宇宙人姉妹に居候された(連載版)

ひであき

第7話 遊園地に行こう(脚本)

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ひであき

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〇可愛い部屋
天野唯華「うー。ど、どうしよう! どうしよう!」
天野唯華「か、一樹と、一樹と遊園地でデートとか!」
天野唯華「あいつのことが好きなのは確かだけど、正直付き合ったらどうなるかなんて考えたことなかった」
天野唯華「も、もし二人で遊園地に行ったら──」

〇観覧車のゴンドラ
天野唯華「ここからだと夜景がよく見えるわね」
時任一樹「本当にな」
天野唯華「星空も綺麗。こんなにはっきり見えたの初めかも」
時任一樹「お前のほうが綺麗だよ、ハニー」
天野唯華「き、急に何よ!?」
時任一樹「嫌だったのか?」
天野唯華「い、嫌じゃないけど、心の準備ってものがあるでしょ」
時任一樹「準備? 一体何を期待しているんだい、ハニー」
天野唯華「き、期待とかしてないから!」
天野唯華「きゃっ! い、いきなり壁ドンとかびっくりするじゃない!」
時任一樹「そんなこと言って全然逃げようとしないじゃないか」
天野唯華「い、いきなり動いたらゴンドラが揺れて恐いからよ!」
時任一樹「だったらちゃんと俺にしがみ付いてろよ」
天野唯華「ち、ちょっと! 急に抱き締めるとか──」
時任一樹「約束する。二度とお前を放さないぜ、ハニー」
天野唯華「ば、バカ! 何を言って──」
時任一樹「うるさい口はこうしてやらないとな」
天野唯華「ま、待って! そ、そんな、そんな急に──!」

〇可愛い部屋
天野唯華「んー、しゅきぃ。かじゅきしゅきぃい」
天野唯華「はっ! わ、私一人で一体何を!?」
天野唯華「あのバカにこんな甲斐性期待できるわけないのに」
天野唯華「で、でも! せっかくのデートなんだし、雰囲気の良い場所で二人きりになればあのバカも少しは男を見せてくれるかも!」
天野唯華「よ、よし! 頑張らないとね!」
天野唯華「あとはあの二人が上手くやってくれるのを祈るばかりね」

〇通学路

〇学生の一人部屋
時任一樹「さてと」
時任一樹「つ、ついに念願の大人なBlu-rayを借りることができたぞ!」
時任一樹「宮野の兄貴がたくさん持ってるって聞いたから頼み込んだ甲斐があったぜ」
時任一樹「こ、これは女体の神秘を知るための勉強なんだ。やましい気持ちは一切ないんだ。だから悪いことじゃないんだ」
時任一樹「大人の世界にレッツゴー!」
時任ミナ「お兄ちゃん今ちょっといいかな?」
時任一樹「う、うわっ! ノックしないで入ってくるやつがあるか!」
時任ミナ「何でそんなに慌ててるの?」
時任ミナ「あっ、それってBlu-rayだよね?」
時任ミナ「もしかしてアニメのBlu-ray? それなら一緒に観てもいい?」
時任一樹「み、ミナと一緒に観る、か。それはそれで大いにアリだな」
時任リナ「ミナを毒牙にかけたら生き胆を引き抜く」
時任一樹「げっ! り、リナ姉!?」
時任ミナ「毒牙って何の話?」
時任リナ「こっちの話。ミナは気にしなくて大丈夫」
時任一樹「ふ、二人して俺の部屋に何の用だよ?」
時任ミナ「あっ、そうだった」
時任ミナ「お兄ちゃん今度の週末遊園地に行こうよ!」
時任一樹「えっ!? そ、それって兄妹デートのお誘いか?」
時任リナ「腎臓は一つあればいいと思わない?」
時任一樹「い、いやあ! 遊園地かぁ! 何でまた急にそんな話になったんだ?」
時任ミナ「チケットを貰ったはいいけど使う予定がないからどうかなって思って」
時任一樹「使う予定がない?」
時任リナ「時間の浪費は寿命を縮める」
時任一樹「い、行く! 行きます! 行かせていただきます!」
時任ミナ「よかった。それじゃ当日はよろしくね!」
時任リナ「二人で楽しんでくるといい」
時任一樹「何かいまいち会話が噛み合ってなかったような気がするな」
時任一樹「でも遊園地か。ガキの頃におふくろと親父に連れられて行ったきりだな」
時任一樹「何のつもりかは知らないけど、せっかくの機会だ。目一杯楽しもう!」
時任一樹「まあ、それはそれとして」
時任一樹「鍵よしと」
時任一樹「今度こそ大人の世界へレッツゴーだ!」
ギャラクシー配達員「こんばんはー。ギャラクシーからお届け物でーす」
時任一樹「さっきから間が悪いなもう!」

