11 案内狐と邂逅 ―天郷編―(脚本)
〇黒
‥‥?
セリーナ「はいは~い!」
???「たのも~!」
〇簡素な部屋
〇西洋風の部屋
セリーナ「‥‥あ!」
???「朝早うにすまぬ! ここに──」
久遠 陽菜(くおん ひな)「‥あの、セリーナさ」
???「あーーーー!!」
???「見つけた‥見つけたぞ!!」
???「やはり、ここにおったか! おぬし陽菜であろう?」
久遠 陽菜(くおん ひな)「は‥はい」
???「こんの‥わしを、こんなにかけずりまわしおって‥!」
???「おぬしについておる、かすかに残ったポンコツ玲仁の香りを頼りに」
???「昨日から探しておったのじゃ!」
???「きぃぃぃ! 玲仁め‥転送先に誤差があるとはいえ」
???「誤差‥ありすぎじゃろ~~~~!!」
???「ぜぇぜぇ‥はぁはぁ‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)(ひぇぇ‥めっちゃ怒ってるぅ)
???「ああ!! 気に入りの面じゃが、あっついわ!!」
???「ふーーーー!」
セリーナ「あ、お水! お水いかが?」
???「いただこう」
???「ふぅ‥落ち着いたわ」
久遠 陽菜(くおん ひな)(はわぁ‥)
綺羅(きら)「わしは綺羅! 陽菜、おぬしの案内役じゃ!」
綺羅(きら)「‥ん? なんじゃ、わしのことジッと見おって」
久遠 陽菜(くおん ひな)「え‥だって、すっごい美少女だから‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「見とれちゃって‥」
綺羅(きら)「お‥おぬし‥!」
綺羅(きら)「見る目があるのお~♪」
久遠 陽菜(くおん ひな)「(ホッ)」
綺羅(きら)「わしはの! 生まれたときから麗しかったそうじゃ!」
綺羅(きら)「星のように輝いて見えたから、綺羅という名にしたと聞いておる♪」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ぴったりの名前♪」
綺羅(きら)「おぬし‥嘘がつけぬ正直者と見た!」
綺羅(きら)「気に入ったぞ♪」
綺羅(きら)「(くんくん‥くんくん)」
綺羅(きら)「なんや良い香りがするのお」
セリーナ「お二人とも~、こちらで一緒に食べませんか~?」
綺羅(きら)「なんじゃ? このハイカラな食べ物は!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「パンケーキ♪ 美味しそ~! お店みたい♪」
セリーナ「ふふっ、ありがとう♪」
綺羅(きら)「これは、(むしゃ) パンケーキと、(むしゃむしゃ)」
綺羅(きら)「いうのか?(もぐもぐ)」
綺羅(きら)「甘くて、(ごっくん) ふわふわで、(むしゃむしゃ)」
綺羅(きら)「実に、(もぐもぐ) 美味じゃ~!!」
綺羅(きら)「ぷはー」
久遠 陽菜(くおん ひな)(もう食べちゃった! はや!)
久遠 陽菜(くおん ひな)「セリーナさん、綺羅さんが来てくれたので案内は‥」
セリーナ「ええ、わかってるわ♪ 綺羅さんに案内してもらった方が確実よ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「セリーナさんとお話しできて良かったです。お世話になりました」
セリーナ「うん。また‥会えたらいいわね♪」
久遠 陽菜(くおん ひな)「‥はい、また」
綺羅(きら)「では、行こうかの!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「あ、はい!」
綺羅(きら)「セリーナとやら、陽菜が世話になった」
綺羅(きら)「それから‥パンケーキを馳走になり、わしは感激した!」
綺羅(きら)「で、じゃなあ‥‥あの‥」
綺羅(きら)「その‥‥」
綺羅(きら)「ま、また、食べに来ても良いだろうか!?」
セリーナ「ええ、もちろん♪ 気に入っていただけて嬉しい♪」
綺羅(きら)「本当か!? いやったああ!」
綺羅(きら)「では、ひとまず失礼する」
セリーナ「はい」
久遠 陽菜(くおん ひな)「セリーナさん、ありがとうございました」
セリーナ「うん、陽菜‥元気でね」
〇草原の道
綺羅(きら)「術で飛んでも良いが、パンケーキの腹ごなしに歩くかのぉ!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「あ、はい! わかりました」
綺羅(きら)「陽菜‥わしに敬語は無用じゃ」
綺羅(きら)「わしのことは、綺羅と呼べ!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「え‥ええ~! いきなり呼び捨ては‥」
綺羅(きら)「良いのじゃ良いのじゃ!」
綺羅(きら)「わしはおぬしを気に入った! 気安く綺羅と呼べばよい」
久遠 陽菜(くおん ひな)「う、うん。じゃあ‥わかった、綺羅」
綺羅(きら)「うむ! それでよい♪」
〇草原の道
綺羅(きら)「およ? すると陽菜は玲仁の嫁になると決まったわけではないのか?」
久遠 陽菜(くおん ひな)「‥うん」
綺羅(きら)「ふぅん‥そうか」
綺羅(きら)「玲仁の嫁候補が増えただけか!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「増えたって‥嫁候補がすでにいるってこと!?」
綺羅(きら)「そうじゃ~、おなごは皆、誰かの嫁候補じゃからな」
綺羅(きら)「わしも候補のひとりじゃが‥」
綺羅(きら)「わしは、あんなポンコツお断りじゃ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ね、ねえ? ポンコツって玲仁のどういうところが?」
綺羅(きら)「ん? 陽菜は知らぬのか? 社(やしろ)が荒れ放題じゃろ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ああ、うん。そうだね」
綺羅(きら)「社の管理もできぬ奴はダメじゃ!」
綺羅(きら)「まあ緋紗のことで頭がいっぱいなのはわかるが」
久遠 陽菜(くおん ひな)(緋紗? 封印してたんだよね?)
