アテナ任務遂行中!

木佐マコ

最終話 さようなら、アテナ④(脚本)

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〇屋上の隅
メイ・チュウ「リンダ、いい風だろう?」
  メイ・チュウは相棒のライフル・リンダに語りかけた。
メイ・チュウ「ここは街で一番高い場所なんだぜ・・・俺のプロ魂よりは低いがな」
アテナ「御主人(マスター)、どこに・・・」
メイ・チュウ「!? お、おおおおお前──」
メイ・チュウ「きょっ、今日は別の仕事で来たんだが!?」
アテナ「・・・? 私に話しかけているのですか?」
メイ・チュウ「もうあの件からは降りたんだ! お、お前の手の内はすべて見切ったからな、急にやる気がそがれて、それで」
アテナ「貴方も、私のことを知──」
メイ・チュウ「今日は風がよくない。 か、帰るぜリンダ!」
アテナ「! 待ちなさい!」
  メイ・チュウの肩を掴んで引き留める。
メイ・チュウ「ひっひぃえええ!? ギャあああ!!」
アテナ「・・・あの人も、御主人(マスター)の友達でしょうか」
アテナ「私は御主人(マスター)のことを何も知らない」
アテナ「私はこの街で、御主人(マスター)とどのように暮らしていたのでしょうか・・・」

〇大きな木のある校舎

〇教室
  みこは教室に一人ぼっちで座っていた。
  ポケットから宿題のプリントを取り出して、じっと見つめる。
高原みこ「最後の一問、残ってたんだった・・・・・・」
高原みこ「えーと、xとyに・・・・・・」

〇教室
アテナ「御主人(マスター)、また早弁ですか?」
高原みこ「だって朝ご飯、今日は3杯しか食べてない・・・ん? また?」
アテナ「どうしました?」
高原みこ「アテナ、記憶戻ったの!?」
アテナ「相変わらず話が見えません。 最初から、順序立てて話してください」
高原みこ「あはは、やっぱりアテナだ! よかったー、今度こそ元に戻ったんだね!」
吉永良晴「た~か~は~ら~! またお前は早弁か!」
高原みこ「! ちっ、ちがいまーす!」
  教科書をかぶって机に突っ伏すみこ。
アテナ「御主人(マスター)、往生際が悪いですよ。起きてください」

〇教室
  「御主人(マスター)、起きてください」
高原みこ「! ・・・夢か」
アテナ「ずいぶん探しました。 まさか休日の学校にいるとは・・・」
高原みこ「アテナ・・・」
アテナ「? どうかしましたか?」
高原みこ「これまでのこと、思い出した?」
アテナ「・・・いえ。申し訳ありません」
高原みこ「・・・謝らないでよ」
  みこは宿題のプリントを掴んで教室を飛び出した。
アテナ「御主人(マスター)!」

〇学校の屋上
アテナ「御主人(マスター)、待ってください!」
高原みこ「会いたい・・・」
アテナ「え?」
高原みこ「前のアテナに会いたいよ」
アテナ「・・・申し訳ありません。ですが」
高原みこ「アテナってね、私が一人でどこか行こうとするとすごく怒るの」
アテナ「・・・・・・」
高原みこ「時々はぐれても、すぐに見つけてくれる。びゅーんって飛んで、一瞬で」
アテナ「・・・はい」
高原みこ「・・・・・・」
アテナ「・・・・・・」
高原みこ「・・・ごめんねアテナ」
アテナ「え?」
高原みこ「アテナの、そんな悲しい顔、見たくないのに」
アテナ「・・・御主人(マスター)が謝ることではありません」
高原みこ「私、アテナのこと苦しめてる」
アテナ「御主人(マスター)、泣かないでください」
高原みこ「・・・・・・」
アテナ「私は御主人(マスター)を泣かせるために来たのではありません。守りに来たのです」
アテナ「御主人(マスター)の泣き顔は見たくない。以前の私も、きっとそうだったでしょう」
高原みこ「・・・アテナ」

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