第5誓 友達にならなきゃ!(脚本)
〇墓地
ルイーナ「ふ、二人に何かあったのかと思って・・・ 心配で・・・」
リムド「・・・今の話・・・ 聞いていたのか?」
ルイーナ「・・・なんか深刻な雰囲気だったから・・・ 遠くから見てただけ・・・」
ルイーナ「話は聞いてないよ」
リムド「・・・そうか・・・」
ルイーナ「・・・えっと・・・その・・・ ごめんなさい・・・」
ラスキア「・・・ルイーナ・・・」
ルイーナ「ん?」
ラスキア「・・・俺に・・・ 王族の血が流れてるって知ったら・・・ どうする?」
ルイーナ「えっ!? ラスキアに!?」
ラスキア「俺、実は王子様らしいよ? 嬉しい?」
ルイーナ「お、おおお王子様!?」
ラスキア「なぁ?嬉しい?」
ルイーナ「う、ううう嬉しいっていうか!? えっ!?冗談でしょ!?」
ラスキア「冗談じゃないらしい・・・ なぁ?義理父さん?」
リムド「ハハハッ!!」
ルイーナ「えっと・・・その・・・ 本当の話!?」
ラスキア「・・・みたいだな!」
ラスキア「・・・ルイーナ?」
ルイーナ「・・・ラスキア・・・どっか行っちゃうの?」
ラスキア「は?」
ルイーナ「・・・王子様って知ったら・・・ お城へ帰っちゃうの・・・?」
ラスキア「帰る・・・」
ラスキア「・・・訳ないだろ!?」
ラスキア「俺の居場所は・・・ここなんだ・・・」
ルイーナ「・・・ラスキア・・・」
ラスキア「・・・それに・・・ 手のかかる誰かさんの事を放っては行けないしな?」
ルイーナ「・・・て、手のかかるって・・・! それ、私の事!?」
ラスキア「俺が一生子守りしてやるよ」
リムド「ハハハッ! では・・・我が家へ帰ろう・・・!」
〇西洋の市場
ルイーナ(・・・ラスキアが・・・王子様・・・)
ルイーナ(・・・王子様・・・王子様・・・)
ルイーナ「・・・なんかピンと来ないな・・・」
ラスキア「なーにがピンと来ないんだ? ボーっとしてると・・・お客さんが逃げるぞ?」
ルイーナ「あ、いや・・・ちょっと・・・考え事・・・」
ラスキア「・・・」
ラスキア「・・・あいつの事か?」
ルイーナ「えっ?」
ラスキア「・・・ゼノ様だよ!ゼノ様!!」
ルイーナ「ゼノ様? ・・・ううん・・・違う事考えてた」
ラスキア「・・・何だ・・・違うのか・・・」
ルイーナ「あ、そう言えば・・・ 今度のソルヴィータでお野菜を捧げる役を 引き受けたじゃない?」
ラスキア「ああ・・・ それな・・・」
ルイーナ「・・・あれ・・・ やっぱり断ろうか?」
ラスキア「は?」
ルイーナ「いや・・・ラスキアの事を聞いて・・・ 父さんがあんまり目立つの良くないって言うのも・・・わかったって言うか・・・」
ルイーナ「・・・ラスキアの事・・・ 王城に知れたら・・・ それこそお城に連れて行かれちゃうかもしれないし・・・」
ルイーナ「日々の暮らしも大切だけど・・・! それ以上に・・・私・・・ラスキアの事も 大切だから・・・!!」
ラスキア「・・・」
ラスキア「・・・それ・・・告白?」
ルイーナ「へ?・・・何の!?」
ラスキア「・・・まぁ・・・いいけど・・・」
ルイーナ「???」
ラスキア「・・・ま、無理に断らなくてもいいさ・・・」
ラスキア「それに・・・無理に断って、怪しがられる方がよっぽど悪い・・・」
ルイーナ「そっか・・・!!」
ラスキア「ちゃちゃっと野菜を捧げて・・・ さっと終わらせようぜ?」
ルイーナ「うん!!」
〇西洋の市場
「ラスキアさーん!!」
ラスキア「いらっしゃい」
ルイーナ(今日も女の子に人気だなぁ・・・)
ルイーナ(ラスキアとお店並べると・・・ 女の子達の圧に・・・他のお客さんが引いちゃうっていうか・・・)
ルイーナ(お花が霞むんだよね・・・)
ルイーナ(うーん・・・物は試し!!)
ルイーナ「お花は・・・いりませんか?」
ラスキアのお客さん③「お花? ・・・ワタシ、ラスキアさんに用があるだけで・・・ お花はいらないわ・・・」
ルイーナ「そ・・・そうですか・・・ またの機会にぜひ!」
ラスキア「良ければ、お花も見て行ってよ? 珍しいお花も揃っているからさ?」
ラスキアのお客さん①「じゃあ・・・ヘリアンテスを一本いただくわ!」
ラスキアのお客さん②「ワタシも!」
ルイーナ「あ、ありがとうございます!!」
ラスキアのお客さん③「・・・」
ラスキアのお客さん③「・・・そう言えば・・・ 向こうの角で、お花屋さんを探している人がいたけど・・・」
ルイーナ「えっ!?本当ですか!?」
ラスキアのお客さん③「・・・うん ワタシ、連れて来ようか?」
ルイーナ「いえ!そんなっ!」
ラスキアのお客さん③「ちょっと奥まった所だから・・・ ワタシ、案内してあげる!! 行こ?」
ルイーナ「あ、ありがとうございます!」
ルイーナ「ラスキア! ちょっと行って来るね!」
ラスキア「おう!!」
〇廃倉庫
ラスキアのお客さん③「この辺りにいたんだけど・・・」
ルイーナ(出張販売用に・・・いろいろお花持って来ちゃった・・・!!)
