〇通学路
吉岡愛璃「弦人先輩、待っててくださいね」

〇シックな玄関
吉岡愛璃「先輩、来ちゃいました」
吉岡愛璃「不法侵入なんて怒られちゃいますけど、これも先輩を守るためです」

〇男の子の一人部屋
原田弦人「あれ・・・・・・来ないなー」
原田弦人「もう一回連絡してみるか」
吉岡愛璃「こんばんは！」
原田弦人「えっ!?」
吉岡愛璃「寂しくて来ちゃった」
原田弦人「お、おう」
吉岡愛璃「それで、誰に連絡してみるんですか？」
原田弦人「え？それは・・・・・・」
原田弦人「愛璃に決まってんだろ？」
吉岡愛璃「もう一回？」
原田弦人「それは・・・・・・」
原田弦人「プール行く前に連絡したろ？それでもう一回」
吉岡愛璃「わたしからの連絡は確認しないのに？」
原田弦人「え、連絡来てたのか？気づか──」
吉岡愛璃「ねぇ・・・・・・」
吉岡愛璃「わたしはこんなにも弦人先輩を愛してるのに」
吉岡愛璃「どうして弦人先輩はわたしを裏切るんですか？」
原田弦人「な・・・・・・なんで・・・・・・」
吉岡愛璃「なんで気づいたか・・・・・・ですか？」
吉岡愛璃「聞いたんですよ」

〇玄関内
上島春香「待って・・・・・・！」
吉岡愛璃「こ、これは・・・・・・？」
吉岡愛璃「春香と・・・・・・」
吉岡愛璃「・・・・・・弦人先輩・・・・・・？」
吉岡愛璃「なんで・・・・・・」
上島春香「あいつ、私を部屋に誘ってきたんだよ!?」
吉岡愛璃「そ・・・・・・」
吉岡愛璃「そんなの・・・・・・！」
吉岡愛璃「春香が誑かしたんでしょ!!」
吉岡愛璃「弦人先輩が気になるからって！」
上島春香「そんなわけないでしょ！」
吉岡愛璃「絶対許さないから・・・・・・!!!」

〇男の子の一人部屋
吉岡愛璃「先輩・・・・・・あの女に誑かされたんですよね？」
原田弦人「あ、ああ・・・・・・」
吉岡愛璃「じゃあ特別に許します」
原田弦人（よ、良かった・・・・・・）
吉岡愛璃「でも、わたしはこんなにも弦人先輩を想っているのに」
吉岡愛璃「弦人先輩は簡単に誑かされてしまうんですね」
吉岡愛璃「女好きで浮気性で、わたしという彼女がいながら他の女を目で追っている」
吉岡愛璃「先輩はダメな人ですね」
吉岡愛璃「そんな先輩はわたしが守ってあげないといけませんね」
原田弦人「お、おい・・・・・・もう大丈夫だって」
原田弦人「もう誑かされないから」
原田弦人「一時の気の迷いだったんだよ・・・・・・」
原田弦人「えっ・・・・・・」
原田弦人「な、なんだよそれ・・・・・・！」
吉岡愛璃「だって弦人先輩、ちょっと目を離すと他の女に浮気しちゃいますから」
吉岡愛璃「ほら、手を出してください」
原田弦人「ふざけんなっ!!!」
吉岡愛璃「きゃっ・・・・・・！」

〇玄関内
原田弦人「クソッ・・・・・・！」
原田弦人「あいつ、めちゃくちゃヤバい奴だった・・・・・・！」
原田弦人「は、春香！やっと来たか！」
原田弦人「説明は後だ、逃げるぞ！」
上島春香「逃げる？なんで？」
上島春香「私は愛璃とお前に話があって来たの」
吉岡愛璃「春香・・・・・・！」
吉岡愛璃「お前が弦人先輩を誑かした・・・・・・！」
吉岡愛璃「殺してやる・・・・・・!!」
　　春香は、取り出した包丁を弦人の首元に突きつける。
上島春香「悪いのはこの男でしょ！」