エピソード1 怪物の記憶(脚本)
〇ツタの絡まった倉庫
ルドルフ(ここに来ると思い出しちまう・・・)
ルドルフ(俺がまだ「武器の怪物」だった頃・・・)
20年前──
〇ボロい倉庫の中
ルドルフ「おやおや? 皆さんお揃いで・・・」
ルドルフ「あーあ、会話もできないとはね・・・」
取引先の男「なっ、なんで当たらねえんだ!? あいつ・・・なんなんだ・・・」
取引先の男「ひっ、来るな! 撃て! 撃て!」
取引先の男(こ、これは・・・ 狙っても当たらない んじゃねえ・・・)
取引先の男(まるで、弾そのものがアイツを避けてるみてえだ・・・ 不気味な力を使いやがる・・・化け物め)
ルドルフ「お取り引き様さんよう〜」
ルドルフ「俺の武器使う前に金払ってくれよ」
取引先の男「お、お前みたいな得体のしれない化け物に払う金なんてねえ!」
ルドルフ「なんだと? 死にてえのか?」
取引先の男「うわああああああ!」
ルドルフ「もっと話し合えば良かったって後悔しても、もう遅えぞ」
取引先の男「た、頼む! やめてくれ・・・ この話は無かった事に──」
ルドルフ「ほーん・・・そうか・・・」
ルドルフ「そんじゃ、無かった事にしてやるか・・・」
取引先の男(はあ、助かった・・・)
ルドルフ「言っておくが、お前ごと消して無かった事にするって意味だぞ?」
取引先の男「なっ・・・」
ルドルフ(最近こんなことばかりだ・・・ 全く売れねえ・・・)
〇黒
ルドルフ(まーた、殺っちまったなあ・・・)
ルドルフ(いや、こう考えようぜ 俺が普通の人間だったら死んでたし、あいつらも俺を殺す気だった)
ルドルフ(だから俺は悪くねえ!)
ルドルフ(悪くねえ、のか?)
ルドルフの回想──
取引先の男「お、お前みたいな得体のしれない化け物に払う金なんてねえ!」
ルドルフ(化け物か・・・確かに、そうだな・・・)
〇ジャズバー
ルドルフ(はあ・・・)
ギル「よう、ルドルフ・・・」
ルドルフ「ギル・・・久しぶりだな」
ギル「最近なんか、荒れてねえかお前・・・」
ルドルフ「ああ、うまく行かなくてな・・・」
ギル「武器なんて売って、お前はどうしたいんだよ」
ルドルフ「逆に、何したらいいか分かんねえから武器商人やってんだよ・・・」
ルドルフ「俺の特技? 武器を作ること! 何かをぶっ壊すこと! それしかねえ!」
ルドルフ「こんな俺に何ができる? 人を助ける? 何かを守る? 傷つけることしかできないだろうがよ!」
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擬人種!? この設定には興味をそそられました! 刹那的なハードボイルド感も漂うルドルフですが、ここから恋愛展開も?楽しみです!