第5話 エルヴィスの沈黙【前編】(脚本)
〇荒野
ロブ・テイラー
ここに眠る
霧生華清(きりゅうかせい)「ご家族は?」
キース・フォスター「いないよ」
霧生華清(きりゅうかせい)「ご両親も?」
キース・フォスター「昔語りは嫌いだよ」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分はロブさんのことを知りたいんです」
霧生華清(きりゅうかせい)「まだ何も、知らないので・・・」
キース・フォスター「母親は幼い頃に亡くなったらしい」
キース・フォスター「娼婦をやってたみたいでな」
キース・フォスター「父親はわからないとさ」
霧生華清(きりゅうかせい)「キースさんが家族代わりだったんですね」
キース・フォスター「よしてくれ」
キース・フォスター「あいつは自分の足で歩いていたよ」
キース・フォスター「俺は茶々を入れただけ」
〇砂漠の基地
店主「ドロボォォォーッ!!」
ロブ・テイラー「いひひ、ラクショー」
ロブ・テイラー「うおっ!」
キース・フォスター「すまない、よそ見していた」
店主「こいつ! イイもんばっか狙いやがって!」
店主「どうしてくれようかッ!」
ロブ・テイラー「シット!」
キース・フォスター「確かに目がイイみたいだな」
キース・フォスター「いくらだ?」
店主「ああ?」
店主「こんなに受け取れないよ!」
キース・フォスター「使い道は任せるよ」
店主「参ったな~!」
〇中東の街
霧生華清(きりゅうかせい)「今まで、ありがとうございました」
キース・フォスター「お役御免か」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分は空回りしていました」
霧生華清(きりゅうかせい)「情けは人の為ならず」
霧生華清(きりゅうかせい)「世の中は善意で循環するものだと 信じていました」
霧生華清(きりゅうかせい)「為すべきことさえ為せばいい、と」
キース・フォスター「ロブは自分の意志でついてきたんだ」
キース・フォスター「あんたが気に病むことじゃない」
霧生華清(きりゅうかせい)「国に帰ります」
キース・フォスター「奴らに捕まるぞ?」
霧生華清(きりゅうかせい)「その時には──」
キース・フォスター「キリュー」
キース・フォスター「俺には俺の為すべきことがある」
キース・フォスター「それにはあんたが必要なんだ」
霧生華清(きりゅうかせい)「違います」
霧生華清(きりゅうかせい)「古代パラディス人の血筋が必要なんです」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分ではありません」
キース・フォスター「同じだよ」
霧生華清(きりゅうかせい)「それなら──」
霧生華清(きりゅうかせい)「殺してでも引き留めればいい」
キース・フォスター「何だと?」
霧生華清(きりゅうかせい)「そのほうがいい」
霧生華清(きりゅうかせい)「遺志を託すほうが──」
キース・フォスター「あんたの爺さんは臆病者だったのか?」
キース・フォスター「使命を押しつけるような人間だったのか?」
霧生華清(きりゅうかせい)「違います」
霧生華清(きりゅうかせい)「ですが──祖父はキースさんに託しました」
キース・フォスター「キリュー」
霧生華清(きりゅうかせい)「少し休むだけです」
霧生華清(きりゅうかせい)「おやすみなさい」
キース・フォスター「俺に託した、か」
〇空
たまったもんじゃないよ
〇英国風の部屋
ウェイトレス「あら、浮かない顔ね」
ウェイトレス「イケない人」
キース・フォスター「返してくれ」
ウェイトレス「大事なもの?」
ウェイトレス「今、この瞬間よりも」
為すべきことを為すため、です
キースさんは信用に足る人ですから
もう縁があります
自分が必ず守ります
ウェイトレス「残念」
ウェイトレス「思い出のほうが大事なのね」
キース・フォスター「いいや」
キース・フォスター「こいつは──意地だよ」
〇黒
霧生華清(きりゅうかせい)(意地なんて)
霧生華清(きりゅうかせい)(そんなもの)
華清(かせい)
決して私たちの後を追ってはなりません
あの人は──それを望みません
霧生華清(きりゅうかせい)(でも)
霧生華清(きりゅうかせい)(それでも──)
〇中東の街
キース・フォスター「月光浴には遅くないか?」
霧生華清(きりゅうかせい)「キースさん」
霧生華清(きりゅうかせい)「・・・日課ですので」
キース・フォスター「奇遇だね」
キース・フォスター「同じ方向だ」
キース・フォスター「乗っていくかい?」
〇荒野
キース・フォスター「いい車だろう?」
霧生華清(きりゅうかせい)「は、はい!」
キース・フォスター「邪魔したね」
霧生華清(きりゅうかせい)「申し訳ありません!」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分もいい車だと思います」
キース・フォスター「念願叶って買ったらしい」
