NO RYO!

ざとういち

最愛の生瀬涼子 fin(脚本)

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ざとういち

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〇体育館の裏
矢田玲奈「北極氷河・・・」
矢田玲奈「遊園地であんたと合流したら、 私は急用が出来たと言って帰るから・・・」
北極氷河「えぇっ・・・!?」
矢田玲奈「な、何よそのリアクション・・・? フリよ、フリ・・・本当に帰りはしないから」
矢田玲奈「こっそりと、あんた達が上手く行くか、 陰から見守ってあげるからさ・・・」
北極氷河(そ、そうじゃなくて・・・ いきなり帰るのは、 さすがに無理があるのでは・・・)
矢田玲奈「な、何よ・・・? 私の作戦に、何か問題でもあるの?」
北極氷河「い、いえ! そんなことは・・・!!」

〇広い屋上
矢田玲奈「北極・・・氷河ァ・・・!!」

〇体育館の裏
北極氷河(あの時のトラウマで・・・ 矢田玲奈の言うことに反論出来ない・・・)
矢田玲奈「特に問題がないなら・・・ この流れで行くけど、良いの・・・?」
北極氷河「は、はい・・・! よろしくお願いします!」
北極氷河(・・・・・・)
北極氷河(結局、俺はヘタレなままか・・・)
北極氷河(生き霊さんが見ていたら・・・ なんて、言われるだろうな・・・)

〇遊園地の広場
北極氷河「あ、あはあは・・・」
生瀬涼子「え、えっとえっと・・・」
矢田玲奈(こ、こいつら・・・駄目かもしれない・・・)
矢田玲奈(でも、今さら作戦を変更出来ないし・・・ ええい! もうなるようになるわ・・・!)
矢田玲奈「あ、あぁーっ!!」
  ・・・・・・!!
矢田玲奈「た、大変・・・!!」
矢田玲奈「子供の頃からずっと飼ってる き、金魚のメルちゃんが・・・!!」
矢田玲奈「危篤だって、連絡が・・・!!」
北極氷河(き・・・金魚・・・?)
生瀬涼子「そ、そんな・・・!! あの、 金魚のメルちゃんが・・・!?」
北極氷河(メ、メルちゃんは本当にいるのか・・・)
生瀬涼子「玲奈・・・私のことは良いから・・・ 一刻も早く、帰ってあげて・・・!!」
矢田玲奈「う、うん・・・!! ありがとう涼子・・・!!」
北極氷河(さ、さすが、生瀬さん・・・優しいな・・・)
北極氷河(・・・・・・)
北極氷河(なんだかんだ、 スムーズに離脱するとは・・・)
北極氷河(矢田玲奈・・・やはり只者じゃないな・・・)
北極氷河(だが・・・しかし・・・)
生瀬涼子「ほ、北極くん・・・」
生瀬涼子「えっと、あの・・・その・・・」
生瀬涼子「うぅ・・・あ、あう・・・」
北極氷河(前途・・・多難だ・・・)
北極氷河「あ、あの・・・! 生瀬さん・・・!」
生瀬涼子「は、はひ・・・!?」
北極氷河「よ、よよ、もし、よろしかったら・・・」
北極氷河「俺と一緒に、回りませんか・・・?」
生瀬涼子「・・・・・・!?」
北極氷河「い、嫌だったら全然良いんです・・・! 俺は元々1人で来ただけなので・・・!!」
生瀬涼子「あ、あ、あの・・・!」
生瀬涼子「う、うん・・・一緒に・・・」
生瀬涼子「まわ、回ろう・・・?」
北極氷河「あ、ありがとうございます・・・!」
生瀬涼子(ふぅ・・・)
生瀬涼子(もう・・・! 氷河くんが せっかく誘ってくれてるのに・・・)
生瀬涼子(なんで、私は・・・ こんなに臆病なんですか・・・!?)

