第七話 「夏浅し 青さ際立つ 白き肌」(脚本)
〇海辺の街
〇海岸線の道路
「古林 一咲『海だ!!』」
〇学校の駐輪場
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「一咲!!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「マツバラサニービーチの最北端」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「烏帽子岩付近を探せ!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「恋はそこにいる筈だ!!」
「古林 一咲『わかりました──!!』」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「・・・頼んだぞ」
〇沖合
古林 一咲『見えた!
マツバラサニービーチ!』
古林 一咲『あの先端だな!』
〇海岸の岩場
与謝野 恋(よさの れん)「このマフラーの音(排気音)!?」
与謝野 恋(よさの れん)「山ちゃん!?」
〇広い河川敷
古林 一咲(こばやし いっさ)「恋のバイク!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「烏帽子岩は、あの突端あたり」
古林 一咲(こばやし いっさ)「ここからは歩いて行くしかないな」
〇海岸の岩場
古林 一咲(こばやし いっさ)(どこだ!どこにいる?)
古林 一咲(こばやし いっさ)「──あれは!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「やばい!海に入っていく!」
〇海辺
与謝野 恋(よさの れん)(追って来てくれたんだ)
「恋!!」
与謝野 恋(よさの れん)「山ちゃん!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「恋!はやまるな!!」
与謝野 恋(よさの れん)「え・・・、一咲!・・・なんで!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「死ぬなんてダメだ!」
与謝野 恋(よさの れん)「ちょ、ちょっと何!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「これ以上は行かせない!」
与謝野 恋(よさの れん)「何言ってんのよ! 誰が死ぬなんて言ったの!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「だから!考え直せって!・・・ん!?」
与謝野 恋(よさの れん)「離してよ!死なないって言ってるでしょ!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「え?死なない?死ぬ気ない・・・?」
与謝野 恋(よさの れん)「死にません!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「マジで・・・?」
与謝野 恋(よさの れん)「マジで!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「え──!! でも水の中に入っていってたじゃん?」
与謝野 恋(よさの れん)「私は頭冷やす時、足を冷やすの」
与謝野 恋(よさの れん)「とりあえず離してくれない?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「え!あ・・・、ごめんなさい・・・」
〇海辺
与謝野 恋(よさの れん)「つまり、一咲は 私を助けに来てくれたのね」
与謝野 恋(よさの れん)「確かに山ちゃんの事で帰ったけど」
与謝野 恋(よさの れん)「なんで死ぬ事になってるのよ」
古林 一咲(こばやし いっさ)「いろんなことが重なったんだよ」
古林 一咲(こばやし いっさ)「お前が飯を食べずに職員室に行って」
古林 一咲(こばやし いっさ)「泣きながら バイクに飛び乗って帰ったから」
古林 一咲(こばやし いっさ)「やけっぱちになってるって誰だって思うよ」
与謝野 恋(よさの れん)「・・・だって、 本当にショックだったんだもん」
古林 一咲(こばやし いっさ)「まったく、 スマホの電源ぐらい入れとけよな」
与謝野 恋(よさの れん)「バイク乗る時はマナーモードにしてんの」
与謝野 恋(よさの れん)「やだっ!通知がいっぱい!」
与謝野 恋(よさの れん)「あ、絵美?うん、うん・・・、 ごめん心配かけて・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「うん・・・、 今、一咲が隣にいるよ」
与謝野 恋(よさの れん)「本当だって!ちょっと待って」
与謝野 恋(よさの れん)「一咲、絵美が電話変わってって」
古林 一咲(こばやし いっさ)「もしもし・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「ああ、もうしばらくしたら 帰るから心配しないで、うん、大丈夫」
古林 一咲(こばやし いっさ)「先生達にも連絡お願いできるかな? うん、・・・よろしく」
古林 一咲(こばやし いっさ)「──はい、返すよ」
与謝野 恋(よさの れん)「・・・うん、ごめんね絵美。 わかった。じゃ・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「・・・一咲」
与謝野 恋(よさの れん)「もう少しここにいたい・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「気持ちの整理したいの・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「わかった」
〇海辺
古林 一咲(こばやし いっさ)「・・・落ち着いたか?」
与謝野 恋(よさの れん)「うん・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「・・・二年前」
与謝野 恋(よさの れん)「私達家族が交通事故に巻き込まれて」
与謝野 恋(よさの れん)「それから、ママと二人で暮らしてるの」
与謝野 恋(よさの れん)「そんな私達の気持ちが落ち着くまで」
与謝野 恋(よさの れん)「見守って支えになってくれたのが」
与謝野 恋(よさの れん)「山ちゃんなんだ」
与謝野 恋(よさの れん)「山ちゃんは、小さい頃からいろんなとこに 連れて行ってくれたんだよ」
〇遊園地
与謝野 恋(よさの れん)「山ちゃん早くー!!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「まて、まて!元気すぎるだろ、恋」
与謝野 恋(よさの れん)「次は──ジェットコースター乗ろう!!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「いや、ダメだあんなの乗って 落ちたらどうすんだよ!!」
