エピソード3「彼女のタイプは俺と真逆なんだぁ……」(脚本)
〇男の子の一人部屋
月見 時雨(つきみ しぐれ)「この世は振る者と振られる者に分けられ、どんなに愛した所で『合わない』という4文字であっさり切り捨てられてしまう・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「そんな切り捨てソーリー、心の辻斬りが横行する昨今の世の中、俺もまたその犠牲者の一人とならぁぁああああ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「あぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「お前は俺の部屋に来てから何リットル分の涙を流すんだ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「うぁぁああん・・・、うぉぉおおん・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「俺に理由を話さず、もう1時間は経つぞ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「ぎゅわぁぁん・・・、にゅごぉぉん・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「・・・かといって、俺からは何があったか聞かないからな。絶対に、聞かないからな」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「うわぁぁぁ、おぇ、うぅ、ゴホッ、ゲホッ、うぅ、吐く・・・・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「・・・てめぇ、ぶち〇すぞ」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「どうしたんだよ、何があったんだよ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「き、聞いてくれるのか・・・?」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「可能ならば、死んでも聞きたくねぇ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「俺は、吐く、吐くぞぉぉぉぉぉぉ・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「頼むから部屋から出てってくれよ・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「わかったよ、何があったんだよ・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「陽葵に、振られるかもしれない・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「はぁ?」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「俺は、振られる、振られるんだぁぁぁぁああああ!!!!!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「振られる? あぁ、あれか? この前、レストランに誘い忘れたあれか?」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「いや、それは先週に埋め合わせした。 イタリアン行った後、雰囲気の良いバーに行った」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「・・・くそ楽しんでるじゃねぇか。 そっちの話を聞かせろよ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「違うんだよ、そのバーでな・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「陽葵にタイプじゃないって言われたんだよぉぉぉぉ!!!!!!!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「は? んなわけねぇだろ。 まずは落ち着k・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「よぉぉぉいぉぉぉぉぉいぉぉぉ・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「あぁ、もう・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「お前もう、地球から出てけ」
〇女性の部屋
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・・・・」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・まだ眠い」
朝喜 千華(あさき ちか)「陽葵~。 近くのスーパーまでデートしよ~」
朝喜 千華(あさき ちか)「あ、あーた、まだ寝巻!!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・まだ眠いの」
朝喜 千華(あさき ちか)「あーた、もう11時だよ? いつまで寝巻でいるの」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・うじゃい」
朝喜 千華(あさき ちか)「そんなことだと、時雨君に嫌われるよ!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・やだ」
朝喜 千華(あさき ちか)「じゃあ、早く着替えなさい!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・うじゃうじゃい」
朝喜 千華(あさき ちか)「時雨君に言っちゃうよっ!?」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・・・・」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「お姉ちゃんの、バカぁ・・・」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「着替えた」
朝喜 千華(あさき ちか)「早いっ! んで、同じ服っ!!」
朝喜 千華(あさき ちか)「ちゃんと、化粧もした?」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・むぅ」
朝喜 千華(あさき ちか)「もう、時雨君と遊ぶ時は、凄いしっかりする癖に・・・」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・時雨っ!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「ねぇねぇお姉ちゃん・・・!」
朝喜 千華(あさき ちか)「どしたー?」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「この前のデートでね、時雨に好きって言っちゃったの・・・!」
朝喜 千華(あさき ちか)「へぇ、いいじゃん!」
〇シックなバー
月見 時雨(つきみ しぐれ)「このカクテル、美味しいな!」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「なんのカクテルか、あんまりわかってないんだけどさ、ははっ・・・」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・美味しい」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「そ、そっか、よ、良かった!!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・・・・えっと」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「お、美味しいなっ!!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・時雨に、言いたいことがあるの」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「え、何?」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「私、私ね・・・」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・・・・」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・男らしく引っ張ってくれる人、凄く、好きなの///」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「へぇ、そ、そうなんだ!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・でも、時雨は無理し過ぎないで」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・私も、頑張るから」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「あ、ありがとう!!」
〇女性の部屋
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・時雨、男らしく引っ張ってくれてかっこ良かったから」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・言っちゃった///」
朝喜 千華(あさき ちか)「そかそかー。良いね~!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・勇気、出したの!」
朝喜 千華(あさき ちか)「うん、偉い偉い!」
朝喜 千華(あさき ちか)(変な誤解、生まれてないと良いけどなぁ~)
〇男の子の一人部屋
月見 時雨(つきみ しぐれ)「陽葵のタイプ、俺と真逆じゃねぇかぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!!!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「ざまぁ」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「ってか、言うほど真逆か?」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「真逆です」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「誰がなんと言おうと、真逆です 白と黒のように、真逆です 「好き」の真逆は「無関心」」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「そうっすか」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「しかも、陽葵にフォローまでしてもらって、男の風上にも置けない風下の中でも最も下、風が当たらず苔むした所でえんやこら・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「えんやこらぁぁぁああああぁぁぁ・・・」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「くたばれ、こらぁ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「結斗よぉ、この先どうすればいいんだ?」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「男らしく引っ張ってやればいいだろ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「そうあっさり言うなよぉぉぉおおお!!!!!!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「じゃあどうすればいいんだよ。 この世から出てくか?」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「別に、今度のデートは任せて、とか言っておけばいいだろ」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「で、お前がデートプランを考える」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「ぐすん、そっか、かっこよく決めて、俺がデートプランを考える・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・そうか、そうかそうかっ!! その手があったか!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「別に、驚くような妙案じゃねーよ」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「今度のデートは俺に任せてくれっっ!!」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「俺が引っ張ってやるっっ!!!!!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「・・・ん?」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「今の言葉、陽葵に送信したぜっ!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「うわ、あっつ〜」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「な、なんかまずかったか!? 失敗したか!?」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「馬鹿みたいに熱いなぁって、思った」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「ァァァ、ぁぁぁぁああああ・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!!!!!」
浦霧 結人(うらぎり ゆいと)「・・・・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「結斗ぉ、結斗ぉぉぉ・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「・・・・・・」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「いねぇぇぇぇえええええ!!!!!!!!!!!」
月見 時雨(つきみ しぐれ)「デートプラン、頑張って考えるぅぅ・・・」
〇女性の部屋
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「あ、時雨から・・・!」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「・・・お姉ちゃん、見て!」
朝喜 千華(あさき ちか)「どれどれ〜」
朝喜 千華(あさき ちか)「『今度のデートは俺に任せてくれっっ!!』」
朝喜 千華(あさき ちか)「『俺が引っ張ってやるっっ!!!!!!』」
朝喜 千華(あさき ちか)「へぇ~」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「時雨、私のために・・・」
朝喜 陽葵(あさき ひまり)「かっこいい・・・///」
朝喜 千華(あさき ちか)「可愛い〜♪」
エピソード3
「彼女のタイプは俺と真逆なんだぁ・・・」
~完~
2人の間での誤解を生じさせる陽葵さんの絶妙のセリフが🤣
そして、デート中は緊張しっ放しなのに、デート外では不安や高揚を露わにする2人、可愛すぎます🥰
この2人の温度差がww
時雨くん、今回は一層凄まじい泣きっぷりで、結人くんの部屋が大変なことになってそうですね。室内カビそう……