霧生華清(きりゅうかせい)「夢だったんですか」
キース・フォスター「あんたにはあるか?」
霧生華清(きりゅうかせい)「夢ですか?」
キース・フォスター「喉から手が出るほど欲しいもの」
霧生華清(きりゅうかせい)「欲しいもの・・・ですか」
「失くしたもの、全部・・・」
キース・フォスター「子供だね」
〇草原の道
アドルフ・フォスター大佐「あいつら」
アドルフ・フォスター大佐「懲りもせずにまァ」
部下「どうされました?」
アドルフ・フォスター大佐「ん? ああ」
アドルフ・フォスター大佐「こんな夜には1杯やりたいねェ、ってな」
部下「真面目に見張ってください!」
部下「司令官直々の命令なんですから!」
アドルフ・フォスター大佐「はいはい」
部下「『はい』は一回!」
アドルフ・フォスター大佐「はーい」
アドルフ・フォスター大佐「ちゃんと見張ってるよ」
アドルフ・フォスター大佐「両方とも、ね」
〇森の中
霧生華清(きりゅうかせい)「この森のどこかに遺物があるみたいです」
キース・フォスター「目星はついてるよ」
霧生華清(きりゅうかせい)「なら、さっさと済ませましょう」
キース・フォスター「気を張り過ぎるなよ」
キース・フォスター「死に急いでるみたいだぜ?」
霧生華清(きりゅうかせい)「・・・それで『目星』というのは?」
〇けもの道
パラディス島の自然環境は特殊でね
砂漠も、荒野も、密林も、雪原もある
世界中の気候を味わえる珍妙な島なのさ
その影響かわからないがね
数百年か数千年か
枯れずに生き続けている万年樹がある
〇大樹の下
キース・フォスター「人呼んで『永年樹(えいねんじゅ)』」
キース・フォスター「眉唾ものだと思っていたが」
キース・フォスター「遺物だと考えれば不思議じゃない」
霧生華清(きりゅうかせい)「『永年樹(えいねんじゅ)』ですか」
キース・フォスター「根元に触れてみな」
霧生華清(きりゅうかせい)「根元、ですか?」
キース・フォスター「境界線が見えるだろう?」
キース・フォスター「日焼けの差が、ね」
霧生華清(きりゅうかせい)「ここですか」
霧生華清(きりゅうかせい)「木がせり上がって入り口が・・・!」
キース・フォスター「大当たり」
霧生華清(きりゅうかせい)「祖父がキースさんに託した理由」
霧生華清(きりゅうかせい)「嫌というほどわかります」
霧生華清(きりゅうかせい)「冷静な判断力と突き抜けた洞察力」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分には無いものを多くもっています」
キース・フォスター「俺にはよくわからないね」
霧生華清(きりゅうかせい)「皮肉でしょうか?」
キース・フォスター「事実だよ」
キース・フォスター「ずば抜けた反射神経と高い身体能力」
キース・フォスター「俺には無いその力で何度も窮地を救って くれたじゃないか」
キース・フォスター「あんたのおかげで俺は今生きている」
キース・フォスター「違うかい?」
霧生華清(きりゅうかせい)「それは・・・」
霧生華清(きりゅうかせい)「やはり皮肉じゃないですか」
キース・フォスター「あんたが何を気にしているか知らないが」
キース・フォスター「俺が必要だと言ったんだ」
キース・フォスター「大人しく口説かれちゃくれないか?」
霧生華清(きりゅうかせい)「考える時間をください」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分は・・・もう何も失いたくないんです」
キース・フォスター「いくらでも悩めばいい」
〇空
夜明けを待つには暇過ぎるからね
〇草原の道
アドルフ・フォスター大佐「ふわ〜あ」
アドルフ・フォスター大佐「暇だねェ」
アドルフ・フォスター大佐「ポーカーでもやるか!」
部下「いいですね!」
部下「大佐の心臓(ハート)に右ストレートを ぶち込みましょう!」
アドルフ・フォスター大佐「ノーハンドでよろしく」
ハロルド・ムーア少尉「フォスター大佐」
アドルフ・フォスター大佐「よォ、元気そうだね」
ハロルド・ムーア少尉「そう見えますか?」
アドルフ・フォスター大佐「カリカリしなさんな」
アドルフ・フォスター大佐「ケイレブは司令官のお小言程度じゃあ へこたれねェよ」
ハロルド・ムーア少尉「それは貴方が──!」
ハロルド・ムーア少尉「・・・いえ、やめましょう」
ハロルド・ムーア少尉「キース・フォスターが行方を晦ましました」
ハロルド・ムーア少尉「何かご存知ですか?」
アドルフ・フォスター大佐「あー、確か散歩の習慣が──」
ハロルド・ムーア少尉「もう小細工は使いません」
アドルフ・フォスター大佐「民間人に手を出すってのか?」
アドルフ・フォスター大佐「軍人のやることかねェ」
ハロルド・ムーア少尉「軍人だからこそ、です」
アドルフ・フォスター大佐「守るために侵す、って?」
アドルフ・フォスター大佐「15年前から何も学んじゃいないねェ」
