ヴィルペイン

ウロジ太郎

Ep.12 / THE ELUSIVE NIGHT WATCH #12(脚本)

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〇未来都市
  3日後

〇大きい研究施設
  郊外 ゼニス総合研究所
  ウィーン
  研究所内は、殺気立ったゼニス社員や、ゼニス兵たちでごったがえしていた。
ゼニス兵「なるほど、状況はわかった」
ゼニス兵「クソ、またナイトウォッチか」
ゼニス兵「あぁ。機密情報を盗んでから、こいつらを殴り倒して行方をくらましたらしい」
ゼニス兵「この研究所、表にゃ出せない機密の塊だって噂だよな。まずくないか」
  そのとき、ゼニス兵たちの目の前に真っ赤なウィンドウが立ち上がる。
  「緊急命令」
ゼニス兵「なんだ、なんだ!?」
ゼニス兵「ゼニス日本支部、世渡刃(せと・じん)副支部長からだ」
ゼニス兵「今夜は彼が直接、俺たちの指揮を執るらしい」
ゼニス兵「非合法部門のトップが、じきじきにおでましかよ。本気だな」
ゼニス兵「作戦概要・・・確認。 作戦名“フォックス・ハント(獣狩り)”」
ゼニス兵「どうやら、ナイトウォッチの尻尾を掴んだらしい」
ゼニス兵「俺たち全員に動員がかかった。 行くぞ」
ゼニス兵「おぉ。野郎を蜂の巣にしてやる」

〇屋上の隅
チンピラ「うるせぇ、ぶっとばしてやる!」
ナイトウォッチ「あーもう!」
  僕の拳が、チンピラのアゴにクリーンヒット。
チンピラ「ふぐ!? ううう・・・」
  チンピラは意識を刈り取られ、昏倒する。
ナイトウォッチ「だから話し合おうって」
  ちーちゃんがウィンドウを操作する。
  すると、チンピラがつけているサングラス型のAR端末が淡く光った。
根須戸智是「端末をハッキング。 バイタルは・・・OK。ちゃんと気絶してる」
ナイトウォッチ「お姉さん。もう安心です」
ナイトウォッチ「この正義のヒーロー、ナイトウォッチが──」
女性「きゃあっ! 近寄らないで!!」
ナイトウォッチ「なぜ・・・」
根須戸智是「目の前でチンピラと不審者のケンカが始まったら、私だって怖いわよ」
ナイトウォッチ「マジか」
根須戸智是「マジで。・・・あ。ちょっと待って」
  ちーちゃんの操作するウィンドウが赤く光り、警告音を発した。
根須戸智是「このチンピラ! "ここで人を襲う"ように、ゼニスに雇われてる!」
ナイトウォッチ「は? え? それって?」
根須戸智是「イッツ・ア・トラップ! って奴!」
  そのとき物陰から、白い装甲服の兵士たちがぞろぞろと現れた。
  その胸には「ZENITH」のマーク。
ナイトウォッチ「ゼニスの私兵!」
根須戸智是「あいつら、電子機器の電源切ってる!」
根須戸智是「気づけなかった! 逃走経路を、今・・・」
  ゼニス兵たちは間髪入れず、銃を乱射した。
  無数の銃弾が、僕の身体に着弾する。
ナイトウォッチ「ぎゃうっ!?」
  激しい衝撃と激痛!
  僕はよろけ、錆びた手すりに激突した。
  手すりはその衝撃で、ぽっきり折れる。
  支えを失った僕の身体は、そのままバランスを崩して──
根須戸智是「!?」
  ──屋上から真っ逆さまに、落下した。

ナイトウォッチ「うわぁああ~~っ!?」
  真下には、暗い路地裏と固いコンクリート。
  ・・・まず、助からない。
  その瞬間、僕の背中に仕込まれたガジェットが起動した。
  ボウンッ という爆発音と共に、巨大なエアバッグが展開する。
  僕の身体はエアバッグに包まれて、気の抜けた音と共に着地した。

〇殺人現場
  気づいたとき、僕は路地裏で白いガスに包まれて大の字に伸びていた。
ナイトウォッチ「・・・た、助かった?」
  ちーちゃんが僕のバイタルを見ながら、ほっと安堵の息をついた。
根須戸智是「良かった。 銃弾は・・・通電硬化ジェルで弾いてる」
根須戸智是「サポートAI、良い仕事! ありがとう!」
  僕はよろよろと立ちあがった。
ナイトウォッチ「う、うげぇ。でも、めちゃ痛いんですが。 ・・・吐きそう」
根須戸智是「ごめん。打撲は仕方ないの。 あと、すぐ移動して。煙幕が晴れちゃう」
ナイトウォッチ「ううっ。わかった」
  僕はガスの中を走りだす。
  ガスが徐々に薄くなっていく・・・と、目の前に人影があることに気がついた。
ナイトウォッチ「・・・!?」
  そこには日本刀を構えた、白いスーツの男が立っていた。
  その背後には、2名のゼニス兵がいる。
世渡刃「よぉ、偽者ヒーロー」
根須戸智是「世渡・・・刃!?」
ナイトウォッチ「・・・!? あいつ!?」
  突然の頭痛が僕を襲った。


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