追う恋は追われる恋に勝る!

びわ子

第四話「面変わり 学び舎巡る 春の恋」(脚本)

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〇教室
古林 一咲(こばやし いっさ)「って事が、あった訳なんだ──」
古林 一咲(こばやし いっさ)「なんだ!?」
三鷹 哲也(みたか てつや)「一咲・・・!お前、すごい!すごいよ!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「マジ、リスペクトや!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「おい、わかった!わかったから離せって!」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「ヤバっ!超、素敵──!! その子のためだけに学校きたんだ!」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「絵美も手伝うよ!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「あの夏から自分磨きに1年かけて、 何とかそれなりの男にはなったと思う」
三鷹 哲也(みたか てつや)「なってるー、なってるやん!一咲──!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「あー、もう離れろって!!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「俺・・・俺、全面的に応援するから!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「わかったって!ありがとよ!!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「グスっ・・・、顔洗ってくるわ・・・」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「ねぇねぇ、どうやって探していくの?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「あの時、彼女は名前を”KY”と言ったんだ」
古林 一咲(こばやし いっさ)「半分だけ、つまり苗字か名前 どっちかは正解なんだと思う」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「うん!じゃあ私、KYの名前の子を他のクラスも調べるよ!まかせといて!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「え!?いいの?」
蒼山 絵美(あおやま えみ)「もち!早速、調べてくるねー!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)(2人ともありがとう・・・)
古林 一咲(こばやし いっさ)「──ん?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「与謝野?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「どうした?震えて?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「なんか耳真っ赤だぞ!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「おい?お前・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「うっさい!話しかけないでよバカ──!!」

〇まっすぐの廊下
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「あー、まいった・・・ 海野先生に嫌われたかなぁ──」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「休み時間だってのに、 まーた、きちまったよ──」
  与謝野 恋『──触らないでよ!!』
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「何だ!!」

〇教室
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「おい!どうした!?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「・・・恋(れん)?」
古林 一咲(こばやし いっさ)(え?今、恋(れん)って、 言わなかったか・・・!?)
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「こぉ──ばぁ──やぁ──しぃ──!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「いや、先生!誤解ですって!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「い・い・か・ら・こい!」
「古林 一咲『痛い!痛いですって!!』」
与謝野 恋(よさの れん)「・・・」

〇備品倉庫
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「──で、恋に何をした!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「恋って?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「与謝野 恋だ!お前が泣かせた子だ!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「だから何もしてません! 勝手に泣いてたんだから」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「勝手に泣くだと? よく思い出せ、何かあったはずだろ」
古林 一咲(こばやし いっさ)「え──、 俺が初恋のを話したくらいですかね」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「初恋の話しで泣かしただぁ──?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「そんな事で恋が泣くわけないだろが!」
与謝野 恋(よさの れん)「山ちゃん待って──!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「山ちゃん──!?」
与謝野 恋(よさの れん)「古林は何もしてないよ」
与謝野 恋(よさの れん)「ちょっとコンタクトがズレて 涙が出てただけだから」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「コンタクト?そうなのか・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「古林・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「本当に申し訳ない!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「ええ・・・、わかってもらえたら・・・ それよりも──」
古林 一咲(こばやし いっさ)「二人は知り合いなんですか?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「あー、実は・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「歳が離れた”いとこ”なの」
古林 一咲(こばやし いっさ)「何ぃぃぃ────!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「え!──?そうなの!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「いや──、他の生徒の手前、 距離をおこうと思ったんだけど・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「ほら、おっさんが生徒に手を出したって勘違いされたら困るだろ?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「は、はぁ・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「ボソッ・・『勘違いしてもいいのに・・』」
古林 一咲(こばやし いっさ)「へ?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「まぁ、なんだ・・・恋も 初日から注目されたくないみたいだし」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「今は他の生徒には内緒にしといてくれよ」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「頼む!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「え、ええ・・・びっくりしましたが 別に言う気もないですよ」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「そうか助かる!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「まったくコイツは、 まぎらわしいことしやがるから・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「ちょっと、山ちゃんやめてよー! 髪乱れる──!」
古林 一咲(こばやし いっさ)(与謝野・・・ こいつこんな顔するんだ・・・)
与謝野 恋(よさの れん)「じゃあ、私いくからね!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「古林・・・、もうちょっとだけいいか?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「なんですか?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「お前、自己紹介で初恋の相手を探してるって言ったらしいな」
古林 一咲(こばやし いっさ)「はい。それが何か?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「お前、恋と仲良くしてやってくれないか?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「アイツは人付き合いが あまり得意じゃないんだ」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「女性の友達はいるが 男性は1人もいないだろう」
古林 一咲(こばやし いっさ)「なんで俺なんです? 他にもいるじゃないですか?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「お前は、初恋の人を探してるぐらいだから間違いは起こさないだろうと思ってな」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「もし、引き受けてくれたら 何でも協力してやるぞ」
古林 一咲(こばやし いっさ)「・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「いとこだからって、 深入りしすぎじゃないですか?」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「そ、そうだな・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「俺が恋の父親代わりみたいな立場だから つい──」
古林 一咲(こばやし いっさ)「・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「あー、もう!わかりましたよ・・・」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「そうか!ありがとう、古林!! じゃあ俺は何を協力すれば良い?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「そうですね・・・」
海野 桃(うみの もも)先生「やーまーだー先生──!」
海野 桃(うみの もも)先生「私がいない時に またまた古林君を連れていってー!」
海野 桃(うみの もも)先生「彼に何か恨みでもあるんですか!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「いえ、 ちょっとした勘違いがありまして・・・」
海野 桃(うみの もも)先生「ちょっとじゃないですよ!!」
海野 桃(うみの もも)先生「無理やり連れてかれた古林君の心は」
海野 桃(うみの もも)先生「とてもですよ──!!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「ボソッ『古林助けて・・・』」
古林 一咲(こばやし いっさ)「じゃあ・・・俺は教室に戻りますね」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「こ、古林ぃぃぃ──」
海野 桃(うみの もも)先生「山田先生聞いてますか!!」
山田 山東火(やまだ さんとうか)先生「は、はい──!」