〇ジェットコースター
北極氷河「ぐううううッ・・・!!」
生瀬涼子「凄い・・・思ったより、 なかなか迫力が・・・!」
北極氷河「ぐぎぎぎぎぎ・・・!!」
北極氷河(た、耐えろ、俺・・・!!)
北極氷河(このジェットコースターは、 一度、“攻略”してるんだ・・・!!)
北極氷河(い、行ける・・・!!)
生瀬涼子「・・・・・・!!」
生瀬涼子(結構怖いジェットコースターなのに、 氷河くん、笑ってます・・・!)
生瀬涼子(す、凄い・・・♡)
北極氷河「・・・・・・」
  ※笑ったまま気を失ってます

〇遊園地の広場
北極氷河「はぁ・・・はぁ・・・」
生瀬涼子「な、なかなか凄かったね・・・」
北極氷河「え、えぇ・・・大丈夫ですか? 生瀬さん?」
生瀬涼子「う、うん・・・私は大丈夫・・・!」
生瀬涼子(あんなにワイルドなのに、 女の子を気遣う優しさがあるなんて・・・)
生瀬涼子(あーもう・・・氷河くん・・・ 私の性癖にガンガン響きます・・・!)
北極氷河(途中から記憶がないんだが・・・)
北極氷河(また俺は気を失っていたのか・・・? なんとか、生瀬さんにバレる前に 意識を取り戻せたみたいだが・・・)
北極氷河(やはり、俺は何も変わってないのか・・・!? このままだと、生瀬さんに嫌われる・・・!!)
生瀬涼子「・・・あっ」
生瀬涼子「あの建物・・・な、何かな・・・?」
北極氷河「えっ・・・?」

〇ツタの絡まった倉庫
北極氷河(こ、ここは・・・!! あの時のお化け屋敷・・・!!)
生瀬涼子「洋風のお化け屋敷なんて・・・ な、なかなか珍しいね・・・」
北極氷河「そ、そうですね・・・」
生瀬涼子「あの、あのあの・・・」
北極氷河(な、生瀬さんが・・・ 入りたそうにこちらを見ている・・・)
北極氷河(だが、このお化け屋敷は、 生き霊さんに手を引いてもらって ようやく進むことが出来た場所だぞ・・・!?)
北極氷河(絶対に、醜態を晒してしまう・・・!!)
生瀬涼子「うぅ・・・あうぅ・・・」
北極氷河(でも・・・ 『怖いから入りたくないです』なんて・・・)
北極氷河(余計言える訳ないだろうが・・・!!)
北極氷河「は、入りましょうか・・・?」
生瀬涼子「あ・・・う、うん・・・」

〇暗い廊下
生瀬涼子「うわぁ・・・雰囲気、あるね・・・」
北極氷河「そ、そそ、そうですね・・・」
北極氷河(や、やっぱり怖い・・・!!)
北極氷河(いや、よく考えろ北極氷河・・・!!)

〇広い屋上
矢田玲奈「北極・・・氷河ァ・・・!!」
矢田玲奈「許さない・・・許さない・・・」
矢田玲奈「殺して・・・や・・・る・・・」

〇暗い廊下
北極氷河(あいつの方が・・・ 何千倍も怖かったぞ・・・!!)
北極氷河(俺はあんなに恐ろしい 矢田玲奈に勝ったんだ・・・!!)
北極氷河(こんな作り物に怯えるなんて、 恥ずかしくないのか・・・!?)
北極氷河「よし・・・!」
北極氷河「えっ・・・!?」
北極氷河「な、なんだ・・・!?」
霊感のある男「ひいぃ・・・!! で、出たぁーッ!!」
霊感のある男「あ、“あの時の幽霊”がぁーッ!!」
霊感のない男「お、おいっ! 待てよ! どこに行くんだ!?」
北極氷河「な、なんの騒ぎですか・・・!?」
霊感のない男「あっ、お、お客様・・・ も、申し訳ありません・・・!」
霊感のない男「従業員の1人が、 突然、訳の分からないことを・・・」
霊感のない男「おい・・・! 待てコラーッ!!」
生瀬涼子「な、なんだったんだろう・・・?」
北極氷河「わ、分かりません・・・」
北極氷河(なんだ・・・!? この寒気は・・・!?)
悪霊「ハァァ・・・」
北極氷河「な・・・なんだあれ・・・? あれも、従業員なのか・・・?」
生瀬涼子「えっ・・・? ほ、北極くん・・・ な、何か・・・いたの・・・?」
北極氷河(な、生瀬さんには見えてない・・・!?)
北極氷河(嘘だろ・・・!? じゃあ、あれって・・・)
悪霊「ほぉ、なかなか、若くて美味そうな 女の魂がいるじゃないか・・・」
悪霊「ずっとここに潜んで・・・ 女の精気を吸収し続けていたが・・・」
悪霊「こいつは極上だ・・・」
生瀬涼子「えっ・・・!?」
北極氷河「生瀬さん・・・!!」