〇可愛い部屋
天野唯華「わっ! び、びっくりしたぁ!」
天野唯華「ミナからの電話! ついに作戦を決行したのね!」
天野唯華「も、もしもし?」
  酷い。何で私を捨てたの?
天野唯華「えっ、ちょ、何よこの電話! 誰なの?」
  ずっと一緒にいるって約束は嘘だったの?
天野唯華「さっきから何を言ってるのよ!? 誰よあんた!」
  ウソつきウソつきウソつきウソつきウソつきウソつきウソつきウソつきウソつきウソつきウソつきウソつきウソつきウソつきキツツキ
天野唯華「い、嫌! 止めてよ! これってイタズラ電話なんでしょ? ねえってば!」
天野唯華「ひぃ!」
時任リナ「う~そ~つ~き~」
天野唯華「い、嫌あああああああ!!」
時任リナ「私を弄んだ報いはその体で払ってもらうぞ~」
時任ミナ「はいお姉ちゃんそこまで」
天野唯華「えっ? み、ミナとリナ?」
時任リナ「泣いてる顔が可哀想で可愛かった。やっぱりいい反応をしてくれる」
時任ミナ「私のスマホで変なイタズラしないで!」
天野唯華「お、脅かさないでよ! 本気で恐かったじゃない!」
時任リナ「今のが本気だと本当に思ってるの?」
天野唯華「えっ?」
時任リナ「私が本気を出したらこんなものじゃない。二度と夜一人で眠れなくなるほどのトラウマを植え付けて──」
時任ミナ「お姉ちゃんいい加減にして!」
時任リナ「い、今のはほんのお茶目。そんなに恐い顔しないで」
時任ミナ「唯華ちゃんはガタイが良い割に肝が小さいんだから止めてあげてよね」
天野唯華「あんたしれっと私のこと悪く言ってるわよね?」
時任ミナ「ち、違うよ! 私そんなつもりで言ったんじゃ──」
時任リナ「自然と漏れ出る言葉にこそ本音が込められてる」
時任ミナ「お姉ちゃん!」
天野唯華「ぐすっ、あんたやっぱり私のことそんな風に思って──」
時任ミナ「ち、ちょっとそう思っただけで本気じゃないってば!」
天野唯華「ちょっとって言った! 今ちょっとって言ったぁ!」
時任リナ「良い。すごく良い。もっと情けない顔で泣いてみせて」
時任ミナ「──この状況どう収拾つければいいのかな」

