エピソード3(脚本)
〇荒廃した教会
ミュウ「響子さーん! もう旅立っちゃうの!?」
鏡響子「ええ、旅の支度をして」
ミュウ「・・・ ・・・。 ・・・ わたしも一緒に行っていい?」
鏡響子「え? どーしましょう」
ミュウ「もしかしてマーラにわたしのお父さん お母さんがいるかもしれないでしょ?」
鏡響子「え? そうでしょうか・・」
ミュウ「わたしお父さんとお母さんに会ってみたいの! わたしも旅の準備するね!」
鏡響子「いえ、ミュウちゃんの安全に責任が持てないから無理ですよ」
ミュウ「いや! わたしもついていくの!」
ミュウ「ここにいても人間には仲間はずれ 人獣にはいじめられるの・・」
ミュウ「人獣だから人間の学校に行けないし 人獣はわたしのこと落ちこぼれって虐めるの」
ミュウ「じゃ、すぐ戻ってくるから!」
鏡響子「・・・・。」
ゾル「どうするんだ?、響子?」
鏡響子「どうしましょうかね」
謎の人獣「連れて行ってあげれば? わたしが保護者の代わりになるよ」
鏡響子「あなたも?」
謎の人獣「おもしろそうだからね」
鏡響子「・・・・。」
謎の人獣「それにあの調子じゃ 断っても後からついてくるよ」
鏡響子「そうですね」
謎の人獣「じゃ、わたしも準備してくる いつ出発するの?」
鏡響子「昼食後、買い物して、翌朝からですね」
謎の人獣「わかった、買い物に付き合うよ それじゃ」
カノン「あと、わたしの名前はカノン、よろしくね」
鏡響子「・・・・。」
ゾル「大丈夫か? 響子?」
鏡響子「まあ、カノンさんも言ってましたけど 連れて行かなくてもついてきそうですからね」
ゾル「でも、ついてくる理由がめちゃくちゃだ」
守り人「こんにちは響子さん、ゾルさん お話しが聞こえていました」
守り人「よろしければ二人を旅のお供に」
ゾル「守り人、危険だとは思わないのですか?」
守り人「それは心配しますが お二人がいれば大丈夫かと」
守り人「あと、お二人は不思議な旅人 知らないようなのでお話ししますが 人獣の寿命は人間の半分 ある日若いまま亡くなるのです」
鏡響子「え?」
ゾル「えっ?」
守り人「だから思うのです 知的好奇心を得た彼女たちは危険があるかもしれないけれども見たことのないものを強く求めるのかと」
鏡響子「・・・・。」
守り人「母は、わたしが15歳の時に若いまま動かなくなったのです」
守り人「人獣は人間と違って、若さが消え、弱り、衰弱し、死を待つ時間もないのです」
鏡響子「・・・・。」
鏡響子「守り人、あなたはカノンさんに別れがくる日をすでに覚悟していると」
守り人「姉不幸な妹を持ちました」
ゾル「・・・・。」
〇山中のレストラン
午後
鏡響子「さて買い物に来ましたけれど・・」
鏡響子「ゾルはいくら持ってるの?」
ゾル「俺は妖獣だ、お金なんて・・」
鏡響子「そうでしょうか?」
〇おしゃれな居間
ゾル、あなたの部屋にはたくさんの本がありましたよ
〇山中のレストラン
鏡響子「本を買うにはお金が必要です」
鏡響子「ゾル、いくら持ってるの?」
ゾル「あれは怪我を治した人間たちが勝手に持ってきたものだ、俺は水以外飲まないからな」
鏡響子「え? ゾルは本当にお金をもってないの?」
ゾル「そうだな、人間にはこういうものも貰った」
鏡響子「おお!、時計ですね」
ゾル「これはどういうものなんだ? ずっと動いている」
鏡響子「小さな鉄の部品が振動で動いているのですよ」
ゾル「振動を利用して動いているのか?」
鏡響子「機械のないこの世界なら高く売れますよー」
ゾル(また響子、強欲な顔をしているな・・)
カノン「いいよ、響子さん 多少ならわたし持ってるから」
鏡響子「そうなんですねー ありがとうございまーす」
〇小さな小屋
〇荒廃した教会
翌朝
守り人「皆さん、出発ですね 神のご加護がありますように」
「はい!」
カノン「・・姉さん」
守り人「カノン、無事帰ってきてね」
〇草原の道
ミュウ「種が芽吹く~ 始まりの道~♪」
鏡響子「花と風が奏でる知らせ~♪」
〇菜の花畑
鏡響子「ここを過ぎればカンダル海ですね 船を見つけてマーラを目指しましょう」
カノン「・・・・。」
カノン「響子さん 姉さんが不思議な旅人さんと言っていたからもしかして知らないのかな?」
鏡響子「なにをです?」
カノン「ここがさ」
〇荒地
「カンダル海だよ」
鏡響子「えっ!」
〇中東の街
ガイエゴス「許さねーよ! お前ら人獣が俺たちの故郷の海を消した!!️」
ガイエゴス「内陸閉鎖の海をな!」
〇荒地
カノン「カンダル海は内陸閉鎖の海 つまり超巨大な湖ね」
カノン「それがある時、湖の栓が抜けたように 海が消えたの」
鏡響子「じゃあ、マーラまでどう行けばいいのでしょう?」
カノン「歩いて行くしかないよね、この砂地を」
鏡響子「えーーーーーーーー!?」
ゾル「・・・・。」
鏡響子「どうしましょう・・」