〇モヤモヤ
生瀬涼子「・・・・・・!?」
生瀬涼子「な、何・・・ここ・・・!?」

〇暗い廊下
悪霊「さてさて、女は異世界に閉じ込めて、 じっくりゆっくりと味わわせてもらおう」
北極氷河「待て・・・!!」
悪霊「なんだお前・・・?」
悪霊「私が見えているのか・・・?」
北極氷河「生瀬さんを、返せ・・・!!」
悪霊「ケケケケ・・・ッ!! 返せと言われて返す馬鹿がどこにいる!?」
悪霊「見ろ! 私の姿を!! 怯ろ! さっきの男のように!!」
悪霊「ケケケケケケッ!!」
北極氷河「そういうのは・・・もう・・・」
北極氷河「ウンザリなんだよ・・・!!」
悪霊「ウギャアアアアアアアッ!?」
悪霊「生身の人間が、霊を殴るなんてぇ!?」
北極氷河「生瀬さん・・・!! どこですか・・・!?」
北極氷河「あそこ、空間が歪んでいる・・・!?」

〇モヤモヤ
生瀬涼子「うぅ・・・」
生瀬涼子「暗い・・・怖い・・・」
生瀬涼子「私、このまま・・・どうなっちゃうの・・・」
  生瀬さん・・・!!
生瀬涼子「・・・・・・!?」
  お、俺の手を掴んでください!!
生瀬涼子「北極くん・・・!!」
生瀬涼子「ど、どこ・・・!?」
  生瀬さん・・・早く・・・!!
  空間が・・・どんどん縮んでいて・・・
生瀬涼子「えっ・・・!?」
生瀬涼子「わ、分からない・・・ どこに北極くんの手が・・・」
生瀬涼子「う、うぅ・・・」
  落ち着いてください・・・
生瀬涼子「・・・・・・!?」
  怖がらないで・・・
生瀬涼子「だ・・・誰・・・!?」
  氷河くんを、信じて・・・!!
生瀬涼子「・・・・・・!!」
生瀬涼子「あそこに・・・光が・・・!!」
生瀬涼子「氷河くんの手・・・」
  あったかい──

〇白
生瀬涼子「・・・・・・」
  この子・・・
  誰・・・?
  もしかして・・・
  私・・・?

〇暗い廊下
生瀬涼子「はぁ・・・はぁ・・・」
北極氷河「生瀬さん・・・!! 大丈夫ですか・・・!?」
生瀬涼子「う、うん・・・北極くん・・・」
生瀬涼子「あ、ありがとう・・・」

〇遊園地の全景

〇遊園地の全景

〇遊園地の広場
矢田玲奈「あの子ら・・・ずっと ベンチで休んだままだけど・・・」
矢田玲奈「な、何かあったのかな・・・?」
矢田玲奈「心配、させないでよ・・・!」
  ・・・・・・
生瀬涼子「ふぅ・・・」
北極氷河「生瀬さん・・・どうですか・・・?」
生瀬涼子「う、うん・・・休んでいたら、 もうだいぶ、気分が落ち着いたから・・・」
北極氷河「よ、良かった・・・!」
北極氷河「さすがにもう、帰りましょうか・・・?」
生瀬涼子「う、うん・・・」
  あらあら、まだ帰るには早いですよ?
生瀬涼子「・・・・・・!?」
  メインは最後まで残しておいたんですから♡
生瀬涼子(この声は・・・何・・・?)
生瀬涼子(記憶・・・? 思い出・・・?)
生瀬涼子(それとも・・・)
北極氷河「さぁ、手を貸しますよ・・・?」
生瀬涼子「ま、待って・・・!」
北極氷河「えっ・・・?」
生瀬涼子「さ、最後に、1箇所だけ・・・」

〇遊園地
生瀬涼子「あ・・・あれ・・・」
北極氷河「観覧車、ですか・・・?」
北極氷河(な・・・)
北極氷河(なんだこの、強烈なデジャヴは・・・?)