ラスキアのお客さん③「・・・じゃあ、ワタシ・・・ もうちょっとラスキアさんとお話ししたいから! じゃあね〜!!」
ルイーナ「あ!ありがとうございました!!」
ルイーナ(あんまり人が来なさそう・・・だけど・・・)
ルイーナ「お花〜!! お花はいりませんか〜!!」
ルイーナ(・・・もうちょっと・・・探してみよう・・・)
〇廃倉庫
ルイーナ(・・・ちょっと待ってみたけど・・・ 誰もいない・・・)
ルイーナ「・・・帰ろう・・・」
近衛騎士 エクス「・・・異常は・・・っと? あ・・・」
ルイーナ「!!!?」
近衛騎士 エクス「ルイーナさん!?」
ルイーナ「ゼノ様の!?」
ゼノンアビス「おーい! 何かあったのか・・・?」
ゼノンアビス「──って・・・ルイーナ!?」
ルイーナ「ゼ、ゼノ様!?」
ゼノンアビス「こんな所で何してるんだ?」
ルイーナ「・・・えっと・・・その・・・ 出張販売です・・・?」
ゼノンアビス「出張販売!?」
近衛騎士 エクス「・・・ここは・・・先日、魔物が出て・・・ 立ち入り禁止区域になった場所ですよ?」
ルイーナ「えっ!?」
ゼノンアビス「いつからここにいたんだ!?」
ルイーナ「い、1時間くらい・・・前・・・かな?」
「1時間っ!!!?」
近衛騎士 エクス「何事もなくて・・・良かったですが・・・」
ゼノンアビス「オレ達が来なかったら・・・どうなってたか・・・」
ゼノンアビス「太陽が沈むと魔物も活発になるし・・・」
近衛騎士 エクス「早くここから離れましょう!」
魔物「グォォォン・・・!!!!」
ゼノンアビス「・・・言った側から・・・!!」
魔物「グォォォ・・・ン・・・!!!!」
ルイーナ(つ、強い!!!!)
近衛騎士 エクス「さ・・・長居は無用です・・・ 行きましょう!」
〇西洋の市場
近衛騎士 エクス「ここまで来れば大丈夫でしょう!」
ルイーナ「はい! ありがとうございました!!」
ラスキア「ルイーナッッッ!!!!!!」
ルイーナ「ラスキア!!」
ラスキア「どこまで行ってたんだ!? 探したぞ!?」
ラスキア「──って・・・ゼノ様・・・!?」
ラスキア「・・・」
ルイーナ「・・・案内してもらった所・・・ けっこう危ない場所でね? ゼノ様達にまた助けてもらったの・・・!」
ラスキア「・・・また助けていただき感謝します ありがとうございました」
ゼノンアビス「礼には及ばない・・・が・・・」
ゼノンアビス「・・・大切なものから・・・ 目を離しすぎなんじゃないか?」
ゼノンアビス「放任主義も・・・悪い事ではないが・・・ そんなだと・・・ 誰かに取られるのも・・・ 時間の問題だな?」
ラスキア「・・・ご指摘・・・ ありがとうございます」
「・・・」
ルイーナ(んん???)
ルイーナ「ゼノ様には・・・本当に助けていただいてばかりで・・・ 感謝してます!!」
ルイーナ「・・・何か・・・お礼を・・・ と言っても・・・ 私が出来る事・・・ありますか!?」
ゼノンアビス「・・・では・・・」
ゼノンアビス「オレの『友達』になってくれ!!」
ルイーナ「お、お友達!?」
ゼノンアビス「ああ!!」
「・・・恐れ多いです・・・」
ゼノンアビス「・・・ダメか?」
ルイーナ「・・・えっと・・・ ダメじゃないですけど・・・」
ゼノンアビス「ダメじゃないなら! よろしく頼む!!!!」
ルイーナ「わかりました!」
ルイーナ「私達で良ければ! ぜひ!!」
ラスキア「・・・俺も・・・?」
ゼノンアビス「もちろん!!」
ルイーナ「じゃあ! 改めて!」
ルイーナ「ゼノ様に! 太陽のご加護と月影のご慈悲をっ!!」
ゼノンアビス「・・・出来れば・・・”様”も取ってくれると・・・嬉しい・・・」
ゼノンアビス「・・・友達に・・・”様”は・・・ いらないだろ?」
ルイーナ「・・・じゃあ! ゼノ・・・に!! 太陽のご加護と月影のご慈悲を!!!!」
ラスキア「・・・じゃあ・・・ 俺からも・・・ ゼノに・・・ 太陽のご加護と月影のご慈悲を!!!!」
ゼノンアビス「ありがとう!!!!」
ゼノンアビス「オレからも! ルイーナとラスキアに!! 太陽のご加護と月影のご慈悲を!!!!!!」
近衛騎士 エクス(素晴らしき青春ッッッ!!!!!!!!)
ラスキアが王子と聞いた時のルイーナの反応に全てが詰まっているような気がしました。
でも家族愛と恋愛は別かな?
ラスキアファイト!
ゼノ様もその調子でグイグイ行け〜😤
ゼノ様とラスキアさん、小声だけど感情剥き出しッ😱 でもこの二人が双子だと思うと、何だかおかしみが…😊
3人が「友達」になったということで、これから距離も縮まっていきそうですね、イロイロと🤭