綺羅(きら)「あやつは自分のことは後回し」
綺羅(きら)「優しすぎるがゆえ、敵にまでも情けをかける」
綺羅(きら)「そんなんじゃ、いつか足元をすくわれる」
綺羅(きら)「そういうところが、ポンコツなのじゃ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「・・・」
綺羅(きら)「皆、玲仁の見た目と強さだけに惹かれておるのじゃ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「玲仁って、そんなに強いの?」
綺羅(きら)「社を任されるということは強者ということじゃからな」
綺羅(きら)「まあ強さで言えば、緋紗も‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「玲仁と緋紗が戦ったの?」
綺羅(きら)「戦ったというか‥試験じゃ」
綺羅(きら)「緋紗が勝ったが、玲仁が手を抜いた可能性も‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)(玲仁が手を抜いた? なんで‥?)
久遠 陽菜(くおん ひな)「あ、でも」
久遠 陽菜(くおん ひな)「緋紗が勝ったのに、玲仁が社を任されるようになったのはなんで?」
綺羅(きら)「それは‥長たちが‥」
綺羅(きら)「あ~‥」
綺羅(きら)「すまぬ陽菜! これ以上は玲仁に聞いてくれ!」
綺羅(きら)「長たちが、どこで聞き耳を立てておるかわからぬからの!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「え? う、うん‥?」
〇原っぱ
綺羅(きら)「玲仁の故郷、狐神の集落に寄るか?」
久遠 陽菜(くおん ひな)(故郷かぁ‥見てみたいかも)
綺羅(きら)「ほかの嫁候補の視線が痛いかもしれんがの」
久遠 陽菜(くおん ひな)「え!!」
綺羅(きら)「そりゃ、陽菜は玲仁に見初められた、いちばんの嫁候補じゃろ?」
綺羅(きら)「皆、当然、興味津々!」
久遠 陽菜(くおん ひな)(ひぃ‥! そんなの怖すぎる)
久遠 陽菜(くおん ひな)「や、やめとく‥」
綺羅(きら)「そういうと思うて、すでに通りすぎておる」
久遠 陽菜(くおん ひな)「え!?」
久遠 陽菜(くおん ひな)「なぁんだ、もう」
久遠 陽菜(くおん ひな)「あれ? でもじゃあどこに向かってるの?」
綺羅(きら)「陽菜の求める『翠霊斬』がある」
〇屋敷の門
綺羅(きら)「巫女神の集落じゃ!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「‥‥巫女神の、集落?」
綺羅(きら)「人間界で巫女のチカラを持っていた者たちの集落じゃ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「へぇ~」
綺羅(きら)「少し待っておれ」
綺羅(きら)「たのもぉぉぉぉ!」
久遠 陽菜(くおん ひな)(セリーナさんちとおんなじ訪問スタイル‥)
綺羅(きら)「事前に話をしておいたから、すんなり入れるぞ」
綺羅(きら)「こっちじゃ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「あ、うん」
〇広い和室
久遠 陽菜(くおん ひな)「すごい部屋だね」
綺羅(きら)「わしが話を通しておいたからじゃぞ!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ありがとう、綺羅」
綺羅(きら)「いひひひひ♪」
綺羅(きら)「‥来たか」
久遠 陽菜(くおん ひな)(うそ‥まさか‥‥でも、この声‥!)
ぐるっと読み直して見ましたが、両親健在だし佐恵くらいしか思い付きませんがむむむ…ここにいる理由が良くわからないので次回を大人しく待つこととします。案内役はイケメンかと思ったらかわいい狐でした。陽菜のライバルは沢山居そうですが玲仁のライバルはまだいませんね。
新キャラ綺羅ちゃん、可愛い案内役がでてきましたね☺️
陽菜ちゃんに呼びかけてくれたのは、優しいあの方でしょう🥹次回は感涙必至!こころして待ちます😊
今回も面白かったです!!✨😆
きらも可愛いですね💖😍
パンケーキにはしゃぐ姿に癒されました✨🥞
わわー!!ひなちゃん!!と呼んできたのは誰でしょう!?✨😍気になります!!✨考えながら、次回も楽しみにしてますね✨😆