ガーベラ様(脚本)
〇要塞の廊下
どうも!みなさんお久しぶりです!
カリです!
今日は、初任務の日です!
今まで頑張ってきた甲斐があってか、前線に連れて行ってもらえることになりました!
参加させてもらう隊は、同期であり上等兵のキラの隊です!
足手まといにならないよう頑張ります!
「カリ!」
カリ「わぁっ!!」
ユリ「えへへ〜おはよ〜!」
カリ「も〜、ユリったらやめてよ〜」
カリ「危うく撃つところだったよ〜」
ユリ「その感じだと今回の任務も大丈夫そうだね!」
カリ「もちろん!」
ユリ「まぁ、心配はしてないよ」
ユリ「だって、カリはキラには劣るものの同期の中では上位の成績を持ってるもの」
カリ「うん!」
〇兵器の倉庫
キラ「隊員!全員集合!」
カリ「はい!」
ユリ「はい!」
キラ「今日の任務は前線に向かい、敵の隊を2隊殲滅させることである!」
カリ「に、2隊・・・」
キラ「みな、心して向かうように!」
カリ「はい!」
ユリ「はい!」
キラ「準備を終え次第、30分後に出発だ」
キラ「それでは──」
キラ「ご武運を」
カリ「ご武運を!」
ユリ「ご武運を!」
〇要塞の廊下
ユリ「出発までもう少し時間あるし、礼拝行こっか!」
カリ「うん!」
〇教会の中
カリ「そういえば、私たちが毎日礼拝しにくるここの教会って」
カリ「何の神様を祀ってるの?」
ユリ「えっ!?そんなことも知らずに、いつも礼拝に来てたの!?」
カリ「う、うん」
ユリ「まったく・・・。 私が教えてあげるよ」
〇大樹の下
あるところに、ガーベラ様という心優しい神様がいました
ガーベラ様は助けを求める者全員に手をさしのべ
信者全員に豊かな暮らしを与えていました
皆、ガーベラ様が大好きでした
一人を除いて──
〇大樹の下
ガーベラ様はシオンという女の子によって消滅した
〇大樹の下
シオンはガーベラ様の一人目の信者であり
ガーベラ様が1番信用している親友でもあった
けれども、シオンは1度たりともガーベラ様を親友だと思ったことはなかった
〇西洋の街並み
子供の頃から友達ができず、両親からの愛情をもらえなかった彼女は
〇大樹の下
いつでも信者に囲まれている彼女が憎くて堪らなかった
〇荒廃した教会
だから悪魔と契約した
ガーベラとその信者たちを滅ぼす力がほしい
その代わりに、自分の心臓を貴様にやる
悪魔はシオンのガーベラに対する憎悪を気に入り
シオンに神に匹敵する力を与えた
〇大樹の下
そして、ガーベラ様とその信者を滅ぼした
〇教会の中
ユリ「これが私たちが信仰しているガーベラ様の物語だよ」
ユリ「私たちは最期まで信者たちを守ろうとしたガーベラ様の勇敢な心と」
ユリ「シオンを最期まで信じたその優しい心を信仰してるんだよ」
カリ「知らなかった!」
カリ「ガーベラ様はとてもお優しい方なんだね」
ユリ「うん!そうなんだよ──」
ユリ「ってもうこんな時間!?」
ユリ「カリ!!急ぐよ!!」
カリ「うん!!」