魔法戦車教習所

穂橋吾郎

#5 ギア・ドライブ(脚本)

魔法戦車教習所

穂橋吾郎

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〇教習所
ドヴィッヒ「ミランボ・・・」
ドヴィッヒ「貴様、一体どうやって我が国の」
ドヴィッヒ「防衛網を突破したのだ!」
ミランボ「くくく、さあ、どうやったんだろうな?」
ドヴィッヒ「市街地への侵攻など正気の沙汰ではない!」
ドヴィッヒ「国際戦争法に則り」
ドヴィッヒ「今すぐ全軍を引き上げるのだ!」
ミランボ「馬鹿め。ルールに従うなど弱者の発想」
ミランボ「強者は新しくルールを作るのだ」
ミランボ「フランツ戦車隊、全軍進め!」
ミランボ「全てを制圧するのだ!」
  おーー!
ドヴィッヒ「させん! 我が止めてみせる!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「魔法戦車、発進!」
エディントンの声「ダメだよ、ドヴィッヒ」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「その声は、エディントンか!」

〇テントの中
エディントン「本部から君に」
エディントン「魔法電波を飛ばして通信してる」
エディントン「魔法戦車の担当官として」
エディントン「試験をパスしていない君に」
エディントン「戦車での戦闘を許可することは出来ない」

〇教習所
魔法戦車(ドヴィッヒ)「今はそんなこと言っている場合ではないであろう!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「我はやれる、やらねばならんのだ!」
エディントンの声「威勢だけではどうにもならない」
エディントンの声「戦場では自爆したら誰も助けてくれないよ」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「もう自爆などせん!」
エディントンの声「口だけなら何とでも言える」
ミランボ「くはははっ、ドヴィッヒよ」
ミランボ「英雄も落ちるところまで落ちたな!」
魔法戦車(ミランボ)「まさか戦うことすら出来ないとは」
ドヴィッヒ「ミランボ、戦車を降りろ!」
ドヴィッヒ「正々堂々、生身で我と一騎打ちだ!」
魔法戦車(ミランボ)「哀れ過ぎて興味が失せた」
魔法戦車(ミランボ)「貴様はそこから」
魔法戦車(ミランボ)「自国が破壊されていく様を眺めているがいい」
魔法戦車(ミランボ)「行くぞ、我が戦車隊よ!」
魔法戦車(ミランボ)「破壊の限りを尽くそうぞ!」
  おおおおおっ!
ドヴィッヒ「待て! やめろ!」
ドヴィッヒ「エディントン、試験を再開してくれ!」
ドヴィッヒ「すぐに合格してやる!」
エディントンの声「無理だよ」
エディントンの声「さっきの砲撃でコースもめちゃくちゃだ」
ドヴィッヒ「頼む!」
ドヴィッヒ「どうか、我に民を守る働きをさせてくれ!」
ヘルマーの声「市街地を使って試験をするであります!」

〇テントの中
エディントン「ちょっ、ヘルマー」
エディントン「なに勝手なこと言ってんの!」
ヘルマー「ドヴィッヒ将軍」
ヘルマー「今から自分が言うルートで」
ヘルマー「市街地を走ってくださいであります」
ヘルマー「試験に必要な項目を」
ヘルマー「市街地の道でカバーしているであります!」
ドヴィッヒの声「わ、わかった、すぐに案内を頼む!」
エディントン「ちょっと、ヘルマー」
エディントン「ドヴィッヒに同情する気持ちもわかるけど」
エディントン「こんな勝手が許されるわけ──」
ヘルマー「同情ではないであります!」
ヘルマー「フランツの戦車隊に対抗するには」
ヘルマー「ドヴィッヒ将軍の力が絶対に必要なのであります!」

〇教習所
ヘルマーの声「ドヴィッヒ将軍・・・」
ヘルマーの声「必ず試験に合格して」
ヘルマーの声「プロイデルを守って欲しいであります」
ドヴィッヒ「・・・必ず、合格してみせる!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「行くぞ!」
エディントンの声「あー、もう、分かったよ!」
エディントンの声「その代わり、厳しく採点するからね!」

〇荒廃した市街地
魔法戦車(ドヴィッヒ)「ぜあっ!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「突破したぞ!」
エディントンの声「すごい・・・」
エディントンの声「いつの間にあんな細かい動きが出来るように・・・」
ヘルマーの声「では、次の突き当りを左であります!」
ヘルマーの声「その後の路地をクランク走行であります!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「はあああっ!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「よし!」
ヘルマーの声「お見事であります!」
ヘルマーの声「次はその先の坂道で──」
魔法戦車(フランツ軍)「プロイデルの畜生め、覚悟!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「くっ!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「ヘルマー、後方からフランツ兵の戦車が接近している!」
エディントンの声「なっ、早くスピードを上げて振り切らなきゃ──」
ヘルマーの声「いや、横道に」
ヘルマーの声「バック走行で退避するであります!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「わかった、はぁっ!」
魔法戦車(フランツ軍)「あ、あんな細道へ入るだと!?」
魔法戦車(フランツ軍)「うっ、うわああああっ!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「はぁはぁ、危なかった・・・」
ヘルマーの声「すごいであります」
ヘルマーの声「完璧に車体の動きを」
ヘルマーの声「制御出来ているであります!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「まだまだだ。試験の続きをするぞ!」
ヘルマーの声「はい、であります!」

〇基地の広場(瓦礫あり)
魔法戦車(ドヴィッヒ)「よし、坂道発進も突破した!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「ヘルマー、次の指示を──」
ヘルマーの声「ドヴィッヒ将軍!」
ヘルマーの声「右45度へ砲身を向けるであります!」
ヘルマーの声「約1キロ先・・・」
ヘルマーの声「我が軍の戦車が」
ヘルマーの声「フランツの戦車に襲われているであります!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「なんだと!?」

〇荒野の城壁
魔法戦車(プロイデル軍)「や、やめろ!」
魔法戦車(フランツ軍)「うるさい!」
魔法戦車(フランツ軍)「全ては我がフランツのため!」
魔法戦車(フランツ軍)「死ね!」

〇基地の広場(瓦礫あり)
エディントンの声「早く援護に向かうんだ!」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「ああ、すぐ行く!」
ヘルマーの声「それじゃ間に合わないであります!」
ヘルマーの声「そこから、敵戦車を砲撃するであります」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「しかし、ここからではあまりに離れ過ぎている」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「通常の試験の倍以上の距離だ」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「それに我は・・・」
魔法戦車(ドヴィッヒ)「砲撃が最も苦手なのだ」

〇テントの中
エディントン「無理だよ、ヘルマー」
エディントン「この距離じゃ、砲撃の得意な兵でもそうそう当てられない」

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