〇美しい草原
マルク王子「ねぇアレックス？」
黒騎士アレックス「何でしょう？」
マルク王子「あの話だけど・・・？」
黒騎士アレックス「恐らく、待ち伏せの可能性はあります、この国の兵は、我々や他の国の兵と違って、特殊な技を持ってますので、お気をつけください」
相棒(シーサー)「ガウガウ!?」
黒騎士アレックス「む!?敵か!?」
マルク王子「え!?何処!?」
マルク王子「え!?鳥の羽!?」
黒騎士アレックス「上か!?」
マルク王子「え!?空から!?」
風国兵士「貴様、アレックスか!?」
風国兵士「一度成らず、二度までも我が国を脅やかすとは、許せぬ!!」
風国兵士「いざ!!尋常に・・・」
？？？「待てい!!」
「ジュウイチベェ様!?」
黒騎士アレックス「アンタは!?」
ジュウイチベェ「久しいのぉ、アレックス、御主の侵攻以来か？」
黒騎士アレックス「ああ、まだご存命とは・・・」
ジュウイチベェ「このジュウイチベェ、貴様の怨みを晴らすまで死ねぬわ!!」
黒騎士アレックス「そうか・・・ならば決着をつけようか!!」
マルク王子「アレックス・・・!?」
黒騎士アレックス「王子、俺が風国から恨まれてるのは話した通りだ、こうなる事も予想済みだ」

〇謁見の間
黒騎士アレックス「王子、風国へ行く前に話ておきたい事があります」
マルク王子「何？」
黒騎士アレックス「風国はかつて、帝国兵になった俺とバルボアが攻め落とした国です」
マルク王子「え!?」
黒騎士アレックス「なので、あの国の者達は俺を恨んでいる事でしょう、しかも今度は連合軍として帝国配下となったあの国に行くのです」
黒騎士アレックス「恐らく城に行くまで、戦闘は避けれないでしょう・・・」
マルク王子「そうか・・・」
黒騎士アレックス「その時は、命をかけて戦います!!」
マルク王子「わかった、けどこれは連合軍の戦いでもあるから、アレックス一人背負わなくてもいいよ」
黒騎士アレックス「ありがとうございます、王子」

〇美しい草原
黒騎士アレックス「一騎打ちでいいのか？」
ジュウイチベェ「無論!!儂の・・・いや我が国の怨みは其方とバルボアだけだ!!他の者には手を出さぬ!!」
黒騎士アレックス「わかった、では・・・」
ジュウイチベェ「尋常に・・・」
「勝負!!」
ジュウイチベェ「おりゃー!!」
黒騎士アレックス「ふぅ・・・御老体とは思えぬ強さだ」
ジュウイチベェ「無論!!貴様を倒す為、鍛錬を疎かにしなかっただけよ!!」
ライアス「あの爺さん、凄いっス!!兄貴とほぼ互角っス」
トーマス「ああ・・・しかも俺の突きよりも速い・・・」
スカーレット女王「アレックス様・・・」
マルク王子「凄い・・・今までアレックスの戦いを見たけど、バルボア以外でこんなに切りあってるのは、見た事無い・・・」
カリン「それだけあの人は、アレックス様を恨んでいるんでしょうね・・・」
カリン（兄上、私はどうすればいいのでしょう・・・？）
マルク王子「カリン様・・・？」
カリン「あ・・・すみませんマルク王子、こんな時に少し考え事を・・・」
ジュウイチベェ「貴様!?何か躊躇っているな!?」
黒騎士アレックス「!?何故わかった・・・？」
ジュウイチベェ「伊達に長生きしてないわ!!何を躊躇っている？」
黒騎士アレックス「貴殿の恨みは痛い程わかる・・・だが、ここで死ぬ訳にもいかぬ・・・俺はどうすればいいのか・・・わからない」
ジュウイチベェ「アレックス、御主・・・」
？？？「そこまで!!その戦い、アタイが預かるよ!!」
ジュウイチベェ「お嬢!?」
黒騎士アレックス「アンタは・・・？」
カスミ「アンタがアレックスかい？アタイの名はカスミ、親方がアンタ達を連れて来いって言うから迎えに来たのさ」
ジュウイチベェ「殿が!?」
マルク王子「親方って？」
カスミ「アンタが光国の王子様かい？親方ってのは、アンタの国で言うとこの国王さ」
マルク王子「そうなのですね、わかりました付いて行きます」
カスミ「おやまぁ素直だね、罠の可能性もあるだろうに？」
マルク王子「それは・・・貴女の目を見ればわかります」
カスミ「ワッハッハ!!気に入ったよ、付いて来な!!」

〇城
マルク王子「わっ!?何、あのお城!?」
カスミ「あれがアタイらの居城さ、ヨソの国とは形が全く違うよ」
マルク王子「カッコいい・・・」
カスミ「ワッハッハ、気に入ってくれたかい？さあ親方がお待ちだよ、入んな」
マルク王子「はい!!」

〇屋敷の大広間
カスミ「親方、言われた通り連れて来たよ」
風国宰相「姫様、その呼び方はおやめくださいと言っているでしょうが？」
風国将軍「良い良い、それより客人におもてなしのご用意を」
風国宰相「は!!直ぐに」
マルク王子「カスミさんってお姫様だったの!?」
カスミ「ワッハッハ!!カスミでいいよ、姫様ってガラじゃ無いしね」
風国将軍「さて・・・風国へようこそマルク王子、そして連合軍の方々、拙者が風国将軍でございます」
風国将軍「そしてアレックス殿、貴方とは先の戦では色々とありましたね」
黒騎士アレックス「将軍殿、その件については弁解もございませぬ・・・首を斬られても文句は言えません」
風国将軍「其方も主人の命に従ってやっただけの事、仕方あるまい」
黒騎士アレックス「そう言って下さると、救われます」
風国将軍「さて、マルク王子、お願いがございます」
マルク王子「何でしょう？」
風国将軍「我が国の継承者、エメルダを倒してもらいたい」
マルク王子「えええええ!?」