心層科学ファンタジー5次元少女

憮然野郎

カルマ わたしの名前を探す旅②(脚本)

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〇平屋の一戸建て
  後日、僕は職場に有休を貰い、
  おばさんの家の前で愛理栖と待ち合わせをした。
愛理栖「ごめんなさい。 準備で遅くなってしまって!」
ひかる「大丈夫。 長旅だし準備に手間取るのは仕方ないさ」
愛理栖「ありがとうございます」
愛理栖「それとですね~、 玄関前でさっきからこそこそ何をしてたんですか?」」
  愛理栖は焦った僕の顔を楽しみにしているかのような薄笑いを
  浮かべてそう言ってきた。
  僕が引き戸のこと気になってさっきから調べてたの
  気付かれてたか・・・・・・。
ひかる「あ! 帰り遅くなっても悪いしそろそろ出ようか」
愛理栖「ちょっと、 ひかるさん!」
  僕は不自然だとは思ったが、 無理やり話題をすり替えた。

〇古めかしい和室
  『おばさんちょっと~!
  勝手にどんどん話をすすめないでよ!』
  愛理栖が戻ってきた。
愛理栖の叔母さん「五色さんに聞いたよ。 あんたの本当の名前を探す手伝いで来てくれたらしいね」
愛理栖「そうなの。でも私なりに調べてみたけどさっぱり」
愛理栖の叔母さん「じゃああんた、 いっそのことお母さんに会ってきたら?」
愛理栖「ちょっと。それは・・・・・・」
  愛理栖は痛いところでも突かれたかのように、 とっさに否定した。
ひかる「僕が言うのもなんですが、 愛理栖さんがお母さんに今更会うのはつらいと思います」
愛理栖の叔母さん「そうだねぇ、 あたしも愛理栖は辛いと思うよ」
愛理栖の叔母さん「でもね、この娘の過去を知るには他に方法は無いんじゃない?」
  結局僕と愛理栖は他に方法が思い付かず、 おばさんの提案にのることにした。
  おばさんは愛理栖を引き取って以来、 愛理栖の母親の連絡先を消していて直接連絡は取れないという。
  おばさんは親戚に電話をして母親の住んでいる住所を調べてくれた。
ひかる「おばさん、親切にありがとうございます」
愛理栖の叔母さん「「いいさこれくらい」
愛理栖の叔母さん「それより呼び方。 おねえさんってこれから呼んでね」
ひかる「ほんとすみません!・・・・・・おねえさん」
愛理栖の叔母さん「いいさ半分冗談と思って。 愛理栖、 あんたもだよ!」
愛理栖「へ~い♪」
  僕は2人の微笑ましい会話に思わず笑ってしまった。

〇トラックのシート
愛理栖「立派な車ですね。 綺・・・・・・」
ひかる「お世辞なのバレバレだし。 アハハ」
  僕は笑いながらツッコミを入れた。
  僕の車は色がオーロラブルーでマツヤのアセロラだが、 彼女が絶句したのはきっと車内が綺麗に片付いていなかったからだろう。
  「住所はここか」
  僕はおば、 改めおねえさんに教えてもらった住所をナビに打ち込だ。
  そして、 まるで高校の入学式を控えた新一年生のような
  新鮮な気持ちで車のアクセルを踏んだ。
ひかる「愛理栖ちゃんはさ、どこの中学に通ってるの?」
  僕はとりあえず愛理栖になにか話題をふることにした。
  ・・・・・・
  し、しまった。
  さっきおばさんから愛理栖の過去を聞いたばかりなのに、 つい話題をふる癖で聞いてしまった・・・。
ひかる「話しにくいこと聞いてホントごめんね」
愛理栖「今は竹馬の中学に行ってます。 元気に通えているんで大丈夫ですよ♪」」
  愛理栖は僕に逆に気を遣うようにそう言ってくれた。
  僕は違う話題に変えることにした。
ひかる「ねえ、 愛理栖ちゃんはカラオケとか行く?」
愛理栖「行きますよ♪」
ひかる「じゃあさ、じゃあさ。 信濃の国、歌える?」
愛理栖「歌えません」
ひかる(あらら)
ひかる「・・・」
愛理栖「・・・」
ひかる「そうだ!何か音楽かけようか?」
  運転をはじめてからシ~ンと静まり返っていた空気を替ええたかったので、 僕は愛理栖に尋ねてみた。
愛理栖「私は特に大丈夫ですので、 ひかるさんが好きな曲でいいですよ」
  愛理栖は僕に遠慮してからか、 そう言ってくれた。
ひかる「じゃあ、ラジオかけるね」
愛理栖「はい」
  僕は愛理栖の同意ももらい、 ラジオをつけた。
  そしてFMで受信出来る周波数に合わせた。
  こうこうと照りつける太陽。
  ふわ~とした稲のにおい。
  セミ達の元気な歌声。
  窓の外をみると、 田舎の夏ののどかな景色がどこまでも続いている。
  車のラジオから流れていたのは、
  そんな景色にぴったり合いそうな曲だった。
  僕はすぐにピンときた。
ひかる「聞き覚えがあると思ったらあの曲か!」
愛理栖「のどかで綺麗な曲ですね」
愛理栖「あたしはこの曲初めて聞きますが、 ひかるさんは何の曲か知っているんですか?」
  僕のさっきの言葉が気になったのか、 愛理栖は聞いてきた。
ひかる「あ、え~とね~、ごめん、やっぱ忘れた?」
  僕は慌ててはぐらかしてしまった。
  愛理栖は、 不思議そうな目でこっちをみていた。
  もちろん本当は覚えている。
   ただ、年頃の女の子に、
  "旅の人形使いが海沿いの街で少女と出会ったり出会わなかったりする伝説の美少女18禁ゲーム"
  の話をふる勇気が僕には無かった。
  愛理栖に深く突っ込まれて聞かれるのは嫌なので、 僕は話題をそらすことにした。
ひかる「「ところで愛理栖? 一つ聞きたかったことがあるんだけど、 今聞いて大丈夫?」
  僕はどうしてもあの名刺に書いている事が気になったので愛理栖に聞いてみることにした。
愛理栖「いいですよ。 どんなことですか?」
ひかる「『宇宙の秘密を探す会』って何をするの?」
愛理栖「それはですね、仲間を・・・・・・」
  僕が愛理栖に質問して、 愛理栖が答えようとして口を開いたまさにその瞬間だった。
  僕は、 強烈な目眩と強制的で説明不可能な何か特別な力によって、
   まるでブレーカーが落ちたかのように一瞬意識が飛んだ。

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