場所でもある)
藤田賢雄「・・・・・・良かったんですか!?」
藤田賢雄「ここに来て」
三雲しほ「前は、誰かさんのせいで遊べなかったからね」
藤田賢雄「すみません」
三雲しほ「ううん、でも、今は感謝してるよ」
藤田賢雄「・・・・・・なら、」
藤田賢雄「良かったです」
三雲しほ「敬語禁止!!!!」
藤田賢雄「ご、ごめん」
三雲しほ「じゃ、行こっか!!」

〇ジェットコースター
「ぎゃーーーー」

〇暗い廊下
三雲しほ「うぅ・・・・・・」
三雲しほ「手・・・・・・離さないでよ」
藤田賢雄「大丈夫だって・・・・・・」
藤田賢雄「ただのお化け屋敷なんだから」
三雲しほ「キャーーーーーー」

〇メリーゴーランド
三雲しほ「うひょー!!」

〇デパ地下
藤田賢雄「土産、決まったか!?」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「・・・・・・」
藤田賢雄「それって・・・・・・」

〇病室
鈴鹿カスミ「欲しいですね」
鈴鹿カスミ「買ってくれますよね!?」

〇デパ地下
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄(カスミが欲しがってたやつか)
藤田賢雄「欲しいのか!?」
三雲しほ「え!?」
藤田賢雄「買ってやるよ」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「いいの!?」
藤田賢雄「あぁ、もちろんだ」
藤田賢雄「俳優業で貯めたお金があるしな」
三雲しほ「でもやっぱり、それは悪いよ。自分で買う」
藤田賢雄「遠慮するなよ」
藤田賢雄「『恋来い』のドラマ決定祝いだ」
三雲しほ「・・・・・・」
三雲しほ「ホントに!?」
藤田賢雄「おう!!」
三雲しほ「ありがと・・・・・・」
三雲しほ「そんなに言うなら」
三雲しほ「今回は、”買わせてあげます”」
藤田賢雄「めっちゃ上から・・・・・・」
三雲しほ「フフフフフ」
三雲しほ「でも」
三雲しほ「彼女に、なんでも買ってあげてたら、”お財布役”みたいになるよ!!」
藤田賢雄「別にかまわないよ」
藤田賢雄「しほが喜んでくれるなら」
三雲しほ「むぅぅ・・・・・・」
三雲しほ「それは、ズルいよ・・・・・・」
三雲しほ「・・・・・・」

〇観覧車のゴンドラ
三雲しほ「ふぅ・・・」
三雲しほ「いっぱい遊んだね」
藤田賢雄「あぁ、そうだな」
三雲しほ「そういえば」
三雲しほ「敬語使わなくなった!!」
藤田賢雄「た、確かに」
三雲しほ「自分で驚いてどうすんのよ」
「ハハハハハハ」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄(そうだ、この女を病院に誘って)
藤田賢雄(恋病を治療するための血を採取しないと)
藤田賢雄「しほ」
藤田賢雄「また今度、病院に行かないか!?」
三雲しほ「え!?」
藤田賢雄「この前会った、俺の友達の」
藤田賢雄「カスミ・・・・・・覚えてるか!?」
三雲しほ「えぇ、あの性悪オンナね」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「まぁ、その子がしほに会いたがってるんだ」
藤田賢雄「入院してる病院まで、いっしょにきてくれないか!?」
三雲しほ「しょーがないなぁ」
三雲しほ「賢雄の頼みなら」
三雲しほ「いいよ」
三雲しほ「その代わり!!!!」
三雲しほ「この遊園地」
三雲しほ「また、来ようね・・・・・・」
藤田賢雄「あぁ」

〇公園のベンチ
藤田賢雄「遊園地、連れてってやるよ」

〇観覧車のゴンドラ
藤田賢雄「必ず来ような」
藤田賢雄「今度こそ・・・・・・」
藤田賢雄(カスミ・・・・・・)

〇公園のベンチ
  三雲しほとの
  遊園地デートから
  一週間後
藤田賢雄「!?」
三雲悠生「よぉ」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「お、お義兄さん!?」
藤田賢雄「どうしたんですか!?」
三雲悠生「少し、聞いておきたいことがあってね」
三雲悠生「藤田賢雄」
三雲悠生「君は、僕の妹を・・・・・・」
三雲悠生「三雲しほを」
三雲悠生「愛しているか!?」
藤田賢雄「もちろんです」
三雲悠生「しほのどこが好きなんだ!?」
藤田賢雄「いっぱいあります」
藤田賢雄「芯が通っていてまっすぐなところ」
藤田賢雄「努力を怠らないところ」
藤田賢雄「夢のために一生懸命なところ」
藤田賢雄「他にもいっぱいあります」
藤田賢雄「挙げきれないくらい・・・・・・」
三雲悠生「ほう」
三雲悠生「よっぽど・・・・・・しほが好きなんだな」
三雲悠生「なるほどな・・・・・・」
三雲悠生「・・・・・・」
三雲悠生「・・・・・・」
藤田賢雄「ところで、お義兄さんは、こんなところで何をしていたんですか!?」
三雲悠生「君こそ、どこに行こうとしてたんだ!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
三雲悠生「恋人の場所か!?」
三雲悠生「もう一人の・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「もう一人・・・・・・!?」
三雲悠生「君、浮気しているね!?」
藤田賢雄「・・・・・・」
三雲悠生「もう一度聞く」
三雲悠生「藤田賢雄」
三雲悠生「貴様、浮気してるだろ!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
  それは、突然の糾弾だった
  俳優 藤田賢雄の終わりまで
  藤田賢雄の俳優生命が殺されるまで
  残り二話

次のエピソード:第9話 露呈

コメント

  • シホの元彼が喫煙をメディアに売るターンだと思ってたので、お兄さんの登場は予想外でした🤯
    ピンチになってきましたね!盛り上がって来そうです!

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