ミナツキ

但馬感象

十七月(脚本)

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〇開けた交差点
  未夏さん、
  若い男に連れられていっちゃった。
カンゾウ(こらこらおいおいおい)
  車道、信号無視して
  追っかけようとしたけど、
  後姿、自転車乗ってても
  何か嫌そうじゃないし、
  (2人乗りで後ろに座って)
  若い男が花壇から赤い花つかみ取って、
  未夏さんに渡して。
  仕事は休みとって、
  2人で遊ぶ約束元々してたのかしらん。
カンゾウ(こんなの見るために俺は生きてきたのか)
  不如知 かなしい

〇本棚のある部屋
  ・・・6番にお電話です 内線
カンゾウ「はい」
  逆 6→9 (Q)
  赤い花→チューリップ
  自転車→昨日、未夏乗ってた

〇可愛い部屋
  ──浦島太郎、舌足らずの男。
浦島太郎(黙って、いないフリした方がいいかな?)
  (ジェスチャーして)
  「隠しても無駄ぞ、いるんだろ?」
未夏「いるよ」
  「結婚するんか?」
未夏「するよ」
  未夏さんの母親から
  未夏さんに電話かかってきて、
  室に一緒にいる浦島は口閉じて、
未夏「するよ、お色直しもしたし」
浦島太郎(制服から私服に?)
  結婚できる?
  人気の結婚ソングの歌詞のように・・・

〇開けた交差点
  ──自転車の件の前、
  九州芸人の金丸さん見つけて
  (物陰に隠れてるのを)
金丸「アール、アールっ」
  しきりにいってる。
金丸「R」
金丸「あーる」
金丸「あるんです」
金丸「隠れてるの見つけたんです」
金丸「明太子」
金丸「赤花」
金丸「左手でつまんで」
金丸「花嫁にあげたんです」

〇おしゃれな廊下
  (中庭のある邸宅の廊下)
  夜、徘徊して、各部屋を、
  真っ暗に近いから見えないけど
カンゾウ(ああ、好きな子の部屋も 全部襖開いてて)
カンゾウ(のぞいちゃおう)
  とか浮かぶくらいでオートな徘徊
  (止まらないであちこち)
「あれだけサポートしてくれたら」
「好きになりますよっ」
  なんて言う女性の声。
カンゾウ(そうだろうよ、そりゃ)
カンゾウ(こっちは建設的にやってんのに・・・)
6「殺す」
カンゾウ「殺す?」
カンゾウ「殺してみろよ、6?」
カンゾウ「殺してーのはこっちだよ」
カンゾウ「クソ6青林檎が」
カンゾウ「クソルーレットよー どっちがおかしーんだよーっ」
カンゾウ「人の思い踏みにじってんのはどっちだよ」
6(・・・虚空)
6(世界で一番安心する白T肌着)
6「・・・ここで会ったが100年目」
6「もうおまえを自由にしてやるよ」
6「どこへなりといくがいい」
カンゾウ「泥兎のいくところなんてない」
6「あるだろう」
カンゾウ「・・・あるね」

〇けばけばしい部屋
  トラちゃん実猫バージョン写真
  (首伸ばして、んーって横顔)
  未夏さん もうすぐ

〇宇宙空間
メイド「迷わずスカート」
メイド「スカート?→いこう」
メイド「・・・どこで道がそれたか、翻ったか」
メイド((人生の中で、いい悪いではなく))
メイド「・・・あなたが頭の中の操作を やめたから出てきたの」
メイド「みるきー」
メイド「忍者」
メイド「銀白」
メイド「たくさんの縁によってここまできた」
メイド「聖なる星の矢 (感極まる)」
メイド「これから 縁を結びたい人がいて」
メイド「恩を返したいこともあって 借りたものも返したくて」
メイド「悪事働いた悪い子に許されるなら」
メイド「・・・イエスッて言ってくれるかな?」

〇ゲームセンター
  ゲームセンターで、
  ドーム型のクレーンゲーム機があって
  そのドームの真ん中を
  パカッと開けてカプセルをとるシステム。
カンゾウ(こんなの好きなのとれちゃわない?)
  カプセルの中が光ったのは、
  ゲット確定になるんだけど
カンゾウ「あれ、どこだ」
  見失うと、一緒にやってる女性
  未夏さんが、
未夏「ここ」
  って教えてくれて、
  ゲットしたカプセルを開けてみると、
  がま口ポーチが入っていて
  そのがま口を開けたら
カンゾウ「うわーっ、ぐぴちゃんだーっ」
  薄透け色あせの、ぐぴ
カンゾウ「てか、入れ物も 『フォーチュンぐっぴー』じゃん」
カンゾウ「あっ、こっちも うわー、ラキ子だーっ」
未夏「そんな好きならもらっちゃえば?」
カンゾウ「いや、うれしいけど」
カンゾウ「こんな色あせるまででも 形保って持ってたんなら」
カンゾウ「その人が最後まで もってあげればいいのにね」

〇コンサート会場
いいことばかり「愛と恋と」
いいことばかり「どっちを選べばいいかと言ったら」
いいことばかり「いい回転のする方を選びなさい」
  って、いいことばかりが歌う。
  少し小麦色で、歌って唾、唇の右下
  飛んじゃっても、何かかわいく見える。

〇美術室
ツワモノ「感謝感謝ーっ」
ツワモノ「送信」
ツワモノ「彼のこれからの未知の路の道行を 祈念してやみません」
ツワモノ「みなさんも、絵を習うのというのは」
ツワモノ「おそらくは彼は 単に技術をつけるとかではなくて」
ツワモノ「彼にとって絵を描くということが 未知の未来の同伴者として」
ツワモノ「いつも一緒にいる猫のような 役割を果たすのではないでしょうか」

〇戦地の陣営
  戦士同士で男女ペア組んで
  抱き合うんだけど、
  からだの頑丈さを
  確かめる方に気がいくみたい。
  でもこっちは、あがぺーさんと
  寝転がって、上からキス
  あがぺーさんも受け入れてくれて、
  積極的に、後頭部抱えてキスしたり
  クロスして重なる角度変えたり、
  舌の使い方も平たく当ててみたり、
  多彩なキスをする、チロチロしたり
  そこから真空の
  蝶の扉が開いて吸い込まれそう

〇けばけばしい部屋
  未夏 今日で退団
  うん、それでいい
  そして2人で未知の扉を開けて、
  未来へいこう

〇けばけばしい部屋
  ・・・そしたらミルティ、
  自分の罪を、返したいんじゃないの?
ミルティ「はいっ ポンで、それでは・・・」
  かわいそうだったもん
  先週いったとき泣いてたもん

〇桜並木
  ──猫を追いかける。
  桜並木を、はじめ3匹位いる中で、
  一番近い薄茶の子に追いついて、
  脇から腰抱えようか、
  猫の抱え方は合ってんのかな。
  でも、なかなか向こうも
  スピード上げて追いつけなくて、
  そのうち数増えて、
  6匹位になって、集会でもあるのかね

〇水玉
カンゾウ(店入ってネコペンキ買うかな)
カメラマン「カンさん買う?」
  って言われて、黄色の。
  その前、黒地にその黄色で
  猫描いてあるTシャツがあって、
  自分で描いちゃえばよくない?ってさ

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