アドルフ・フォスター大佐「お前もそう思うだろう?」
〇秘密基地のモニタールーム
霧生華清(きりゅうかせい)「ここが『入り口』ですか?」
霧生華清(きりゅうかせい)「今までと雰囲気が違います」
キース・フォスター「マヤ、ケイラ、ウィルフレッド」
キース・フォスター「今まで内部構造が似通っていたほうが 異質だったのかもな」
霧生華清(きりゅうかせい)「起動しても?」
キース・フォスター「頼む」
〇秘密基地のモニタールーム
霧生華清(きりゅうかせい)「『我は門番 汝の記憶が鍵とならん』」
キース・フォスター「3つの扉と『門番』ね」
キース・フォスター「正解は1つといったところか」
霧生華清(きりゅうかせい)「手当たり次第に行きましょう」
キース・フォスター「待ちな」
霧生華清(きりゅうかせい)「何を──」
霧生華清(きりゅうかせい)「罠、ですか」
キース・フォスター「巻き添えは御免だよ」
霧生華清(きりゅうかせい)「では離れていてください」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分ひとりで確かめます」
霧生華清(きりゅうかせい)「腕の1本でも残っていれば」
霧生華清(きりゅうかせい)「役割を果たせます」
キース・フォスター「そうだな」
キース・フォスター「だが──」
キース・フォスター「あいにく俺は欲張りでね」
キース・フォスター「腕1本じゃ満足できないのさ」
霧生華清(きりゅうかせい)「どうして・・・」
キース・フォスター「ここに至るまでに出会った門と言えば?」
霧生華清(きりゅうかせい)「え?」
霧生華清(きりゅうかせい)「永年樹の入り口、です」
キース・フォスター「俺たちの記憶が鍵であるなら」
キース・フォスター「同じ門を通ればいい」
キース・フォスター「入り口は永年樹の根元にあった」
キース・フォスター「この画面が門番と言うのなら」
〇地下に続く階段
霧生華清(きりゅうかせい)「画面自体が隠し通路に・・・?」
キース・フォスター「自棄(やけ)になるには若過ぎるよ」
霧生華清(きりゅうかせい)「自棄ではなく、これは・・・」
〇魔物の巣窟
キース・フォスター「イイ雰囲気だね」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分には気味が悪いように思えます」
キース・フォスター「奇遇だね」
キース・フォスター「同意見だ」
霧生華清(きりゅうかせい)「参りましょう」
万能記録領域【エルヴィス】
如何なる景色、音声、事象を記録せん
霧生華清(きりゅうかせい)「記録装置のようです」
キース・フォスター「ほら」
キース・フォスター「あんたがいなきゃダメじゃないか」
霧生華清(きりゅうかせい)「文字なんて他の誰でも読めます」
キース・フォスター「俺にはあんたしかいない」
霧生華清(きりゅうかせい)「屁理屈です」
霧生華清(きりゅうかせい)「この機構は自然エネルギーを利用しているようです」
キース・フォスター「星に優しいね」
霧生華清(きりゅうかせい)「記録媒体なので可用性を考慮したようです」
キース・フォスター「ごもっともだ」
霧生華清(きりゅうかせい)「低負荷なので省エネルギーなようです」
キース・フォスター「読むのが早いな」
霧生華清(きりゅうかせい)「横溝正史が好きなんです」
キース・フォスター「誰だ?」
霧生華清(きりゅうかせい)「コナン・ドイルのようなものです」
キース・フォスター「興味深いね」
キース・フォスター「俺はあんたのこと、何も知らないな」
霧生華清(きりゅうかせい)「ゆっくり話す時間もありませんでしたから」
霧生華清(きりゅうかせい)「試しに何か調べますか?」
キース・フォスター「そうだな」
キース・フォスター「霧生華清という男について教えてくれ」
霧生華清(きりゅうかせい)「ご自身の過去は語りたがらないのに」
霧生華清(きりゅうかせい)「他人(ひと)の昔語りは許せるんですか?」
キース・フォスター「他人(たにん)じゃなければ、ね」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分は──」
【エルヴィス】「検索完了シマシタ」
キース・フォスター「何!?」
【エルヴィス】「霧生華清(キリュウカセイ)」
【エルヴィス】「1955年8月8日生マレ 満20歳」
キース・フォスター「止めてくれ!」
霧生華清(きりゅうかせい)「いえ」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分は口下手ですので」
霧生華清(きりゅうかせい)「つまらない身の上話ですが」
〇海辺
15年前
祖父「母さんにパラディス島への帰国勧告が 出ている」
祖父「この国は危険だ」
祖父「避難しよう」
母親「私はあの人の帰りを待ちます」
祖父「だが──!」
母親「華清をよろしくお願いします」
母親「お父様」
〇漁船の上
お父さんとお母さんにはまた会えるの
でしょうか?
