第4誓 待ってなきゃ!(脚本)
〇貴族の応接間
ルイーナ「・・・ラスキア・・・どうする?」
ラスキア「どうするも何も・・・ ”断る”の一択だろ!?」
ゼノンアビス「・・・」
ルイーナ「あ・・・えっと・・・」
ゼノンアビス「報酬に・・・」
ゼノンアビス「・・・『ゼア・メイス』20本・・・ ・・・『キトルス』1箱・・・」
ゼノンアビス「・・・ライオール印の『ルブス』のジャムを始め・・・ 季節のジャムを毎月3個ずつ・・・ 3ヶ月分・・・無償でお届け・・・」
ルイーナ「や、やります!! やらせてくださいッッッ!!!!!!!!」
ゼノンアビス「ありがとう!!!!!!」
ラスキア(・・・チッ・・・ やられた・・・!!)
〇美しい草原
ルイーナ「・・・♪・・・♪・・・♪♪」
ラスキア「・・・」
ルイーナ「ゼア・メイスのパンと〜♪ キトルスのジュース〜♪♪」
ルイーナ「ルブスのジャムで〜♪ パンケーキ〜♪♪」
ラスキア「・・・ほんっと・・・!! お前って・・・安い女だな!?」
ルイーナ「む・・・ な、何よ!? 安い女で悪かったわね!!」
ラスキア「食べ物で釣られるなよ!!」
ルイーナ「・・・む・・・!! ラスキアだってゼア・メイスの パンとかスープ好きでしょ!!!!」
ラスキア「・・・何か・・・ムカつく!!!!」
ルイーナ「いいじゃない! これで、食にはしばらく困らなくなったんだし!」
ラスキア「・・・何か・・・ムカつく・・・!!!!」
〇小さな小屋
「ただいまー!!」
リムド「ああ、お帰り! ライオール城はどうだった?」
リムド「・・・って・・・ ラスキア・・・不機嫌だね?」
リムド「ルイーナ・・・また何かやらかしたのか!?」
ルイーナ「・・・ひどっ!! 何かある度、私を疑うのっ!?」
ラスキア「今回も・・・お前が悪い・・・」
ルイーナ「ひどっ!!!!」
ラスキア「義理父さんには・・・自分で言えよ?」
ルイーナ「・・・ゔ・・・!!」
リムド「まぁ・・・話は帰ってから聞くよ」
リムド「ラスキア、どうする? 今日も一緒に着いて来るかい?」
ラスキア「・・・行く・・・」
リムド「・・・じゃあ、ルイーナ・・・ 留守を頼んだぞ」
ルイーナ「はーい・・・ 行ってらっしゃーい・・・」
〇墓地
リムド「・・・よし・・・! 今日も異常はないな・・・」
リムド「・・・そう言えば・・・ ラスキア・・・ お前に渡しておかないといけない物がある・・・」
ラスキア「改まって・・・何?」
リムド「・・・この墓だ」
ラスキア「ん?この墓って・・・?」
リムド「・・・ずっと・・・ずっと・・・ 黙っていた方が良かったのかもしれんが・・・」
リムド「お前も・・・誕生日が来たら20歳・・・ これをお前に返そう・・・」
ラスキア「・・・この宝石は・・・?」
リムド「・・・この宝石は”スフェラ”の首飾り・・・ ・・・生前・・・ 前ライオール妃が肌身離さず持っていた宝石だ・・・」
ラスキア「??? そんな大層な代物を・・・? 俺に・・・? 返す・・・?」
リムド「・・・ああ」
リムド「・・・ラスキア・・・ この墓が・・・ 誰の墓か知っているか?」
ラスキア(・・・この墓・・・ 墓石に名前が彫られてないけど・・・ 義理父さんがいつも大切に墓守りしてきた墓だよな・・・?)
