宇宙人姉妹に居候された(連載版)

ひであき

第2話 学校へ行こう(脚本)

宇宙人姉妹に居候された(連載版)

ひであき

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〇通学路
時任一樹「いやー! 今日は清々しい朝だな! 最高の気分だ!」
時任ミナ「ご機嫌だね。何か良いことでもあったの?」
時任リナ「その笑顔が絶望に歪む様が見たくなってきた」
時任ミナ「朝から恐いこと言わないでお姉ちゃん!」
時任一樹「何でご機嫌かって? それは周りを見ればわかるんじゃないか?」
時任ミナ「周り?」
「お、おい! 何で一樹があんな美少女二人を侍らせてるんだ!?」
「何がどうなってやがる! 俺は悪い夢でも見てんのか!?」
「だ、誰かどういうことなのか訊いてこいよ!」
時任一樹「にっひっひっ。これが男の甲斐性ってやつか? 優越感がぐんぐん高まるぜ!」
時任ミナ「やっぱり君って俗っぽいよね」
時任一樹「お兄ちゃんと呼びなさい! お兄ちゃんと! 立場を忘れたのかね?」
時任ミナ「あっ、そっか」
時任ミナ「え、えっと、お、お兄ちゃん?」
時任一樹「うっひょー! お兄ちゃん呼び堪んねー!」
時任一樹「地球の兄妹は毎日手を繋いで登下校しないといけないって知ってたか?」
時任ミナ「だから騙されないってば!」
時任リナ「妹は兄に絶対服従だとも聞いた」
時任ミナ「そんなわけないでしょ! いい加減なこと言わないで!」
時任一樹「ぜ、絶対服従? それじゃあんなことやこんなことをさせてもいいってことなのか?」
時任ミナ「朝っぱらから君って人は本当にもう」
時任リナ「弟は姉の奴隷だとも聞いた。私に逆らったら死ぬより辛い絶望を与えるから覚悟して」
時任一樹「き、肝に銘じておきます」
時任ミナ「いつの間にかしっかり上下関係が刷り込まれてるし」
時任一樹「うわーん! やっぱり俺にはミナしかいないよー!」
時任ミナ「ち、ちょっと! 人前で抱き着こうとしないで!」
時任一樹「人前じゃなかったらいいんだな? やったー!」
時任ミナ「そういう意味じゃないから!」
時任リナ「二人とも仲良くなったみたいで安心した」
時任ミナ「どこをどう見たらそう見えるのかな?」
高橋雄基「お、おい時任! その美少女二人は誰なんだ? 教えてくれよ!」
時任一樹「そういや記憶操作はうちの家族以外の誰にやったんだ?」
時任リナ「他の人にはやってない。必要に応じてこれからやっていく予定」
時任ミナ「さすがにお兄ちゃんの周りの人全員にやるのは大変だもんね」
時任リナ「だからいざというときは周りの人にそれっぽいことを言って上手く誤魔化してほしい」
時任一樹「わかった! そういうことなら俺に任せておけ!」
高橋雄基「お、おい! 俺を無視するなってば! おーい!」

〇大きな木のある校舎

〇渡り廊下
時任ミナ「それじゃ私たちは先生のところに行ってくるね」
時任リナ「カズくんがいるクラスに入れてもらえるように根回ししておく」
時任一樹「ミナはともかくリナ姉は一つ上の学年になるんじゃないか?」
時任リナ「早生まれと遅生まれの姉弟という設定で行こうと思う」
時任一樹「おふくろが相当無茶な出産をしたことになるな」
時任ミナ「それとも義理の兄妹って設定のほうがいいかな?」
時任リナ「それなら私たちがパパの連れ子でカズくんはママの連れ子って設定にすればいい」
時任一樹「親父とおふくろの経歴と戸籍が偉いことになるな。俺と親父の血が繋がってないことにもなるし」
時任一樹「でも義理の姉妹ってエッチだからそれでいこう!」
時任ミナ「他の判断基準は持ち合わせてないのかな?」
時任リナ「こんなおバカだから私たちを受け入れてくれたと考えればいい」
時任一樹「今日から始まるバラ色の学校生活が楽しみだぜ!」
時任一樹「二人ともラッキースケベ期待してるからな!」
時任ミナ「そんなことないように気を付けようね、お姉ちゃん」
時任リナ「お色気担当はミナに任せる」
時任ミナ「お姉ちゃん!」
高橋雄基「おい広瀬! どういうことなのか説明しろって! おーい!」

