映像研究会は呪われている!

逆境 燃

第一話「映像研究会は呪われている!」(脚本)

映像研究会は呪われている!

逆境 燃

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〇海辺
ケイ「俺は」
ケイ「俺はただ」
ケイ「お前が側にいてくれるだけで」
ケイ「それだけで」
ケイ「それだけでよかったんだ・・・」
ライゾウ「ケ、ケイ・・・」
ライゾウ「なんていうか」
ライゾウ「その・・・」
ライゾウ「す、すまない」
ライゾウ「すすまない、ケ」
ライゾウ「ブフゥォ!!」
ライゾウ「アヒャヒャヒャッ!!」

〇海辺
キララ「カット! カットカットカットッ!」
キララ「ふざけんじゃないわよ、あんた!」
キララ「何回、同じセリフで NG出したら気が済むの!」
ライゾウ「す、すんません先輩!」
ライゾウ「でも!」
ライゾウ「こ、この脚本・・・」
ライゾウ「ブホォホホオ!!」
キララ「な~にぃ!? この私の脚本に文句があるって 言ってんの!?」
ライゾウ「ち、違うんです!違うんすよ!」
ライゾウ「ブホホッ!」
キララ「こ、このクソカス!」
ケイ「ま、待ってください、キララ先輩! ライゾウをあんま虐めんでやってください!」
ケイ「こいつはホント」
ケイ「バカでアホでマヌケで どうしようもないクズですけど」
ライゾウ「お前弁護する気ある?」
ケイ「い、いや!それでも!!!」
ケイ「それでも俺たち研究会の 大切な仲間じゃないっすか!」
ライゾウ「ケイ!」
ケイ「ライゾウ!」
キララ「・・・」
キララ「確かに」
キララ「あんたらは私にとってもカワイイ後輩だし 映像研究会の大切な仲間よ」
キララ「それは間違いないわ」
「先輩!」
キララ「でもねぇ!」
キララ「その大切な仲間のせいで こんな状況になってんだから!」
キララ「そら口も悪くなるってもんでしょうがよ!」
キララ「あんたら二人が見せた 『呪いのビデオ』のせいで!」
キララ「私ら全員呪われちゃったんだからさ!」
ライゾウ「それは・・・」
ケイ「その節はご迷惑を・・・」
キララ「まったくもう!」
クロロ「おいおいキララ」
クロロ「そこまでにするんだ」
キララ「何よ、クロロ・・・」
クロロ「僕らは今、運命共同体だ」
クロロ「誰のせいだとか 何々が悪いとか」
クロロ「責任のなすりつけ合いをする意味はない」
クロロ「手を見てみろ」
キララ「・・・」
クロロ「僕たちの手に刻まれた 呪いの紋様(もんよう)」
クロロ「こいつが消えるまでは 互いに協力するのが最善だ」
クロロ「そうだろ、キララ?」
キララ「んな事は分かってんのよ」
キララ「でもねぇ」
キララ「呪いを解くためにこっちは 必死こいてやってんのに」
キララ「バカがアホなせいで全然 前に進まないってんだから!」
キララ「そらキレて大切な仲間をクソバカウン〇 呼ばわりしたくもなるわよ! そうでしょ!?違う!?」
クロロ「・・・」
クロロ「それはそう」
「クロロ先輩!?」
クロロ「いやだってもう10回目のNGな訳だし」
クロロ「さすがに擁護出来ないっていうか・・・」
ライゾウ「だ、大丈夫っす!」
ライゾウ「ワンモアチャンスください! 次こそ完璧に演じてみせますから!」
クロロ「はぁ」
クロロ「まぁ時間もないしチャチャっと行こうか」
クロロ「はい位置について~」
「オッケー!」
クロロ「カメラは?」
キララ「いつでも」
クロロ「よし」
クロロ「それじゃ行くよ」
クロロ「3」
クロロ「2」
クロロ「・・・」

〇海辺
ケイ「俺は」
ケイ「俺はただ」
ケイ「お前が側」
ライゾウ「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!」

〇海辺
キララ「殺す!」
キララ「呪いで死ぬ前に私が殺す!!」
クロロ「待て!キララ!落ち着け!」
ケイ「そうです、先輩! まずはこれを見てください!」
キララ「なによ!?」
ケイ「この筋肉を見ても まだ殺すって言えますか!?」
キララ「殺す!」
キララ「二人まとめて殺す!」
クロロ「あー!やめろ!乗るんじゃないキララ!」
ライゾウ「す、すんません、先輩!」
ライゾウ「でも仕方なくないっすか、これ!」
キララ「仕方ないって何がよ!」
ライゾウ「だってこれ、コッテコテの ラブストーリーなのに!」
ライゾウ「なんで俺とケイが恋人同士なんすか!?」
ライゾウ「せめてどっちかを女性のキララ先輩か イケメンのクロロ先輩がやるべきじゃないっすか!?」
キララ「それは・・・」
「・・・」
キララ「その・・・」
「・・・・・・」
キララ「趣味よ」
「え?」
キララ「私の趣味だって言ってんのよ! 文句ある!?」
「えぇ・・・」
キララ「クソが!何よその反応!」
キララ「もういい! ちょっと休憩にするわよ! 頭冷やしときなさい!」
「う、うぃっす!」
キララ「ふん!」

