5 修練と第2の騒動(脚本)
〇女の子の二人部屋
久遠 陽菜(くおん ひな)「佐恵‥今、どうしてるんだろう」
久遠 陽菜(くおん ひな)「佐恵のお母さんも、利香ちゃんも‥佐恵のこと忘れちゃってて」
久遠 陽菜(くおん ひな)「最後に会った、あの林にもいなかったし」
久遠 陽菜(くおん ひな)「外、雨降ってきたけど‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「佐恵‥大丈夫、かなぁ?」
久遠 陽菜(くおん ひな)「濡れてない、かなぁ?」
久遠 陽菜(くおん ひな)「(しくしく)」
玲仁(れいじ)・神狐「‥陽菜」
久遠 陽菜(くおん ひな)「‥玲仁」
久遠 陽菜(くおん ひな)「佐恵が、ああなっちゃったのは」
久遠 陽菜(くおん ひな)「心に宿った負の感情が‥って言ってたよね?」
玲仁(れいじ)・神狐「‥ああ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「もし、私が佐恵の悩み事とか」
久遠 陽菜(くおん ひな)「気づいてあげられてたら‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「こんなことに‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「なってなかった?」
玲仁(れいじ)・神狐「自身を責めるでない、陽菜」
久遠 陽菜(くおん ひな)「だって!」
玲仁(れいじ)・神狐「心のうちなぞ、そう簡単に見抜けぬだろう?」
玲仁(れいじ)・神狐「過去を悔やんでも、なにも解決せぬ」
玲仁(れいじ)・神狐「今、なにを一番にすべきかを考えよう」
久遠 陽菜(くおん ひな)「‥うん」
玲仁(れいじ)・神狐「佐恵のことだが‥」
玲仁(れいじ)・神狐「緋紗が佐恵に、危害を及ぼすことはない」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ホ、ホント?」
玲仁(れいじ)・神狐「キズナ石にふれられるのは佐恵だけじゃ」
玲仁(れいじ)・神狐「傷つけることはなかろう」
久遠 陽菜(くおん ひな)「そ、そっか‥なら、良かった」
玲仁(れいじ)・神狐「だが、あまり悠長なことも言ってはおれぬ」
玲仁(れいじ)・神狐「早急に巫女の修練を開始しよう」
久遠 陽菜(くおん ひな)「‥うん」
久遠 陽菜(くおん ひな)「わかった!」
玲仁(れいじ)・神狐「だが、まあ‥今宵はもう遅い」
玲仁(れいじ)・神狐「まずは、体を休めよう」
玲仁(れいじ)・神狐「な? 陽菜」
〇女の子の二人部屋
〇綺麗な一戸建て
〇学校の校舎
〇教室
久遠 陽菜(くおん ひな)「青柳くん」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「あ、久遠さん」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ちょっと、いい?」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「うん」
〇屋上の入口
久遠 陽菜(くおん ひな)「あの‥昨日頼んでた──」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「うん、例の件だね」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「えっと‥」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「学校中の先生に聞いてまわったけど」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「佐恵さんのことは、誰も知らないって」
久遠 陽菜(くおん ひな)「あ、やっぱり‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ごめんね、変なことに巻き込んで」
久遠 陽菜(くおん ひな)「青柳くんが玲仁と関わったから、なのかなぁ?」
久遠 陽菜(くおん ひな)「青柳くんに佐恵の記憶が残ってて、良かった」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「あ、いや‥記憶が残ってるっていっても」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「別のクラスの人のことは詳しくないし」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「久遠さんと一緒にいるところを見たことがある、程度で」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「その‥あんまり役に立てなくて、ごめん」
久遠 陽菜(くおん ひな)「あ! そんな!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「青柳くんに手伝ってもらえて、すごく助かってる」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ありがとうね」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「あ、あの、久遠さん!」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「俺‥‥」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「全っ然! 迷惑だと思ってないから!」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「むしろ、久遠さんと話せるようになって、嬉しい‥というか」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「もし、これからも、なにか困ったことがあったら、俺を頼ってほしい」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「‥なんて」