与謝野 恋(よさの れん)「え──、今日はなんでも一緒に 乗ってくれるって言ったじゃん」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「いや──、流石にあれはな──」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「そうだ!観覧車なんかどうだ?」
与謝野 恋(よさの れん)「山ちゃんの嘘つき──!!」
与謝野 恋(よさの れん)「うぇ──ん!!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「・・・わかった、乗るよ乗る」
与謝野 恋(よさの れん)「えっ!ほんとに?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「ああ、恋との約束だからな」
与謝野 恋(よさの れん)「山ちゃん──」
〇ジェットコースター
与謝野 恋(よさの れん)「うふふ♪」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「おい・・・、 これどこまで上がるんだよ・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「それはね──」
与謝野 恋(よさの れん)「天国までだよ──」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「──え!?」
〇ジェットコースター
山田 山東火『た、たすけてぇぇ──!!』
〇遊園地
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「うう・・・、もう乗らないから・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「うふふ、じゃあ次はあっち行こう!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「ま、待って、膝が笑ってる──」
〇海辺
与謝野 恋(よさの れん)「どんな無理にも付き合ってくれたわ」
古林 一咲(こばやし いっさ)「・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「──でも大きくなるにつれて山ちゃんは 私と距離を置くようになった」
与謝野 恋(よさの れん)「私ね・・・言ったことがあるのよ」
与謝野 恋(よさの れん)「『山ちゃんが好きだ』って・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「でもね、」
与謝野 恋(よさの れん)「『それは若い頃によくある 麻疹みたいなもんだ』って笑って」
与謝野 恋(よさの れん)「真面目に取り合ってくれなかったんだよ」
古林 一咲(こばやし いっさ)「・・・うん」
与謝野 恋(よさの れん)「──学校で悩んだり落ち込んだ時」
与謝野 恋(よさの れん)「この場所でボーっとしてる私を」
与謝野 恋(よさの れん)「いつも山ちゃんがバイクに乗って 探しに来てくれた」
与謝野 恋(よさの れん)「・・・なのに」
与謝野 恋(よさの れん)「・・・なのに何故、一咲が来たのよ」
与謝野 恋(よさの れん)「なんで!なんで来たのよぉぉ──!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「・・・恋」
与謝野 恋(よさの れん)「ねぇ・・・一咲!なんでなの?」
与謝野 恋(よさの れん)「山ちゃんじゃなきゃ!意味ないじゃん!!」
与謝野 恋(よさの れん)「もう追う必要がないってこと?」
与謝野 恋(よさの れん)「それとも一咲が 代わりに追いかけてくれるの?」
与謝野 恋(よさの れん)「何でなの!?」
与謝野 恋(よさの れん)「教えてよぉぉ──!!」
彼女が大きく泣くたびに
鳥が飛び去ってゆく──
飛びそこなった俺は
クチバシが黄色く
何も知らない小さなカモメに思えた
泣き崩れた恋の横にいて
何も声をかけることもできない
あまりに経験不足なために
ただ見つめるだけが精一杯で
恋が泣き止むのを
ただ、ひたすら待つしか
出来なかった──
〇海辺
与謝野 恋(よさの れん)「ふぅ──」
与謝野 恋(よさの れん)「泣いたらスッキリした」
与謝野 恋(よさの れん)「ありがとね一咲!ずっと待っててくれて」
古林 一咲(こばやし いっさ)「いや・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「なーに、暗い顔してんのよ!」
与謝野 恋(よさの れん)「えいっ!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「わわっ!! 冷た!何すんだよ!」
与謝野 恋(よさの れん)「真剣に考えちゃって ”バカ”だねー、一咲は!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「人に”バカ”って言うなよ!!」
与謝野 恋(よさの れん)「じゃあ”アホ”!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「それも同じだろ!!」
与謝野 恋(よさの れん)「仕方ないなぁ、それじゃあ”あぽ”」
古林 一咲(こばやし いっさ)「”あぽ”?なんだそれ?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「それなら可愛いからいいけど・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「いいの──?」
与謝野 恋(よさの れん)「”あぽ”は、”あんぽんたん”の略だよ──」
与謝野 恋(よさの れん)「やーい!”あぽ一咲”──、 ここまでおいで──だ!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「こんにゃろ!待ちやがれ──」
〇広い河川敷
海野 桃(うみの もも)先生「呼ばないんですか?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「・・・もう少し、 このままにしておいてやりましょう」
海野 桃(うみの もも)先生「です、です!」
〇海辺
与謝野 恋(よさの れん)「さぁ、帰ろ!」
このまま最後まで見ていたら浄化されて体と魂が消滅してしまいそうです😇青春してんなぁ!平野だから海ねえ!山も遠い😇そこまで仲良く出来る女友達がいる時点で、一咲くん、君は勝者だよ、、、
とにかく、何だか恋さんも吹っ切れたようで良かったです!これから、どのように一咲と話が進展していくのか、興味津々です!
砂浜で追いかけっこ! 青春! 青春ですね!!
出だしは、スチルやエフェクトで追いかけている感じのスピード感が出ていて、すごかったです😆
あと、ジェットコースターのところが妙に緊迫感があって、笑ってしまいました🤣
一咲は優しいですね。というか、いやもうおまえら付き合えよって思いながらみていました。ジェットコースターのシーン切り替えは落ちる感じが伝わってきますね。苦手なのでうわーってなりました。