祖父「戦争が終われば、必ず会える」
どうして戦争なんてものがあるんですか?
祖父「過ぎたる技術は滅びを招く」
祖父「人は『手段』を手にしてしまったのだよ」
祖父「『目的(よく)』を満たすための『力』を」
それなら、自分の欲を満たす『手段』は
ありますか?
祖父「あるよ」
祖父「必ず見つけ出す」
〇草原
3か月後
祖父「パラディス条約が締結された」
祖父「祖国へ帰ろう」
お父さんとお母さんにまた会えますか?
祖父「二人は──」
〇神社の本殿
僧侶「この度はご愁傷様です」
祖父「二人が選んだことです」
祖父「あの世で息子の無事を喜んでいるでしょう」
〇黒
ひとつ、失った
〇道場
祖父「華清」
祖父「強く在りなさい」
はい
必ずやお祖父さんを超えてみせます
祖父「力だけではない」
祖父「芯の強さを極めるのだ」
祖父「何者にも侵されない強さを──」
門下生「先生!」
門下生「奥様が!」
〇黒
またひとつ、失った
〇墓石
13年後
お祖母さん
本日、道場を継ぎました
目指すべきものを失ってしまいました
ふと
夢を見るんです
お祖父さんが居なくなってしまう夢を
お祖父さんまで居なくなってしまったら
自分は
自分は何を恨めばいいですか?
〇道場
2年後
祖父「華清」
祖父「誰も恨んではいけないよ」
祖父「蔑んでもならない」
祖父「支配は憎しみを生み」
祖父「妬み、嫉みは、いさかいを生む」
祖父「今日はめでたい日だ」
祖父「こうしてお前と盃を交わせること」
祖父「喜ばしく思う」
祖父「成人、おめでとう」
祖父「お前はもう、私を超えているよ」
〇実家の居間
お祖父さん?
為すべきことを為す
為すべきこと?
お祖父さん、一体どこに──
〇実家の居間
事故、ですか
はい
パラディス島?
はい
はい
いえ、遠縁の家がありますので
現地で弔います
〇黒
お祖父さんは強い
そう易々と亡くなるはずがない
〇警察署の霊安室
はい
祖父で間違いありません
〇黒
またひとつ
〇レンガ造りの家
祖父より、何かあれば頼るように
言われていたんです
とても聡明で皆から好かれている方だと
既に亡くなっている?
