ヴィルペイン

ウロジ太郎

Ep.14 / THE RELENTLESS ENFORCER#1(脚本)

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〇殺人現場
エンフォーサー「・・・・・・」
  俺は無言で、両手の伸縮式警棒を構えた。
世渡刃「てめぇ何者だ、真っ黒野郎の仲間か」
エンフォーサー「エンフォーサー。お前の敵だ」
  そう答えた俺の声は、ボイスチェンジャーで腹に響く重低音に変換され、路地裏に不気味に響いた。
エンフォーサー「・・・いい感じだ」

〇黒
  VILLPAIN/ORIGIN
  THE RELENTLESS ENFORCER#1

〇殺人現場
  俺は世渡の間合いに踏み込んだ。
  一瞬、世渡の動きが遅れる。
  奴の脳天めがけ、そのまま警棒を振り下ろす・・・が。
  ガキンッ!
  辛うじて、世渡の刀が警棒を受け止める。
  さすが腕が立つ。
  鍔迫り合いをしながら、俺と世渡は至近距離でにらみ合った。
エンフォーサー「・・・・・・」
世渡刃「・・・ッ!」
  世渡刃(せと・じん)。
  この街を牛耳るゼニスの副支部長にして、非合法部門のトップ。
  俺の標的で、仇(かたき)で、全ての元凶。
  この時を、8年間待っていた。
  そう・・・あの日から、ずっと──

〇街中の公園
  8年前
  ヒーロー役の俺としゅーちゃん前に、悪の女幹部役のちーちゃんが悪い微笑みを浮かべて立っていた。
  彼女は美結の首元に手刀をつきつけている。
  迂闊に手を出せない、膠着状態だ。
御子柴歩「しゅーちゃん、どうしよう・・・」
久常紫雲「う~~ん・・・」
  そのとき、街頭スピーカーから音楽が流れだした。
  ちーちゃんは、はっとして美結から手を離した。
根須戸智是「・・・あ。夕焼け小焼け」
根須戸智是「私、今日はもう時間切れ。 続きは、また今度ね」
御子柴歩「・・・うん。さようなら。ちーちゃん」
久常紫雲「お、おう、じゃあ、また明日!」
  一瞬、ちーちゃんは気まずそうに視線を泳がせた。
根須戸智是「あ。うーん。実は明日、ちょっと」
久常紫雲「なに。どうしたの?」
根須戸智是「明日から何日か、来れないかも・・・」
久常紫雲「なんだよ。それ」
  そこから、しゅーちゃんとちーちゃんの押し問答がはじまった。けど。
辻崎美結「しゅーちゃん。そこまで」
辻崎美結「ちーちゃんが、しゅーちゃんのこと嫌いなわけ、ないじゃない。ね?」
  ちーちゃんがしゅーちゃんの手を取って、小指を絡めた。
  指切りげんまんだ。
根須戸智是「すぐまた、一緒に遊べるから」
久常紫雲「お、う、うん。じゃあ約束ね」
根須戸智是「うん。約束」
  ちーちゃんがいきなり、しゅーちゃんの頬に口づけをした。
久常紫雲「えっ。あーっ! なにっ!」
御子柴歩「うわぁ・・・!」
  ちーちゃんはさっと身を翻して、公園の出口へと走り去っていく。
根須戸智是「みんな! またね~~!」
  俺はただ呆然と、その後ろ姿を見送ることしかできなかった。
御子柴歩「・・・行っちゃったね」
久常紫雲「お、おう・・・」
「・・・・・・」
久常紫雲「い、いや! 別に、寂しいとかじゃ、ないからな!」
久常紫雲「ただ、そう・・・そうだ!」
  しゅーちゃんが、ぱっと表情を輝かせた。
  良くないことを考えついた時の顔だ。
久常紫雲「ちーちゃんがどこに住んでるのか、やっぱり気になるなって」
久常紫雲「尾行しようぜ! 今からなら追いつけるかも!」
御子柴歩「えっ!?」
辻崎美結「絶対、良くないよ?  ちーちゃん、嫌がってたじゃない」
辻崎美結「嫌われちゃうよ?」
御子柴歩「そうだよ。やめようよ~~」
久常紫雲「んだよ。ばれなきゃ平気だって」
「・・・・・・」
久常紫雲「じゃあいいよ! 1人でいくから!」

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