私って

L-eye

俺と共に(脚本)

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〇アパートのダイニング
  単刀直入に言う。私の部下を、止めてくれないか
由加「・・・・・・」
由加「ごめん、どういう事?」
  君も知っての通り、私には4人の部下がいる。君の元に現れた2人は、全て私の指示の上で行動している
  だが──中には指示を聞かない者も居てな
  そこでだ。君には暴走している私の部下を止めてもらいたい
由加「犬の躾も出来ない飼い主なの?」
  ・・・従順な犬は我孫子だけだ
  それに、その部下の暴走は君に向かいつつある。君の足止め任務に関しては、全員に指示を出しているからな
由加「『足止め任務』だったんだ。それにしては、皆攻撃が激しかったけど」
  足止めの方法が時間稼ぎだけだと思っていたか?認識が甘いな、伊吹由加
  戦の基本は、『殺られる前に殺れ』だ
  ダラダラと戦闘を長引かせるよりも、初めから全力の一撃を浴びせ戦闘不能へと追いやれば、足は止まる。私は部下にそう教えている
由加「・・・そう」
  だから君も、アイツの足止めをしてくれないか。無論、殺られる前に殺るも良い
由加「あんたが足止めすれば?」
  言っただろう、私は君を倒す準備で忙しいんだ
  それに
  君が会おうとしてる者が、わざわざ此方から会いに行っている。そう考えれば、私の頼みを引き受けてもお互いにメリットがある
  違うかね?
由加「・・・・・・・・・」

〇荒廃したセンター街
由加「言われた通りの場所だけど・・・」
由加「随分と荒廃してる。こんな場所に呼び出して、一体なんだろう──」
由加「・・・・・・・・・」
???「・・・・・・・・・」
由加「・・・・・・・・・」
???「・・・・・・・・・・・・」
由加「何だったの・・・?」
???「おおおおおおおおおい!」
由加「・・・・・・・・・?」
由加「次は、何・・・?」
???「うおおおおおおおおい!聞こえねえのか!」
由加「・・・」
由加「あ」
由加「これは・・・人間?」
???「てめぇだ、てめぇ!俺が見えてねえのかあ!」
由加「・・・あ、どうも」
???「「どうも」じゃねえ!」
???「これから殺られるってのに、呑気なもんだなあ伊吹由加!」
由加「あ。もしかして、ボスの手下・・・?」
???「ようやく理解したか」
ガンディ「俺の名はガンディ・フォン・サムデレリ。貴様を倒す為の第三の刺客だ」
由加「そう。なら、話は早いね」
ガンディ「ハッハッハッ!!!好戦的なのは良い事だ。俺も殺し甲斐がある」
ガンディ「だが、まだ早え」
由加「?」
ガンディ「俺はな、何でお前がここに来たかも知ってんだ」
由加「そう。なら尚更戦うべきじゃないの?」
ガンディ「まあ聞け」
ガンディ「俺の目的は、強者と戦う事だ。強者と戦う為なら、どんな労力も厭わん」
ガンディ「3年ほど前の事だ。俺はボスに『強い奴がいる』と吹き込まれてな・・・慣れない飛行機を使い、ブラジルまで飛び立ったんだ──」

〇アマゾン川のほとり
ガンディ「そこに強者を名乗る者が俺の前に立った」
ガンディ「俺はソイツを一撃でぶちのめした」
ガンディ「こんなもんかと落胆していた俺は、ふと敗れたソイツから出た小さな魔力を感じ取った」
ガンディ「それは紛れもなくヤツの魔力だった──」

〇荒廃したセンター街
ガンディ「こんな事は一度や二度じゃねぇ。ある時はそこには強者どころか人の気配もない閑散とした街に呼び出され」
ガンディ「またある時はそこに居る全員が強者を名乗る地獄だった」
由加「・・・」
ガンディ「こんな状況を作り上げたのは、ヤツ以外に居ねぇ」
由加「『ヤツ』って・・・」
ガンディ「ボスに決まってんだろ!全て・・・全てアイツの自作自演に過ぎなかったんだ!俺が求めた強者などそうそう居る筈もなかった!」
ガンディ「俺は騙された。そう気付いたその日から、俺はアイツの命令に従うのをやめたんだ」
由加「従ってない割には、ボスの手下は続けてるんだね」
ガンディ「最初は辞めてやろうとも思ったがな」
ガンディ「だが俺にとっちゃ、アイツの部下という立場は理想的な環境だった。好き放題暴れられる上、稀に真の強者と戦う機会も得られる」
ガンディ「・・・今のようにな」
由加「・・・・・・」
ガンディ「だが──今の俺はもっと面白い事を思い付いている」
ガンディ「伊吹由加──俺と共に、『ボス』を倒さないか?」
由加「・・・・・・・・・・・・」
由加「え?」

次のエピソード:覚悟は良いか

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