〇可愛い部屋
時任ミナ「二人とも本題に入ってもいいかな?」
時任リナ「いつでもOK」
天野唯華「釈然としないけどいいわよ」
時任ミナ「それじゃ早速」
時任ミナ「結論から言うと、無事にお兄ちゃんを遊園地に連れ出す約束を取り付けることができました!」
天野唯華「そ、そう。何だか緊張してきたわね」
時任リナ「当日はどこまでするつもりなの?」
天野唯華「ど、どこまで? 何の話よそれ?」
時任リナ「ハグとかキスとかエッチとかそういう話」
天野唯華「は、ハグとかキスとかえ、ええええええエチ!?!?!?」
時任ミナ「せっかくのデートだからね。関係性を進めるには良い機会じゃないかな?」
時任リナ「いつまでも幼馴染の関係に甘んじてたらカズくんを失いかねない」
天野唯華「ど、どういう意味よそれ!?」
時任リナ「高校時代はまだそれでいいけど、大学生になったら話は大きく変わる」
時任リナ「ヤリサーに属してる毒キノコマッシュルーム頭の先輩が手薬煉を引いて大学で待ち受けている」
時任リナ「目を付けられたカズくんは新歓コンパに呼ばれて薬入りの酒を飲まされる」
時任リナ「そして目を覚ましたときには覆い被さる先輩の姿が──」
天野唯華「そ、そんな! 大学だとお、男同士なのにそんなことが起きるって言うの!?」
時任リナ「すっかりメスに目覚めたカズくんはそのうち何人もの先輩に囲まれて、もう後戻りができない体になってしまう」
天野唯華「そ、そんな、そんなことって──!」
時任ミナ「お姉ちゃん大学への偏見がすぎるよ」
時任リナ「そんなことない。大学じゃ誰も勉強しないでヤルことしか頭にないって漫画に書いてあった」
時任ミナ「それが偏見なんだってば」
時任ミナ「ていうかお姉ちゃんエグいの読んでるね」
天野唯華「えっ、何? 今の全部ウソなの?」
時任リナ「ウソとは言い切れない」
時任ミナ「一部の大学で実際に似たようなことが起きてるみたいだしね」
時任リナ「正直に言うとカズくんより唯華が危ない。私が男だったらこんなにチョロい女はいないって舌なめずりしてる」
時任ミナ「二人がそんなことにならないためにも高校生のうちに付き合ったほうがいいと思うんだ」
時任リナ「同じ大学に行くって聞いた。付き合ってればお互いを守ることができる」
天野唯華「な、なるほど。そういうことだったのね」
時任リナ「大学はサバンナだと思ったほうがいい。隙を見せればヤラれる。薬漬けにされて元の生活には二度と戻れなくなる」
時任ミナ「お姉ちゃん何を読んでそんなに拗らせちゃったの?」
天野唯華「き、肝に銘じておくわ」
天野唯華「私が一樹を守ってあげなきゃ。それで一樹も私を守ってくれて、二人でこれから手を取り合って──」
天野唯華「えへへ」
時任リナ「曇らせたい、その笑顔」
時任ミナ「そこは守りたいでしょ!」
時任ミナ「唯華ちゃんすっごくピュアだから心配だよ」
時任ミナ「私たちも同じ大学に行って守ってあげたいけど」
時任リナ「先のことはわからない。だから二人には何かあったときのためにも付き合っていてほしい」
天野唯華「それどういう意味?」
時任リナ「気にしなくていい」
時任リナ「それで、どこまでするか決めた?」
天野唯華「わ、わかったわよ。次のデートで腹を括ればいいんでしょ!」
天野唯華「わ、私から告白して、一樹の彼女になってみせるわ!」
天野唯華「あのバカを毒キノコマッシュルーム頭の先輩から守るためにもね!」
時任ミナ「それはもう忘れていいんじゃないかな」
時任リナ「むしろ気を付けるべきは唯華。絶対に忘れちゃダメ」
天野唯華「こうなったらもうあれよ! い、イケるところまでイってみせるんだから!」
時任リナ「おおっ、頼もしい」
時任ミナ「お兄ちゃんおバカだからお付き合いしたら大変だろうけど、よろしくね」
天野唯華「任せて!」
天野唯華「そうと決まったら作戦会議よ!」
時任リナ「取りあえず避妊具は用意しておこう」
天野唯華「えっ──」
時任ミナ「明け透けにそういうこと言わないでお姉ちゃん!」

〇通学路
  ──唯華の恋路は如何に
時任一樹「あの三人さっきから何話してるんだ?」
  ──それは当日のお楽しみ

次のエピソード:第8話 デート当日

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