〇学校の廊下

〇教室
畑山将悟「よーし! みんな集まったな! 今日は新しいお友達を紹介するぞ!」
時任ミナ「時任ミナです。よろしくお願いします」
時任リナ「時任リナ。よろしく」
「うおおお! マジか! 二人とも超可愛いじゃん!」
「この子たちが朝一樹と一緒にいたって噂の──」
「ちょっと待て! 時任って名字はまさか!?」
畑山将悟「察しの通り二人は一樹の姉と妹だぞ」
畑山将悟「家庭の事情で今までは別々に暮らしてたそうだが、昨日から一緒に暮らせるようになったらしいぞ!」
「い、一緒に!? エロガッパ一樹とこの子たちが!?」
「お、落ち着け! いくら一樹でも実の姉と妹にちょっかいをかけるような真似は──」
畑山将悟「ちなみに一樹とこの子たちは血の繋がりがないそうだ。アニメみたいな設定で先生も驚いたぞ」
「な、何ぃいいいぃーー!?」
「う、嘘だ! 一樹がそんな美味しい思いをするなんて信じたくない!」
「殺せ! 一樹を殺せ!」
時任一樹「やれやれ。男のジェラスィーは醜いぜ」
時任一樹「さあ、ハニーたち。学校でも仲良くしようじゃないか」
時任ミナ「あからさまに調子に乗ってるね」
時任リナ「カズくんのことはミナに任せる」
時任ミナ「だから私一人に押し付けないで!」
畑山将悟「はっはっは! みんな元気があって何よりだ!」
畑山将悟「みんな仲良くするんだぞ! 先生との約束だからな!」