そう・・・ですか
〇黒
また
〇空
皆、居なくなってしまった
自分にはもう、何も残されていない
為すべきことを為す
いや、まだ残っている
この島で過ごした3か月間
お祖父さんは様々な場所へと連れ出して
くれた
そこにきっとお祖父さんの使命がある
お祖父さんの軌跡を辿ろう
為すべきことを為すために──
〇魔物の巣窟
キース・フォスター「あんたは・・・ひとりなのか」
霧生華清(きりゅうかせい)「この時世、珍しいことではありません」
霧生華清(きりゅうかせい)「むしろ、自分は恵まれています」
霧生華清(きりゅうかせい)「お祖父さんが居ましたから」
キース・フォスター「キリュー」
キース・フォスター「俺は昔語りが嫌いだよ」
キース・フォスター「堪える姿なんて見ちゃいられないからだ」
霧生華清(きりゅうかせい)「キースさん」
キース・フォスター「他人の気持ちなんてわからない」
キース・フォスター「かけるべき言葉もわからない」
キース・フォスター「だから、聞きたくもないし話したくもない」
キース・フォスター「だがね──今なら、わかるよ」
〇黒
あんたは──寂しかったんだな
〇海辺
母親「華清」
父親「華清」
祖父「華清」
〇魔物の巣窟
霧生華清(きりゅうかせい)「自分は、寂しくなんて・・・!」
霧生華清(きりゅうかせい)「そんな弱い人間では・・・!」
キース・フォスター「キリュー」
キース・フォスター「仮に寂しくなかったとしたら」
キース・フォスター「あんたは強い人間なんかじゃない」
キース・フォスター「冷たい人間だよ」
霧生華清(きりゅうかせい)「キースさん・・・」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分は・・・嘘をつきました」
霧生華清(きりゅうかせい)「こうして祖父の軌跡を辿っているのは」
霧生華清(きりゅうかせい)「ひとりであることを実感したくないから」
霧生華清(きりゅうかせい)「為すべきことなんて・・・口実なんです」
霧生華清(きりゅうかせい)「本当は・・・寂しくて、仕方がないんです」
霧生華清(きりゅうかせい)「もしお祖父さんが生きているのなら」
霧生華清(きりゅうかせい)「自分はもう一度、お祖父さんに会いたい」
霧生華清(きりゅうかせい)「それだけなんです・・・!」
キース・フォスター「会えるよ」
キース・フォスター「俺と一緒にいれば」
霧生華清(きりゅうかせい)「ですが、祖父はキースさんに託しました」
霧生華清(きりゅうかせい)「過去を取り戻してほしい、と」
霧生華清(きりゅうかせい)「キースさんもすがってほしくないと──」
キース・フォスター「俺があんたにオーダーしているんだ」
キース・フォスター「一緒に来てくれ、と」
キース・フォスター「あんたじゃなきゃダメだ、と」
キース・フォスター「引き受けてくれるかい?」
霧生華清(きりゅうかせい)「はい──どこまでも」
キース・フォスター「改めてよろしく頼むよ、キリュー」
霧生華清(きりゅうかせい)「よろしくお願いします、キースさん!」
キース・フォスター「とは言え」
キース・フォスター「依頼人があんたの爺さんかわからないがね」
霧生華清(きりゅうかせい)「指輪だけが頼り、ですか」
キース・フォスター「もうひとつある」
霧生華清(きりゅうかせい)「【エルヴィス】ですか」
霧生華清(きりゅうかせい)「実は自分も気になることがあるんです」
〇草原
どうしてパラディス島にいた頃の記録が
ほとんどないのか
〇魔物の巣窟
霧生華清(きりゅうかせい)「パラディス島に滞在した3か月間」
霧生華清(きりゅうかせい)「語り尽くせない出来事がありました」
キース・フォスター「俺も気になっていた」
〇海辺
何故あんたの爺さんだけモヤが
かかっているのか
〇魔物の巣窟
霧生華清(きりゅうかせい)「パラディス島、遺物、そして祖父」
霧生華清(きりゅうかせい)「祖父は遺物の謎に関わっている・・・?」
キース・フォスター「【エルヴィス】」
キース・フォスター「キリューの爺さんについて教えてくれ」
【エルヴィス】「検索完了シマシタ」
【エルヴィス】「ソノ情報ハ ロック サレテイマス」
霧生華清(きりゅうかせい)「な・・・!」
キース・フォスター「何だと・・・!?」
ロブのお墓がはっきり映されたことで本当に亡くなってしまったんだなと悲しくなりました😭
冷静なようで暴走しがちなキリューは幼い頃に両親を亡くしたことで精神的に大人になりきれていないように感じました 家族を失った寂しさに囚われ続けていると言いますか🤔
お爺さんがキースに託したのももしかしたらキリューに危ない目にあって欲しくなかったのかな…?
ともかく新しい謎が出てきて次回が楽しみです!
いやーいい!いいですよー!全体に流れるこの大人な雰囲気にキースの全てを見通してる口調に酔わされます🥴
今回の一番好きな所は華清の回想シーン。
消えて取り残されていく姿を丁寧に書かれていて、ズシンと心に響きました🥲
キースと華清は今回のことでより深い絆がうまれましたね!後編も楽しみにしています!