久遠 陽菜(くおん ひな)「うん! 私も青柳くんと話せるようになって嬉しい♪」
久遠 陽菜(くおん ひな)「今日から、巫女の修練を始めるんだって」
久遠 陽菜(くおん ひな)「私、元通りにするために、がんばるね!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「じゃあまた! 青柳くん!」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「‥はあああ、緊張した」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「‥そう簡単には、伝わらない、かぁ」
〇学校の校舎
〇女の子の二人部屋
久遠 陽菜(くおん ひな)「ただいまぁ、玲仁」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ど、どうしたの!? この紙の山!」
玲仁(れいじ)・神狐「陽菜♪ 戻ったか!」
玲仁(れいじ)・神狐「巫女が覚えなければならぬ事柄を、まとめていたのじゃ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「こんなにあるの!?」
玲仁(れいじ)・神狐「案ずるな」
玲仁(れいじ)・神狐「陽菜は、我がまとめた事柄だけ覚えればよい」
久遠 陽菜(くおん ひな)「あ、そうなんだ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「この巻物の内容を覚えたらいいの?」
玲仁(れいじ)・神狐「うむ! 読むだけでよい」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ふぅん」
久遠 陽菜(くおん ひな)「玲仁、これ‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「読めないよお~~!」
玲仁(れいじ)・神狐「なんと!」
玲仁(れいじ)・神狐「どうしたものか‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「あ!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「じゃあさ、玲仁、読んで?」
久遠 陽菜(くおん ひな)「私、玲仁が読んだとおりに、書き写すから」
玲仁(れいじ)・神狐「承知した!」
〇女の子の二人部屋
久遠 陽菜(くおん ひな)「やっと‥終わったー」
玲仁(れいじ)・神狐「さすがに、疲労の極みじゃ‥」
〇綺麗な一戸建て
〇学校の校舎
〇湖畔の自然公園
放課後
久遠 陽菜(くおん ひな)「青柳くん、いい場所みつけてくれてありがとう♪」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「気に入ってくれたなら」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「良かった!」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「ここ、夕方は人が来ないから、修練にいいかなって」
久遠 陽菜(くおん ひな)「そっか♪」
久遠 陽菜(くおん ひな)「聞いてよ~、青柳くん」
久遠 陽菜(くおん ひな)「昨日、夜遅くまで巫女が唱える呪文とかを書き写してたの」
玲仁(れいじ)・神狐(陽菜‥青柳とばかり話しおって‥)
久遠 陽菜(くおん ひな)「朝になったら、絶対、忘れてるって思ってたんだけど」
久遠 陽菜(くおん ひな)「なんと! 覚えてたの~!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「すごくない?」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「うん、すごいね♪」
玲仁(れいじ)・神狐「陽菜! それは巫女の血のおかげじゃ」
玲仁(れいじ)・神狐「さあ、あまり時間がない」
玲仁(れいじ)・神狐「詠唱する際の印を指南しよう」
久遠 陽菜(くおん ひな)「印?」
玲仁(れいじ)・神狐「印とは、両手の指を使って組み合わせた形じゃ」
玲仁(れいじ)・神狐「印を組みながら詠唱すれば、術が発動しやすくなる」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ふんふん、なるほど」
玲仁(れいじ)・神狐「たとえば‥こう」
久遠 陽菜(くおん ひな)「こう?」
玲仁(れいじ)・神狐「うむ、いいぞ陽菜」
玲仁(れいじ)・神狐「今度は‥こう!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「こう、かな?」
玲仁(れいじ)・神狐「そうじゃ陽菜! どんどんいくぞ!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「‥こう?」
玲仁(れいじ)・神狐「あ、あ‥この指以外を交差させるのじゃ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「あ! この形ね♪」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)(‥いいなあ、玲仁様)
久遠 陽菜(くおん ひな)(よぉーし! だいぶ覚えた!)
