迷走楠高校

嬌乃湾子

闇へのお誘い(脚本)

迷走楠高校

嬌乃湾子

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〇学校の廊下
高科朗久「此処は迷界の楠高校」
高科朗久「俺達はこの世界に入り込んでしまったみんなを助けないといけない」
司(擬似体)「ああ」
高科朗久「おっ、二人とも擬似体で来たんすね」
喜佐夫(擬似)「うん」
喜佐夫(擬似)「一応司の身の危険を防ぐ防衛策を取っておいたんだ」
水上飼「本当はこの迷界の中を」
水上飼「ダンジョンの敵を倒しながら皆を救い」
水上飼「少しづつクリアして先を進まなければならないのだが」
水上飼「残り二話で入れれる要素をぶっ混みたいので」
水上飼「手早く進めたい」
高科朗久「そうか」
高科朗久「あっ」
高科朗久「誰かが来るぞ」
「キャー誰か~!」
「誰か助けて!」
せーと「待てぇ~!」
せーと「先生も妖にしてやるぅ!」
高科朗久「片割先生と良子先生が妖しに取り憑かれた生徒に追われている!」
司(擬似体)「はっ!」
せーと「ぐううぅっ」
せーと「う‥‥どうしたんだ僕」
高科朗久「二人とも大丈夫ですか?」
良子先生「ありがとうろく君」
片割先生「ねぇ、これは一体どうなってるの?」
片割先生「学校からは出られないし、そこらじゅうにお化けがいるのよ!」
良子先生「それに灰人先生が」
高科朗久「灰人先生がどうしたんですか?」
良子先生「彼と一緒に居た生徒が次々と変わってしまって」
良子先生「それで私達、襲われたのよ」
片割先生「そこに居る他の生徒が、お化けにされるわ」
水上飼「解りました、先生達は無事な生徒達と」
水上飼「安全な場所に隠れて下さい」
良子先生「お願いね、みんな気をつけて」
高科朗久「よし、行こう!」

〇音楽室
灰人先生「いい音色だ」
灰人先生「おい、先公」
学生「何だそのグラスはぁ まさかジュースじゃ無いよな?」
学生「いいじゃねぇか。俺達にも呑ませてくれよ」
灰人先生「君たち」
灰人先生「口の聞き方がなってませんね」
灰人先生「正しく是正してあげましょう」
「へっ!?」
学生「な‥‥何だこの陰気な校歌は‥‥」
学生「まるで胸が締めつけられるようだぁ」
灰人先生「さあ、君たちも唄いなさい」
学生「苦しい‥‥先生‥‥助けてくれよ‥‥」
「うぐわぁあっ!」
仮名相「ええッ」
高科朗久「灰人生徒!」
司(擬似体)「な‥‥何?灰人先生と妖が校歌を歌ってるよ」
高科朗久「あっ!」
高科朗久「あいちゃんが気を失っている!」
高科朗久「おのれ」
高科朗久「よくもあいちゃんを!」
水上飼「灰人先生、一体ここで何をしているのですか」
灰人先生「何って‥‥」
灰人先生「可愛い生徒達を‥‥僕へ導く為の指導ですよ」
灰人先生「生徒を正しき道へ誘うのが教師の勤め」
灰人先生「さあ、その成果を見せてあげなさい!」
「あっ」
妖(生徒)「君たち」
妖(生徒)「大事な授業に水を刺すなど許さないよ」
妖し「今から鉄槌を与えるね」
妖し「炎の歌を喰らえぇ!」
高科朗久「あっ」
司(擬似体)「うわっヤバい、炎に拳を撃ってきたぞ!」
司(擬似体)「兄貴!」
喜佐夫(擬似体)「司、俺達もやりかえすぞ」
司(擬似体)「ううっそうだけど」
司(擬似体)「とにかくこの妖気の込もった音を聞くと、こっちまでやられそうだ」
高科朗久「このままじゃ俺達まで妖にされてしまう」
水上飼「どうする、ろく」
高科朗久「この妖気に打ち勝つ何かがあれば」
水上飼「例えばどんな?」
高科朗久「例えばミ○キーさんとか」
水上飼「○ッキーさんか」
高科朗久「リズムに合わせて踊るミ○キーさんのように」
高科朗久「場の空気が変われば、この妖気を払拭出来るのじゃないか?」
水上飼「まあ、それもあるだろう」
水上飼「だが違う」
水上飼「それは校歌だ」
水上飼「正しき校歌を唱和して、悪しき校歌を打破しよう」
高科朗久「よし、解った!」
水上飼「灰人先生」
水上飼「何ですかその歌は」
水上飼「俺達の校歌はそんなものじゃあないぞ!!!」
灰人先生「水上ぃ」
灰人先生「お前は昔からその反抗的な態度」
灰人先生「この旋律に勝てるつもりでいるのですか?」
水上飼「ええ、証明しますよ」
水上飼「ろく」
高科朗久「おう!」
高科朗久「迷走の数珠よ」
高科朗久「奏でる者に力を与えよ」
高科朗久「さん、はいっ」
水上飼「囀ずる音色 活気溢れる我らが校下」
水上飼「光の深緑 若葉の我ら」
水上飼「育む幹の根 大樹となりて ああ、楠 我らの楠高校」
「びせーー(美声)」
司(擬似体)「ああっ、妖が飼の歌声に聞き入っている!」
高科朗久「おっ」
灰人先生「うっうっ、お前らぁ」
灰人先生「そんな歌、先生許さんぞぉ」
喜佐夫(擬似)「今だ!」
司(擬似体)「はっ!」
高科朗久「よし、元の姿に戻った!」
仮名相「うう‥‥」
高科朗久「大丈夫かあいちゃん!」
仮名相「わ‥‥私、どうしたの?」
良子先生「灰人先生、しっかりして下さい!」
灰人先生「うっ‥‥私はどうしたんだぁ」
片割先生「取り敢えずここは危険です」
片割先生「生徒達を集めて一ヶ所に居ましょう」