ラスキア「・・・知らない・・・けど・・・ 義理父さんの大切な人の墓なんだろ?」
リムド「・・・大切な人・・・ ・・・そうかもしれないな・・・」
リムド「・・・この墓はな・・・ ラスキア・・・ お前の墓だ・・・」
ラスキア「・・・・・・・・・は?」
ラスキア「・・・俺の・・・墓・・・!?」
ラスキア「義理父さん・・・? 俺・・・まだ生きてるけど・・・?」
リムド「・・・そう・・・ お前は、生きている・・・!」
リムド「・・・私が・・・ ひっそりと・・・ 生かしたんだ・・・」
ラスキア「・・・話が見えない・・・ ・・・えっと・・・」
ラスキア「・・・確か・・・ 俺の両親は・・・義理父さんの親友で・・・ 俺が生まれてすぐに事故で亡くなったって・・・?」
リムド「・・・それは・・・ お前を自由に育てる・・・嘘だ・・・」
ラスキア「う、嘘!?」
リムド「・・・真実は・・・違う・・・」
〇西洋風の部屋
ルイーナ「〜♪〜〜♪♪」
ルイーナ「で、出来た!」
ルイーナ「わ、我ながら! 可愛くないっ!?」
ルイーナ「ラスキアお手製のアクセサリーには劣るけど・・・」
ルイーナ「ラスキア・・・ 喜んでくれるといいなぁ・・・」
ルイーナ「もう・・・こんな時間・・・」
ルイーナ「・・・何かあったのかな・・・? 二人共・・・遅いな・・・」
〇墓地
ラスキア「・・・どういう事?」
リムド「・・・話は・・・20年前・・・ 前ライオール妃が王子を産んだ時に遡る・・・」
〇宮殿の部屋
産婆「産まれたわっ!!!!!!!! 元気な王子よ!!!!!!」
乳母「!!!!!!!? ・・・もう・・・一人!?」
ライオール妃 スフェラ「・・・」
〇墓地
リムド「・・・あの日・・・ 前ライオール妃スフェラ様は・・・ 『二人の王子』を ご出産なされた・・・」
ラスキア「・・・『二人の王子』?」
リムド「・・・そう・・・ 現・太陽の王子である『ゼノンアビス』様と・・・」
リムド「・・・お前を・・・ 産み落とされた・・・」
ラスキア「・・・は!?・・・俺!?」
〇謁見の間
ライオール王 ライヴァン「リムド・・・ そなたに・・・内密な頼みがある・・・」
リムド「・・・それは・・・例の・・・」
ライオール王 ライヴァン「・・・ああ」
ライオール王 ライヴァン「『双子』は『忌み子』・・・」
ライオール王 ライヴァン「先読み師の占いにも・・・ どちらかが『凶の禍事を引き起こす』と・・・」
リムド「どちらか・・・」
ライオール王 ライヴァン「そう・・・どちらか・・・」
ライオール王 ライヴァン「先読み師の占いでは・・・ そのどちらかまではわからなかった・・・」
ライオール王 ライヴァン「・・・城の重鎮達との話し合いの結果・・・」
ライオール王 ライヴァン「『太陽の気質』を持つ子を・・・ 残す事にした・・・」
ライオール王 ライヴァン「『月影の気質』を持つ子は・・・ 今頃・・・墓地へ埋葬されているだろう・・・」
リムド「そ、そんなっ!?」
ライオール王 ライヴァン「リムドよ・・・」
ライオール王 ライヴァン「・・・私は・・・ スフェラが命と引き換えに産んだ双子の内の一人を・・・手にかける事など・・・ 出来ぬ・・・!!」
ライオール王 ライヴァン「・・・そなたに暇を与える・・・」
ライオール王 ライヴァン「・・・墓地へ行き・・・ まだ・・・『月影の子』が生きていたら・・・」
ライオール王 ライヴァン「私の代わりに・・・ひっそりと・・・ 育ててくれないか?」
リムド「はっ! 命に代えましても! ご命令に従います!!」
〇墓地
リムド「・・・そして・・・私は・・・ お前の墓を暴き・・・ 墓守りとして・・・ お前を秘密裏に育てた・・・」
ラスキア「・・・そんな・・・」
ラスキア「・・・そんな・・・事・・・ どうして・・・?今になって・・・!?」
リムド「お前も・・・もう大人だ・・・ 自分の生い立ちを知っていてもいい頃合いだと思ってな・・・」
ラスキア「・・・」
リムド「・・・この事実を知って・・・ お前がどう生きようと・・・ 私にとやかく言う権利はない・・・」
リムド「・・・ただ・・・ お前を生かし育てた『親』として・・・ 私はこれからの先のお前の幸福を 願っている」
ラスキア「・・・義理父さん・・・」
ラスキア「・・・俺は・・・ 俺にとっての家族は・・・ 義理父さんとルイーナだけだ・・・!!」
ラスキア「・・・だから・・・ 今更、実は王家の血筋を引いているって 知っても・・・ どうこうするつもりはないし・・・」
ラスキア「・・・今まで通り・・・ 二人の側で暮らしちゃダメ・・・かな?」
ラスキア「・・・それが俺の・・・幸せだから」
リムド「ラスキア・・・」
ラスキア「・・・とりあえず・・・このスフェラの宝石は・・・受け取っておくよ・・・」
ラスキア「話してくれてありがとう・・・ 義理父さん」
リムド「誰だっ!?」
ルイーナ「・・・えっと・・・その・・・!!!! ご、ごめんなさいッッッ!!!!!!」
「ルイーナ!!!!!!!?」
ラスキア「・・・どうして・・・ここに・・・!?」
リムド「・・・いつから・・・そこに!!!?」
ルイーナ「・・・盗み聞きするつもりはなくて・・・ その・・・ 二人共、帰りが遅いから・・・」
ルイーナ「何かあったのかな?って思って・・・ 心配で・・・」
双子…驚きの展開にドキドキしました😵
各登場人物の心中たるや……😢
そして、ゼノ様からの報酬に何気に魅力を感じてしまいました……絶対に美味しいであろう言い回しで、しかも季節のジャムを毎月3個🤤
まさかの双子!これからどんな修羅場が待ってるのか楽しみですね!!!!
義理とはいえこんな立派になるまで育て上げた父は素晴らしいですね👏👏
王族の血筋というのも、今後何かのトラブルに巻き込まれそうでドキドキです😂
わわっ!双子の王子がルイーナを取り合うの?
…なんて唆る設定なんでしょう👍
形見の宝石も一致で、より深みが増しますね。
それを知っても、ルイーナとリムドの側で暮らしたいラスキアにグッと来ますね。