〇学校の廊下
古林 一咲(こばやし いっさ)「はぁ、まいったな・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「与謝野・・・」
与謝野 恋(よさの れん)「・・・山ちゃんと何話してたの!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)(──言わない方がいいよな?)
与謝野 恋(よさの れん)「言いなさいよ!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「べ、別に何もねぇーよ!」
与謝野 恋(よさの れん)「私のことでしょ? 前にもそんなことあったもん・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「あのさ与謝野・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「お前ひょっとして山田先生の事、 ”好き”なのか?」
与謝野 恋(よさの れん)「ば、ばか!」
与謝野 恋(よさの れん)「ほんと大ばか!」
与謝野 恋(よさの れん)「デリカシーない!最低!!」
与謝野 恋(よさの れん)「もし初恋の人を知ってても」
与謝野 恋(よさの れん)「あんたみたいな奴には ぜぇ──ったい、教えないから!!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「な、何ぃぃぃ──!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「って、あれ?これって・・・」
古林 一咲(こばやし いっさ)「また、やっちゃったんじゃ・・・」
三鷹 哲也(みたか てつや)「・・・だな相棒」
古林 一咲(こばやし いっさ)「うわっ!いつからそこに!!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「顔洗って戻ってきて、 お前が彼女と話し始めたぐらいやな」
古林 一咲(こばやし いっさ)「どうしよう・・・」
三鷹 哲也(みたか てつや)「お!?ええ考え浮かんだで!!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「一咲、ここは俺に任せとけや!」
古林 一咲(こばやし いっさ)「え!?お前が?」
三鷹 哲也(みたか てつや)「悩み事なら”てっちゃん”が常識やろ!?」
古林 一咲(こばやし いっさ)「はぁ?まだ会ったばかりだろ」
三鷹 哲也(みたか てつや)「カタい!カタわ!あ──カタっ!!」
三鷹 哲也(みたか てつや)「そうと決まれば!急がなきゃ! 日にち決まったら連絡するから」
三鷹 哲也(みたか てつや)「じゃあな!!・・・アハハハ──」
古林 一咲(こばやし いっさ)「哲也のやつ何する気だ・・・? 心配しかね──!!」

次のエピソード:第五話 「葉桜や 在りし日思ふ 傍に友」

コメント

  • 古林くん、どんだけ先生に呼び出されるんだ、、、初恋の人を探すという目的もなかなかうまくいかない😭
    デレた恋さん、ギャップもあって可愛いですね😆
    果たして、無事に初恋の人を探し出せるのか、楽しみです☺️あと山田先生の恋路も気になります😊

  • わー、ドキドキの学園恋愛モノにワクワクしながらタップさせてもらいました!
    なんだか拗れて来ちゃいましたね。そっか、恋ちゃんには想い人がいたのですね。クラスメイトも協力的ですが、彼の初恋探しはどうなってしまうのか…引き続き楽しませていただきます🙏✨
    三話と四話で20 人目のキリ番踏めて嬉しかったです😆

  • おやおや?関係が複雑になってまいりました!
    でもドロドロする気がしなくて、みんな可愛いですね😊
    一咲の気持ちはどう動いていくのかな~

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