〇教室
  ――昼休み
「み、ミナちゃん! 俺が学校を案内してあげるよ!」
時任ミナ「ごめんね。案内はお兄ちゃんにお願いしてあるから」
「リナちゃん私たちとお話しようよ!」
時任リナ「カズくんの躾が終わったあとで良ければ」
時任一樹「さあ、行こうか。ハニーたち」
「ちくしょう! 一樹の野郎! わかりやすく図に乗りやがって!」
「広瀬くんの近くにあの子以外の女子がいたなんて信じられない」
時任一樹「やれやれ。噂されるのは人気者の運命ってやつだな」
時任一樹「迷子になったらいけない。二人とも手を繋いで行こうか」
時任ミナ「繋がないってば」
時任リナ「両手の爪を引き剥がされたいの?」
時任一樹「ち、調子に乗ってすみませんでした」
時任ミナ「さすがお姉ちゃん。しっかり手綱を握ってる」
時任リナ「リードを付けて案内させよう」
時任ミナ「それはやり過ぎだから!」
  ちょっと待ちなさいよ!
時任一樹「うげっ。この声は──」
天野唯華「ちょっとちょっとどういうこと!? あんたに姉と妹がいたなんて初耳なんだけど!?」
時任ミナ「お兄ちゃんこの子と知り合い?」
時任一樹「天野唯華。隣の家に住んでる腐れ縁の幼馴染だよ」
時任リナ「カズくんにそんな美味しい設定の幼馴染がいたなんて知らなかった」
天野唯華「知らなかったは私のほうだから!」
天野唯華「いきなり現れて義理の姉と妹ですって!? それも同じ屋根の下で暮らしてるとか──」
天野唯華「そ、そんなの、このバカが我慢できるわけないじゃない!」
時任ミナ「幼馴染にもそういう風に思われてるんだね」
時任リナ「エロガッパ一樹とは言い得て妙」
時任一樹「そこ退けよ。これから二人に学校を案内する約束をしてるんだ」
天野唯華「何よその素っ気ない言い方! 親しき仲にも礼儀ってものがあるでしょ!?」
時任一樹「いつも暴力を振るってくる奴に言われたくないな」
時任ミナ「あっ、今時珍しいそういう属性なんだ」
時任リナ「敗北の運命を背負わされた可哀想なヒロイン」
天野唯華「どういう意味よそれ!?」
時任ミナ「ご、ごめんね。悪気はなかったんだ」
時任ミナ「私は一樹お兄ちゃんの妹のミナ。よろしくね。仲良くなれたら嬉しいな」
時任リナ「私はカズくんのご主人様にして姉のリナ。逆らう者には容赦しないからよろしく」
天野唯華「み、ミナって子は良い子そうだけど、あんたは要注意ね」
時任リナ「私に従うなら悪いようにはしない。カズくんが欲しいならあげてもいい」
天野唯華「えっ! 本当!?」
時任ミナ「もう上下関係を擦り込もうとしてるよ」
天野唯華「はっ! あ、危ない危ない! もう少しで手玉に取られるところだったわ!」
時任ミナ「そう思ったときにはもうお姉ちゃんの術中なんだよね」
天野唯華「あんたたち何者か知らないけど私の目は誤魔化せないからね!」
天野唯華「一樹のご両親とは昔から仲良くしてるけど、あんたたちの話なんて一度も聞いたことない」
天野唯華「何がどうなってるのかわからないけど絶対に化けの皮を剥がしてやるから覚悟しなさい!」
時任ミナ「ば、化けの皮って。そんな悪者みたいに言われても」
時任リナ「忠告したはず。逆らう者には容赦しないって」
時任リナ「選んで。服従か、死か」
天野唯華「ひ、ひぃ! 何なのこの子恐い!」
時任ミナ「お姉ちゃん乱暴はダメだってば!」
時任リナ「小娘に礼儀を教え込むだけだから安心して」
時任ミナ「そんなの持ち出して言われても全然安心できないよ!?」
天野唯華「な、何だ。よく見たら玩具の銃じゃない。そんなので私が怖気づくと思ったの?」
時任リナ「玩具かどうか試してみる?」
天野唯華「は、はったりよ。そう、はったりに決まって──」
時任ミナ「お姉ちゃんそこまでにして! いい加減にしないと怒るから!」
時任リナ「ご、ごめん。謝るからそんな恐い顔しないで」
時任リナ「ほら銃も仕舞った。これでいいでしょ?」
時任ミナ「無暗に恐いことはしないって約束できる?」
時任リナ「それは時と場合によ──」
時任ミナ「お姉ちゃん?」
時任リナ「す、する! 約束するから怒らないで」
時任ミナ「素直でよろしい」
時任ミナ「恐い思いさせてごめんね。お姉ちゃんには後できつく言っておくから」
天野唯華「べ、別に私は恐がってなんか──」
時任リナ「ミナの顔に免じて今回は許す。次も逆らうようなら──」
天野唯華「ひぃ!」
時任ミナ「お姉ちゃん!」
時任リナ「な、何でもない。これから仲良くしよう」
時任リナ「ねっ?」
天野唯華「いきなり人が変わったように言われても信じられないんだけど」
時任ミナ「本当にごめんね。何かあったら私に相談してね。力になるから」
天野唯華「う、うん」
天野唯華「じゃなくて!」
天野唯華「今日のところはこれで勘弁してあげるけど、次こそは絶対に正体を暴いてみせるんだからね! 覚えてなさい!」
時任ミナ「あっ、行っちゃった」
時任リナ「あの子は調教し甲斐がありそう」
時任一樹「あいつには良い薬だ。人の痛みというのを知ったほうがいい」
時任ミナ「お兄ちゃんあの子には辛辣なんだね」
時任リナ「幼馴染は負けヒロイン」

〇大きな木のある校舎
  ──こうして姉妹の学校生活が始まったのであった
天野唯華「負けヒロイン呼ばわりは納得いかないんだけど!?」
  ――負けます
天野唯華「公式のナレでそういうこと言われると信じる人いるから止めなさいよ!」

次のエピソード:第3話 秘めた思い

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