〇教室
夏仲先生(おのれまたもや邪魔しおって)
夏仲先生(このままでは拉致が空かないわ)
夏仲先生「はっ」
仮名相「うっ‥‥どうしてこうなったの?」
仮名相「さっきのお化け‥‥あれは何?」
(フフフフ、いいことを思いついたわ)
高科朗久「‥‥あいちゃんが怯えている」
司(擬似体)「ろく、ちゃんと励ましてやれよ」
高科朗久「う、うん」
司(擬似体)「バカ、こんな時に意識している場合か!」
高科朗久「あっあいちゃん」
仮名相「ろく君」
仮名相「私達、どうしてこうなったの」
高科朗久「うん」
高科朗久「なんだか知らないけど」
高科朗久「誰かが俺達の学校生活を邪魔しているんだ」
仮名相「そうなの‥‥」
高科朗久「心配するなよ。俺が何とかするから」
高科朗久「これしか言えないけど‥‥」
高科朗久「俺はまたあいちゃんと楽しく学校生活送りたいんだ」
仮名相「うん‥‥私もよ。 ろく君」
夏仲教師「あらぁ、二人とも微笑ましいわね」
夏仲教師「いいもの見ちゃったわぁ」
高科朗久「夏仲先生!」
夏仲教師「でも、そんな朗らかな場はここまでよ」
高科朗久「あいちゃん!」
夏仲教師「今からこの娘は人質だ。手出しするとどうなるか知らないよ」
司(擬似体)「あいを放せ!」
司(擬似体)「!?」
高科朗久「お前は!」
司(擬似体)「私達がこいつをやるから」
司(擬似体)「ろくはあいを頼む!」
高科朗久「わ、解った」
「あっ」
仮名相「ああっ」
高科朗久「早く二人を助けないと!」
夏仲教師「ダメよ」
夏仲教師「お前達はこっちに来るんだよ」

〇薄暗い谷底
戸田司「ううっ」
戸田司「お前は!」
魔神「はははっ」
魔神「また会ったな」
魔神「お前、俺を探しているんだろ」
戸田司「違う」
戸田司「俺の探しているのはお前じゃ無い」
魔神「遠慮するな、相思相愛の仲じゃないか」
戸田司「あっ」
魔神「ハハハッ、こいつは俺が頂く!」
喜佐夫「辞めろ、司に手出しするな!」
魔神「おっと、お兄様は遠慮願うぜ」
喜佐夫「ううっ」
喜佐夫「よ‥‥よせ‥‥辞めろ‥‥‥‥」

〇モヤモヤ
小手川「司」
小手川「会いたかったよ司」
小手川「これからは」
小手川「ずっと一緒に居よう」
戸田司「先輩‥‥」
喜佐夫「司!!」

〇薄暗い谷底
高科朗久「何処へ連れていくんだ」
夏仲教師「着いたわ、ここよ」

〇城
高科朗久「こ‥‥これは」
夏仲教師「ここはかつて、お前達とあの方が居た城よ」
夏仲教師「我らは」
夏仲教師「お前達にずっとこの場所で閉じ込められていたのだ」
高科朗久「だったら」
高科朗久「あいちゃんは関係無いだろう」
高科朗久「どうして彼女を連れてきた」
夏仲教師「それはね」
夏仲教師「お前を手に入れる為よ」
高科朗久「えっ」
夏仲教師「お前のその力、我等と同じものであろう」
夏仲教師「戦の時、軍が妖に襲われ壊滅しかけた時、」
夏仲教師「妖の力を借りて、一瞬にして滅ぼしたではないか」
夏仲教師「このまま邪魔され続けられるより」
夏仲教師「さっさとお前を引き入れれば済むと気付いたのよ」
高科朗久「だっ‥‥誰がお前なんかと」
夏仲教師「いいのか?」
高科朗久「あいちゃん!」
夏仲先生「仮名相さん」
夏仲先生「フフフ‥‥怖かったでしょう」
夏仲先生「もう大丈夫‥‥こうすれば、魔物に勝てるわ」
仮名相「ううっ」
高科朗久「あ‥‥あいちゃん」
夏仲先生「さあ、心の怖れを払拭しなさい!」
高科朗久「や、辞めろっ!」
高科朗久「あいちゃんにそんな事はさせない」
夏仲先生「だったら」
夏仲先生「我らに従いなさい」
水上飼「待て」
水上飼「そんな小細工を仕掛ける暇があるのなら」
水上飼「彼奴を呼んだらどうだ」
夏仲先生「フフ、そうね」
夏仲先生「あの方をお呼びしますわ」
高科朗久「あ‥‥あれは」
水上飼「そう、あれは」
水上飼「俺の」
水上飼「兄貴だ」

次のエピソード:三つの結末

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