ひめおと~ 姫が男に転生しても勇者の愛は変わらないのか?~

イトウアユム・いわさきなおみ

第8話「翠とのデート」(脚本)

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〇綺麗な一人部屋
  葵にサプライズプレゼントを買うため
  バイトすることを決めた数日後──
姫野葵「えっ? 当分会えないって・・・ どうしてですか?」
大和要「理由は今は言えない」
大和要「とにかく、しばらくここには来れないし 会うこともできない」
大和要「今日はそれを伝えにきたんだ」
姫野葵「そう、ですか・・・」
大和要「・・・・・・」
大和要(うっ 葵さん、もしかしてすごく落ち込んでる?)
大和要(それはそうだよな、理由も言わずに いきなりこんなこと言われたら・・・)
姫野葵「・・・わかりました」
姫野葵「実は私も明日から仕事で数日留守にする 予定でしたし、ちょうど良かったかも しれません」
大和要「そうなんだ」
大和要「じゃあ、葵さんが帰る頃には俺も また来られるようになるかな」
大和要「気をつけて行ってきてね」
姫野葵「ええ、ありがとうございます」

〇電車の座席
  ――翌日
黒須雫「にしても、このメンツでバイトとはなー 楽しそーじゃん」
大和要「そうだね。紫にバイトって言われた時は まさか海の家とは思わなかったけど」
黒須雫「なんだっけ? 紫の親戚が海の家やってんだっけ?」
江西紫「違う 俺の親戚は熱海で旅館を経営している」
江西紫「海の家のオーナーは その親戚の知り合いだそうだ」
大和要「夏休みだから臨時バイトを 探してるって話だったよね」
大和要「ちょうどいいタイミングだったなあ」
黒須雫「なんつっても、海ってのがイイよな! 夏といえばやっぱ海と水着!」
黒須雫「あと花火と浴衣! あーあとかき氷も・・・」
江西紫「雫、うるさいぞ」
黒須雫「ちぇー。母ちゃんこそうるせーなァ」
江西紫「誰がお前の母親だ」
大和要「あはは」
大和要(葵さん、いきなり会えないなんて言って びっくりさせたよね)
大和要(でも、サプライズプレゼントのためだし)
大和要(よし、頑張ってお金貯めて、葵さんに ちゃんとお礼の気持ちを伝えよう!)

〇海水浴場
大和要「いらっしゃいませー、ご注文は? はい、焼きそば1つと缶ビール1本ですね1,300円です」
黒須雫「あ、ちょっとちょっとお姉サン レモンチューハイ買わない?」
黒須雫「ビーチで寝そべって飲んだら マジサイコーだと思うんだけど」
江西紫「雫、売り子しながらナンパするんじゃない」
大和要「あはは」
大和要「・・・あれ、あそこにいるの 学校の女子たちじゃない?」
黒須雫「は? マジで? ・・・おーホントだ」
黒須雫「おーい!」
  少し離れたところにいる女子の集団に向かって雫が大きく手を振ると、女の子たちも手を振り返す。
  集団の中の1人が、小走りでやってきた。
小早川翠「要くん! 雫くんも紫くんも。バイト先って ここだったんだね。探しちゃったよ」
大和要「翠じゃないか みんなで海に遊びに来たの?」
小早川翠「うん。今夜ここで花火大会があるでしょ? 3人が海の家でバイトしてるって聞いてたし、みんなで行こうかって話になって」
大和要「そうだったんだ」
マスター「なんだー? 学校の友達か?」
大和要「あ、はい。そうなんです すみません、勤務中に」
マスター「あーいいからいいから それも青春! ってな」
マスター「いつも真面目に働いてくれてるし 今日はもう上がっていいよ」
マスター「彼女とデートでもしてきなさいって」
「!」
大和要「か、彼女じゃないですよ!」
マスター「ふーん? まあどっちでもいいけどよ とにかく、あとは紫と雫と俺に任せとけー」
黒須雫「えー! マスター、そりゃないっすよ!」
黒須雫「要だけじゃなくて オレにも休みちょーだい!」
マスター「お前は仕事中も休んでばっかだろうが!」
黒須雫「ぐっ・・・」
江西紫「雫を連れてきた俺にも責任はある ということで雫、働くぞ」
江西紫「要、お前はゆっくりしてくればいい」
大和要「は、はあ・・・って言われてもね」
大和要「翠は友達と遊びに来たんでしょ?」
  いつの間にか海の家の前に来ていた
  クラスメイトの女子たちがニヤニヤ顔で
女子1「あー、あたしらのことは 気にしなくていいよ」
女子2「そうそー。翠、大和くんと 一緒にどっか行ってきたら?」
小早川翠「そう? じゃあそうしようかな」
小早川翠「要くん、熱海の街、案内してよ せっかく来たんだし」
大和要「え、ええ? まあ・・・いいけど」
小早川翠「やった! じゃあ、行こ行こっ」

〇商店街
小早川翠「わあ、熱海の街ってこんな感じなんだ レトロな雰囲気で素敵だね」
大和要「ちょっと懐かしい感じがまたいいよね」
小早川翠「そうそう」
小早川翠「私ね、街の写真撮るのが好きだから こういうところってテンション 上がっちゃうなー」
  すぐ隣の翠が、スマホの画面を
  覗きながら写真を撮り始める。
  その様子を、要はドキドキしながら
  見つめていた。

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