線香花火と恋と君と

日月烏兎

線香花火と恋と君と(脚本)

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〇公園の砂場
なつみ「・・・・・・」
なつみ「・・・あの、さ?」
海斗「ん? どうかした?」
なつみ「確かにね、確かに私は花火に誘われたよ」
海斗「うん。ん?」
なつみ「でも本当にこれで良いと思ってる?」
海斗「何か変か・・・?」
なつみ「本当に、本当にそう思う? 何にも変なところなんてないって」
海斗「本当だけど?」
なつみ「そっか・・・そう、なんだ・・・」
なつみ「いやまぁ確かに花火は花火、なんだけどね・・・」
海斗「ん???」
なつみ「あー、これは何花火?」
海斗「線香花火だろ」
なつみ「じゃあこれは?」
海斗「線香花火だな」
なつみ「・・・これは?」
海斗「線香花火」
なつみ「線香花火しかないのよ!」
海斗「なるべく長く楽しみたいなって」
なつみ「だとしてもいろいろおかしい!」
海斗「あ、線香花火苦手なタイプ?」
なつみ「普通他にもいろいろあるでしょって言ってんのよ!」
なつみ「線香花火は好きよ!」
海斗「何だ、他にも遊びたかったって話ね」
海斗「びっくりしたじゃん、先にそう言ってくれよ もちろんちゃんとあるよ」
なつみ「私が悪いの、これ・・・?」
なつみ「ま、まぁいいわ・・・あるならそっちから出しなさいよ 普通線香花火はラストでしょ・・・」
海斗「じゃーん! 手持ちロケット!」
なつみ「・・・嫌な予感がするけど、他には?」
海斗「あとはこれ 手持ちロケット」
なつみ「・・・それと?」
海斗「これ!」
なつみ「全部一緒じゃないの!」
なつみ「と言うか、長く楽しみたいっていう最初の希望の真反対でしょロケット花火!」
海斗「楽しいからさ、仕方ないよな・・・誰もこの魅力には逆らえないんだ・・・」
なつみ「それを今すぐ貸しなさい あんたに打ち込んであげるから」
海斗「おいおい、人に向けちゃダメに決まってるだろ?」
なつみ「あんたに常識説かれるの本当に納得いかない・・・」
海斗「まぁまぁ、線香花火でもして落ち着けよ」
なつみ「はぁ・・・」
なつみ「・・・・・・」
なつみ「ちょっと癒されるのがむしろ腹立つ! 綺麗だけど!」
海斗「・・・なつみの方が綺麗だけどな」
なつみ「ッ!?!?」
なつみ「そ、そういうのは顔見て言ったら?」
海斗「そういう反応はちょっと」
なつみ「ヘタレ」
海斗「あー・・・浴衣、似合ってるよ」
なつみ「逃げた」
海斗「ヘタレですし」
なつみ「散々ボケた後でなきゃもう少し響いたかもね・・・あ、落ちた」
海斗「恋に?」
なつみ「ばーか」
海斗「びっくりするくらい呆れた顔するじゃん」
なつみ「そう言えばドがつくバカだったね」
海斗「笑顔で罵倒するじゃん・・・」
なつみ「落ちてなきゃこんなふざけた花火に付き合わないでしょ」
海斗「!?」
なつみ「何?」
海斗「・・・ずるくない?」
なつみ「あ、ほら、よそ見してるからそっちも落ちた」
海斗「・・・どれの話してんだか」
なつみ「ばーか」

コメント

  • 甘酸っぱくていいですね‼
    青春って感じです✌️
    派手な打上花火より線香花火の方が、その後の2人の人生を象徴してるようで良かったです‼

  • ほのぼのとした青春ですね☺️
    恋に落ちたと線香花火の落ちたをかけてるところがいいですね(((o(*゚▽゚*)o)))

  • 素敵な、青春の1ページって感じがします。エモい

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