魔法戦車教習所

穂橋吾郎

#6 オーバーヒート(脚本)

魔法戦車教習所

穂橋吾郎

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〇テントの中
ヘルマー「ドヴィッヒ将軍、応答願いますであります!」
ヘルマー「くっ、どうして」
ヘルマー「全く繋がらないであります・・・」
エディントン「ヘルマー、話がある」
ヘルマー「エディントン開発長、通信がおかしいであります!」
ヘルマー「すぐに復旧作業を──」
エディントン「今すぐ全軍を撤退させるんだ」
ヘルマー「え!」
ヘルマー「一体、何を言っているでありますか!?」
エディントン「この設計図を見てみろ」
エディントン「フランツの開発部に潜入させている」
エディントン「私のスパイが入手したものだ」
ヘルマー「こ、これは・・・!」
エディントン「フランツの奴らが」
エディントン「どうしてプロイデルの防衛網を」
エディントン「易々と突破出来たのか疑問だった」
エディントン「でも、これで謎が解けたよ」
ヘルマー「魔法光学迷彩・・・」
ヘルマー「ステルス戦車!?」

〇基地の広場(瓦礫あり)
ミランボ「ふん、ドヴィッヒめ」
ミランボ「間一髪で逃げおったか」
魔法戦車(フランツ軍)「ミランボ将軍、あちらに車輪の跡が残っています」
ミランボ「よし、すぐに追うぞ」
魔法戦車(ミランボ)「次に会った時は容赦なく叩き潰してくれる」
魔法戦車(ミランボ)「ふはははは!」

〇荒廃した市街地
魔法戦車(ドヴィッヒ)「はぁ、はぁ・・・」
ドヴィッヒ「まさか、フランツ軍にあのような兵器があったとは」
ドヴィッヒ「確かに敵の位置が捕捉できぬことには」
ドヴィッヒ「反撃のしようもない」
ドヴィッヒ「だが、我には──」
魔法戦車「ドヴィッヒ将軍!」
ドヴィッヒ「お前は・・・」
ドヴィッヒ「ホークマン伍長! 無事だったか」
ホークマン「早くお逃げください!」
ホークマン「フランツ軍の奴ら」
ホークマン「見えない戦車なるものを持っているようです」
ドヴィッヒ「分かっている」
ドヴィッヒ「だが案ずるな、我には──」
ホークマン「うわああ!」
ホークマン「今のは、フランツ軍の砲撃!?」
魔法戦車(ホークマン)「ど、どこだ、どこにいる!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「慌てるな、まだ敵は遠い!」
魔法戦車(ホークマン)「なぜ言い切れるのですか!」
魔法戦車(ホークマン)「もう、すぐそこに迫っているかも・・・」
魔法戦車(ホークマン)「は、早く反撃の準備をしなくては!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「待て、まずは落ち着いて──」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「むっ、ホークマン、止まれ!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「砲撃が来るぞ!」
魔法戦車(ホークマン)「し、しかし・・・」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「いいから止まるのだ!」
魔法戦車(ホークマン)「は、はい!」
ホークマン「た、助かった・・・」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「左30度、距離500、敵戦車を捕捉」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「魔法弾装填!」
フランツ兵の声「バ、バカな、なぜこちらの場所が──」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「発射!」
フランツ兵の声「うわあああああ!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「着弾確認、敵兵の撃破に成功」
ホークマン「ドヴィッヒ将軍、あなたは・・・」
ドヴィッヒ「我には」
ドヴィッヒ「敵の位置が分かるのだ」

〇炎
魔法戦車(ドヴィッヒ)「右20度、距離300、魔法弾装填!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「発射!」
フランツ兵の声「ぐあああっ!」
ホークマン「おおっ!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「次!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「左40度、距離500!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「発射!」
フランツ兵の声「うわあああっ!」
ホークマン「おおおっ! すごい・・・」
ホークマン「見えない敵の位置を完璧に捕捉しています!」
ドヴィッヒ「魔力の揺らぎを見るのだ」
ドヴィッヒ「魔力の集まる場所を感知出来れば」
ドヴィッヒ「姿は見えずとも敵の位置を捕捉できる」
ホークマン「そ、そんなこと、ドヴィッヒ将軍以外には無理です!」
ドヴィッヒ「なんだと、皆には魔力の流れが見えておらぬのか?」
ホークマン「世界広しと言えど」
ホークマン「そのような能力を持っているのは将軍だけです」
ドヴィッヒ「なんということだ」
ドヴィッヒ「これは我だけの能力だったのか・・・」
ホークマン「将軍がいれば、きっと」
ホークマン「フランツ軍を追い返すことが出来ます!」
ドヴィッヒ「まだ我にも出来ることがある・・・」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「必ずこの国を守るのだ!」
魔法戦車(ホークマン)「あ、見えました、参謀本部のテントです!」

〇野営地
ホークマン「そんな、誰もいない・・・」
ドヴィッヒ「おい、誰かおらんのか!」
ドヴィッヒ「ヘルマー、どこに行ったのだ!」
ホークマン「指揮官たちは我々を見捨てたのですか!?」
ドヴィッヒ「そんなはずはない!」
ドヴィッヒ「きっとどこか別の場所に本部を移して──」
ホークマン「ぐあっ!」
ドヴィッヒ「ホークマン伍長!」
魔法戦車(ホークマン)「だ、大丈夫です、直撃は避けました」
魔法戦車(ホークマン)「しかし、今の砲撃は・・・」
ミランボの声「まったく、お前にはつくづく驚かされる」
魔法戦車(ミランボ)「どんなトリックか知らんが」
魔法戦車(ミランボ)「我らのステルス戦車の位置を捕捉するとはな」
ドヴィッヒ「ミランボ、またお前か・・・」
ミランボ「安心しろ、もうこれで最後だ」
ミランボ「貴様をここで始末し」
ミランボ「プロイデルを一気に制圧する」
ドヴィッヒ「ふっ、そう易々とはやられんぞ」
ドヴィッヒ「見えない戦車も、我には脅威ではない!」

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