レイベルの話を聞いてあげる会(脚本)
〇シックなバー
ルドルフ「いやー、お前さんが生きているなんて驚いたよ・・・」
ルドルフ「ロケラン4発もお見舞いしたのに・・・ とんでもない再生能力だな・・・」
ルドルフ「さすが、邪神様」
レイベル「喧嘩売ってるの?」
ルドルフ「そんなつもりはない」
レイベル「俺、邪神呼ばわりされるの、けっこう嫌だよ・・・」
ルドルフ「・・・それは悪かったな」
レイベル「はあ・・・」
エリー「なに二人共、辛気臭い顔して・・・ ほら、貸し切りなんだから何飲む?」
ルドルフ「エリー姉さん今日はどうもありがとうございます」
レイベル「あの、俺こういう場所初めてで・・・ どうも落ち着かない、というか・・・ その・・・」
ルドルフ「こら、逃げるな」
ルドルフはそそくさと帰ろうとするレイベルの蛇の尻尾を掴んだ。
レイベル「ひゃあっ・・・」
ルドルフ「今日はお前さんの為に集まったんだぞ」
レイベル「いや、頼んでないし・・・放してよ!」
エリー「レイベル、さっきも言ったけど貸し切りなの・・・誰かさんの為にね」
レイベル「あっ・・・えーと ごめん、ありがとう・・・」
エリー「フィアーノちゃんのことなら大丈夫よ リリーネのところでパンケーキ食べてるはずだから」
ルドルフ「そりゃあ良い」
ルドルフ「まあ、そんな緊張しなくていいって ロケラン撃ったこともグレラン撃ったことも謝るから!」
レイベル「もう気にしてないよ・・・あの後いろんな事があったし・・・」
〇シックなバー
エリー「はい、どうぞ」
ルドルフ「ありがとさん」
エリー「レイベル、遠慮しないでなんでも話していいのよ」
エリー「こういう場所のほうが話しやすいって事もあるでしょう?」
レイベル「そんな急に言われても・・・」
ルドルフ「ほら、ちょっと飲んでみな」
レイベル「美味しい・・・! もっとちょうだい!」
エリー「ルドルフ、何やってんのよ!」
ルドルフ「いや、イッキ飲みするとは思わなかった・・・」
エリー「レイベルもジュースじゃないんだから危険なことしちゃダメよ」
レイベル「危険なこと?」
ルドルフ「なんともなさそうだな・・・その様子だと酒強いだろ?」
レイベル「分からないけど、目の前に出されたら全部飲んじゃうと思う」
ルドルフ「だとさ、心配いらねえよ エリー姉さん、次行こうぜ」
エリー「はーい」
ルドルフ「・・・それで、あの後、何があったんだ?」
レイベル「身体が再生して目が覚めたらキールが目の前に居て、カッとなって殺しかけた・・・フィアーノの事も傷つけてしまった・・・」
レイベル「でも、俺にはフィアーノの傷を治す力があったんだ!」
エリー「それは良かったわね・・・!」
エリー「こんなのはどうかしら?」
ルドルフ「ありがとさん! ほら、お前さんのだよ・・・」
ルドルフはグラスをレイベルの口に当てて傾けた。
レイベル「ああっ・・・」
レイベル「んまい・・・」
ルドルフ「そろそろ俺も飲むか、ビールくれ」
エリー「はーい」
〇シックなバー
エリー「ルドルフも過去話しないの?」
ルドルフ「ええ? 今日はレイベルの話を聞く会じゃないのか?」
レイベル「いいよ、俺もルドルフの過去話聞きたい」
ルドルフ「じゃあ、少しだけ 俺が世界を旅してる理由・・・」
ルドルフ「俺は元武器商人だった」
ルドルフ「それで、当時はジャスパ国の大企業の社長とつるんで自分の分身のような武器を開発していたんだが、ある日裏切られた・・・」
ルドルフ「愛した人は死に、娘も殺されかけた・・・」
ルドルフ「俺は娘まで失いたくなくて、消えそうな娘の意識を武器に繋いで改造してしまった・・・」
ルドルフ「俺は娘を元の人間の姿に戻してやりたい・・・」
ルドルフ「その為の方法を探して世界を旅してる 開発した自分の分身である武器の回収も兼ねてな・・・」
ルドルフ「・・・と、まあ、こんな感じだな 俺はヒーローって側の人間じゃない、昔は武器売ってたしな」
ルドルフ「その気になればこの世界を破壊するほどの力があるのはお前さんと似ているかもしれない・・・」
レイベル「ルドルフは、どうして笑っていられるの?」
レイベル「そんな事があったら普通、絶望しない?」
レイベル「俺だったら耐えられないよ・・・ 裏切った奴のことは殺したの?」
ルドルフ「いや、できなかったよ・・・」
レイベル「え・・・?」
ルドルフ「俺は・・・「武器の概念」から生まれた擬人種だったから、その事がずっとコンプレックスだったんだ」
ルドルフ「こんな自分の存在自体が恐ろしいと思っていた お前さんなら分かるだろう?」
レイベル「うん・・・分かりすぎる・・・」
レイベル「俺も、ずっと怖かった・・・今でも怖いよ」
レイベル「フィアーノが居ないとダメなんだ・・・」
エリー「レイベル・・・」
エリーは急に泣き出したレイベルの頭を優しく撫でた。
〇シックなバー
エリー「落ち着いた?」
レイベル「うん・・・ありがとう・・・」
ルドルフ「そのフィアーノって子も、お前さんの心を癒やして愛してくれたのだろう?」
レイベル「な、なんで分かるの・・・」
ルドルフ「先輩の勘・・・」
ルドルフ「フィアーノはまだ子供なんだから、イチャイチャしてスイッチ入らないように気をつけろよ・・・」
レイベル「そ、・・・そんなこと分かってるよ!」
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