〇海岸の岩場
キララ(あーもう!クソクソクソッ!)
キララ(そりゃ私が出るのが一番いいわよ!)
キララ(内容全部分かってるし!)
キララ(一番カメラ慣れしてるし!)
キララ(でも)
キララ(でも!)
キララ(あいつ以外の人間と恋人の フリするなんて絶対やだし)
キララ(あいつと恋人のフリするってのも 絶対に無理!!)
キララ(あいつが誰かの恋人役するのもヤダッ!)
キララ「ぐぬぬ~!」

〇海辺
ケイ「ヤッベ、キララ先輩 すっげーキレてる」
ライゾウ「マズイっすよこれ」
ライゾウ「クロロ先輩、何とかしてくださいよ。 幼馴染なんでしょ?」
クロロ「あいつが僕の言う事なんか 聞くと思うかい?」
クロロ「それに君たちも君たちだぞ?」
クロロ「全く集中出来てない」
クロロ「脚本はちゃんと読み込んで来た?」
クロロ「セリフは覚えてる?」
ライゾウ「読んできましたよ メッチャ面白かったっす」
ケイ「正直俺は泣きました」
ライゾウ「俺も俺も」
「でも」
「相手がこいつじゃなぁ・・・」
クロロ「まぁ、気持ちは分かるけどねぇ」
クロロ(・・・)
クロロ(キララ・・・)

〇黒背景
  呪い
  私達、映像研究会の4人は
  今現在呪われている・・・
  視聴覚室の奥底に眠っていた
  呪いのビデオテープ
  それを見たせいで私達は呪われた
  『劇的な呪い』という意味不明な
  呪いによって魂を汚されて
  次の新月の夜までにドラマを
  一本作り上げ
  そのテープを深夜24時ちょうどに
  燃やさなければ
  呪い殺され
  二度と日の目を見ることはない
  しかも
  作品が完成しないように
  呪いはその邪魔をしてくる
キララ(ほんと、クソッタレな呪い・・・)
キララ(次の新月は15日後)
キララ(時間はあるけど 編集の時間まで計算に入れると)
キララ(この土日で撮影を終わらせないと 間に合わない)
キララ(・・・)
キララ(死なせないわよ)
キララ(せっかく入会してきたカワイイ後輩達を)
キララ(こんなクソみたいな呪いに 殺されてたまるもんですか)
キララ(それにあいつも・・・)

〇海岸の岩場
キララ「・・・」
キララ「よっし」
キララ「やるしかないわ」
キララ「私が」
キララ「私がやってやる」
キララ「ッ!?」
キララ「な、なに今の!?」
キララ「今、一瞬」
キララ「手に・・・なにか・・・」
キララ「なに」
キララ「これ」
「おいキララ! ちょっとこっちに来てくれ!」
キララ「ちょっ!?」
キララ「どうしたの、クロロ!?」
「人だ!」
「人が! 人が浜辺に流れ着いてる!」
キララ「ハァッ!? んなドラマか漫画じゃないんだから!」
「ほんとなんだよ、いいから来てくれ!」
キララ「あーもう! 何がなんだってのよ!」

〇海辺
ケイ「せ、先輩どうしましょう!? 俺たち何をすれば!?」
ライゾウ「落ち着けケイ! こういう時は人工呼吸だ!」
ケイ「よっしゃ任せろ! ヒッヒッフー!ヒッヒッフー!」
キララ「それラマーズ法!どきなさい邪魔よ!」
キララ「クロロ!今どんな感じ!?」
クロロ「息はある!脈も!」
クロロ「ただ体温が大分下がってるみたいだ!」
キララ「よっし!」
キララ「あんたら取り合えず荷物から タオルあるだけ持って来なさい!」
「りょ、了解!」
キララ「あとは救急車をー」
ケイ「あの、先輩・・・」
キララ「何よ!今忙しいの!」
キララ「てか、タオルはどうしたのよ、タオルは!?」
ケイ「それが・・・」
ライゾウ「ちょっと無理っぽいっす」
キララ「はぁ? 何言って―」
キララ「な、何よ こいつら・・・」
キララ(いつの間に・・・ 20人はいる・・・)
「贄を、贄を、贄を、贄を、贄を、贄を」
キララ「な、何だってのよ、いったい」
クロロ「呪いか」
キララ「はぁっ?」
キララ「の、呪い?」
クロロ「ああ」
クロロ「手の紋様の変化・・・」
クロロ「僕たちにかかった呪いが 今まさに発動しているんだよ」
クロロ「劇的な何かが起こるっていうあのビデオの 呪いが今まさに発動しているんだ!!」
キララ「ッ!!」
キララ「くっ」
キララ「クソッたれー!!」
  To be continued

次のエピソード:第二話「劇的な状況」

コメント

  • 前半のドタバタ具合が仲良すぎて笑いました🤣
    演劇部ではなく映像研なのがまた不幸ですね…いきなりドラマを作れと言われても全てが見よう見マネでしょうし😂
    『呪い』なので、ある種の“主”がいるのでしょうが、作品のクオリティに厳しかったらと考えると…それもまたちょっと笑えてしまう🤣
    どのような真実がある呪いなのか…4人は呪いを解けるのか、そして恋模様の行方は…😖
    今後の展開が楽しみです😊

  • 劇的な呪いってなんでしょう。フワッとしてて面白いです。
    立ち絵が思いっきりかわいいとめちゃくちゃ毒吐いても見てられますね。幼なじみ好きなのもキュンでいいですね。

  • 最初の導入のノリから青春っていう感じでテンポよく、楽しく読ませていただきました!
    最初はキララがこのメンバーなのにその脚本で行こうとして映画が作れないっていう呪いなのかと思ってましたが(笑)全然違う衝撃の展開で続きが気になります……
    そして映画の感動的な結末も気になります🤔

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