〇観覧車のゴンドラ
生瀬涼子「・・・・・・」
北極氷河「・・・・・・」

〇遊園地

〇遊園地

〇観覧車のゴンドラ
北極氷河「うぅ・・・」
北極氷河(い、今まで数々の恐怖を なんとか克服(?)してきたが・・・)
北極氷河(高い所が一番無理だ・・・!!)
生瀬涼子「ほ、北極くん・・・?」
生瀬涼子「大丈夫・・・? そんなに、震えて・・・」
生瀬涼子「も、もしかして・・・だけど・・・」
北極氷河(ヤ、ヤバイ・・・!? ついにバレた・・・!?)
北極氷河(こ、ここは、なんとか誤魔化して・・・)
北極氷河(・・・・・・)
北極氷河(いや・・・)

〇広い屋上
北極氷河「今さら・・・遅いかもしれませんが・・・」
北極氷河「俺にとっては・・・生き霊さんも・・・」
北極氷河「生瀬涼子・・・なんですよ・・・!!」

〇観覧車のゴンドラ
北極氷河「・・・・・・」

〇広い屋上
北極氷河「怖いから、本当の気持ちを 伝えられないんだろう・・・?」

〇観覧車のゴンドラ
北極氷河(もう、やめよう・・・)
北極氷河「生瀬さん・・・!!」
生瀬涼子「は、はい・・・!?」
北極氷河「あなたに、告白したいことがあります・・・」
生瀬涼子「こ、ここここ、告白っ!?」
生瀬涼子(そ、そんな突然・・・!?)
生瀬涼子(ま、まだ、心の準備が・・・!!)
北極氷河「お、俺・・・じ、実は・・・」
生瀬涼子「あ、あうあう・・・」
北極氷河「実は・・・俺・・・!!」
北極氷河「高い所が、苦手なんですっ!!」
生瀬涼子「・・・・・・」
北極氷河「・・・・・・」
生瀬涼子「・・・・・・え?」
北極氷河(お、終わった・・・)
北極氷河(す、すみません・・・生き霊さん・・・ たくさん協力してもらったのに・・・!!)
北極氷河(でも、もう俺は・・・!)
北極氷河(嘘を、つきたくなかった・・・!!)
生瀬涼子「ふ・・・」
生瀬涼子「ふふふふ・・・♡」
北極氷河「な、生瀬さん・・・!?」
生瀬涼子「あらあら・・・なんででしょうね・・・ 知らなかったはずなのに・・・」
生瀬涼子「前から、知っていたような・・・ そんな、不思議な感覚です・・・♡」
北極氷河「な、生瀬さん・・・!?」
北極氷河「そ、その、喋り方は・・・!?」
生瀬涼子「す、すみません・・・氷河くん・・・」
生瀬涼子「実は、これが私の本来の話し方でして・・・」
生瀬涼子「へ、変・・・ですか・・・?」
北極氷河「・・・・・・」
北極氷河「いえ・・・!」
北極氷河「とても・・・素敵です・・・!」

〇遊園地
  やっぱり俺は、恋が怖い・・・
  この先、生瀬さんと付き合えても・・・
  もしかしたら、フラれるかもしれない・・・
  この先、生瀬さんと付き合えても・・・
  たくさん、ケンカをするかもしれない・・・
  もしかしたら、もっともっと・・・
  大変なことが、あるかもしれない・・・
  でも、それはみんな同じ・・・
  俺達は、いろんな恐怖を抱えながら・・・
  ・・・・・・
  幸せに、生きていたい・・・

コメント

  • まずは完結おつかれさまでした!
    最終回、2人の可愛らしさにキュンキュンしながら頬が緩みっぱなしでした!
    これまで、2人の弱さや拙さ、それを克服しようとする過程を見ることができたので、観覧車のシーンでは涙腺が……
    素敵なお話をありがとうございました!

  • 大団円の最終回😭最後のお化け屋敷でちょっとだけ生霊さんの出番があったところにぐっときました…
    ざとういちさん、お話のクオリティを高く保ちつつ、執筆ペースも速いですね…いつも凄いな~と思いながら読ませて頂いてます。恋愛もコメディもバトルも面白かったです!完結おめでとうございます!

  • ざとういちさん✨
    まずは、完結お疲れさま&おめでとうございます~🎉
    すごいです!👏
    私は喧嘩をふっかけてくる奴らの思念も何か絡んでくるんじゃ?と思っていたので、読みが甘かった…😅
    ラスボス予想できてませんでした💦
    とにもかくにも最後は涼子ちゃんとハッピーエンド!
    良かった~😆
    私も完結目指して頑張ろうと思いました😊

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