久遠 陽菜(くおん ひな)(試しにやってみよ♪)
久遠 陽菜(くおん ひな)「神風吹かせ‥嵐、呼び奉り‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「御業成さしむ!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「わぁぁ‥すっごい威力!」
玲仁(れいじ)・神狐「陽菜~!」
玲仁(れいじ)・神狐「いきなり風の術を発動させるでない‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ご、ごめんなさぁい‥」
〇綺麗な一戸建て
〇市街地の交差点
久遠 陽菜(くおん ひな)「今日、天気悪~い!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「あれ? 玲仁、ついてくるの?」
玲仁(れいじ)・神狐「昨日のごとく、陽菜が軽はずみに術をふるうと大混乱を招きかねないからな」
久遠 陽菜(くおん ひな)「き、昨日は、いきなり術を使って悪かったと思ってるよ~」
久遠 陽菜(くおん ひな)「覚えたての術が、あんなに威力があるなんて思わなかったんだもん」
玲仁(れいじ)・神狐「術は‥覚えたというより」
玲仁(れいじ)・神狐「巫女の血の記憶を呼び起こした、というほうが正しいかの」
久遠 陽菜(くおん ひな)「そうなんだ!」
玲仁(れいじ)・神狐「ここ数日、緋紗側の接触がなく、好都合だったが‥」
玲仁(れいじ)・神狐「そろそろ何かを仕掛けてくるやもしれぬ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「え、私、大丈夫かな‥」
玲仁(れいじ)・神狐「案ずるな!」
玲仁(れいじ)・神狐「完全に覚醒したわけではないが、もう術も使えるし、問題ない」
玲仁(れいじ)・神狐「それに‥」
玲仁(れいじ)・神狐「陽菜は、我が必ず護るゆえ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「‥玲仁」
久遠 陽菜(くおん ひな)「玲仁の言葉って、不思議‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「なんだか、今すごく安心してる」
久遠 陽菜(くおん ひな)「私──」
久遠 陽菜(くおん ひな)「あ、青柳くんからだ」
久遠 陽菜(くおん ひな)「青柳くん、どうしたの?」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「久遠さん、早い時間にごめん! ちょっと知らせたいことが!」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「俺、今、朝練が終わって部室に帰るところだったんだけど‥」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「小林が!!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「小林‥くん?」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「あ! えっと‥ 一緒に練習してた友だちがいなくなって」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「探してたら、何かにつまづいたんだ」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「それが、地蔵で‥‥」
久遠 陽菜(くおん ひな)「地蔵? 学校に地蔵なんて立ってたっけ?」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「立ってないよ、地蔵なんて!」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「だから、地蔵をよく見てみたんだ」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「そうしたら‥」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「顔が‥小林にそっくりなんだ!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ええ!?」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「なにかおかしい!」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「とにかく! 玲仁様を連れてきてくれないかな!?」
青柳 当麻(あおやぎ とうま)「じゃあ俺、待ってるから!!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「ちょ! 青柳くん!?」
玲仁(れいじ)・神狐「陽菜? 青柳に何かあったのか?」
久遠 陽菜(くおん ひな)「‥うん」
久遠 陽菜(くおん ひな)「とりあえず、学校に急ごう!」
久遠 陽菜(くおん ひな)「玲仁! 走るよ!」
玲仁(れいじ)・神狐「な、なんじゃ! 急に~!」
青柳くんの脈なしっぷりが不憫で……😂可愛い←
今回はスチルが盛り沢山でしたね!✨️
地蔵と聞くと序盤の神がよぎりますが、きっとあっちですね!使いこなしたらすごいことになりそうな……災難な小林くんには悪いけど💦楽しみです😆
恋のライバル青柳くん。残念ながらライバル足り得るにはまだちょっと及ばない感じ。やはり神通力…羨んだ彼が最終的に闇落ちしないといいなと思いながら読んでます。
ヤキモチ妬いてしまう玲仁様にニンマリしてしまいましたー💓ヤキモチやくイケメン大好物です✨😍
青柳くんも良い子でっ✨😍
そして、やはりストーリー面白いですねっ!!✨😆これからどうなるのかまたさらに気になります!!
青柳くんの友達が地蔵に!!
地蔵・・・あさかあの立ち絵が!?✨😆
楽しみすぎます✨😍あっ!!でも小林くんはどうにか助かりますように!!✨😍