あかりの旅

ペンのゆらぎ

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〇黒背景
  あかりの旅
  第一章 旅立ち
ケンタ「あかり、どこに行くの?」
  村の入り口で、あかりは弟のケンタに呼び止められた。
  ケンタは、あかりの後ろにある大きなリュックサックを見て、不安そうに尋ねた。
あかり「ちょっと、遠くに行ってみるだけだよ。心配しないで」
  あかりは、ケンタの頭をなでて、笑顔で答えた。
  あかりは、常に古い世界に魅了されており、
  かつての偉大な都市の廃墟を探索することを常に夢見ていた。
  ──彼女は自分の村の向こうの世界に何が残っているかを確認するために、
  自分で出発することにした。
ケンタ「でも、危ないんじゃないの?外の世界は、怖い生き物や悪い人がいるって聞いたよ」
  ケンタは、あかりの手を握って、引き止めようとした。
  ケンタは、まだ8歳で、外の世界を知らなかった。
  村で安全に暮らすことしか知らなかった。
あかり「大丈夫だって。私は強いんだから」
あかり「それに、このリュックサックには、食べ物や水や薬や道具や武器が入ってるんだよ。何があっても対処できるよ」
  あかりは、自信満々に言った。
  彼女は、旅立つ前に、村の長老から色々なものをもらっていた。
  長老は、あかりの旅を応援してくれていた。
  彼は、若い人々が外の世界を見てくることが大切だと言っていた。
ケンタ「でも、どうして行くの?ここにいれば幸せじゃないの?」
  ケンタは、涙ぐんで言った。
  
  あかりが大好きだった。
  彼女は、優しくて面白くて勇敢な姉だった。
  彼女がいなくなると思うと寂しかった。
あかり「ごめんね、ケンタ。私は行かなきゃだめなんだ。──私はこの世界がどうなってしまったのか、知りたい」
あかり「私は古い世界がどんな風だったのか知りたいし、私は新しい世界がどんな風になるのか知りたい」
  あかりは、真剣な表情で言った。
  彼女は、この世界が気候変動によって荒廃し、海面上昇によって多くの都市が水没し、
  残りわずかの人間が小さな孤立した共同体に住むようになったことを知っていた。
  彼女は、この世界がどうしてこうなったのか理解したかった。
ケンタ「わからないよ・・・・・・」
  ケンタは、首を振って言った。

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コメント

  • 現在住まう”既知”の世界から、”未知”の世界へと踏み出そうとする空気感がひしひしと伝わってきますね。あかりちゃんの旅に幸あらんことを願いたくなります

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