読切(脚本)
〇街中の道路
ジン「────────────────────────────────────────────────────────────」
ジンさんに、そう言われた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
たく「え? ああ・・・・・・うん」
僕は曖昧に答えた。
――なんで知ってるんだろう? 僕がそのことを知っているのは、もちろん偶然ではない。
昨日の夜、母さんから電話があったのだ。
『明日、病院に行くわ』と、母さんは言った。
僕はその時、初めて父さんの病気のことを聞いた。
それは、父さんの死期が迫っているということでもあった。
ジン「それでね、あの・・・・・・」
と、そこで、渋谷に出かけることにした経緯を話し始めた母さんを遮って、僕は訊いた。
たく「それでね、あの・・・・・・」
ジン「うーん、まあ、相変わらずかなぁ」
たく「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
たく「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
〇街中の道路
母が来た。とても眠そうだ。僕も眠くなる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やべえ寝た
しばらく沈黙が続いた後、母さんはこう続けた。
なおみ「あのさ、あなたには言っておくわね」
なおみ「お父さん、あと半年も生きられないかもしれないの」
たく「へえ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え・・・・・・」
たく「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・泣
僕は聞き返した。
今、なんて?
ジン「だからね、あなたのお父様はもう長くないのよ」」
今度はジンさんがもう一度同じことを言った。
そして付け加えた。
ジン「それに、余命宣告も受けてるの」
ジン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
たく「余命宣告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
〇芸術
僕は目の前が真っ暗になる
まるで渋谷のスクランブル交差点だ、
そのたとえに僕は僕自身笑った。心が楽になった。
たく「ありがとう渋谷スクランブル交差点」
たしかに混乱する心を表現するには、スクランブル交差点がぴったりな気がしました。
父親が残り少ない命だと聞かされたら、いろんな気持ちが交差しますよね。
タイトルから内容がなかなか想像できなかったのですが、とても独特なリズムで進む物語だなと思いました😌
余命宣告を受けたら…と考えると怖くなってしまいますね🥲
父親の死期が迫っているという事実を知り自身に起きた心の波を、渋谷スクランブル交差点というとてつもなく大きな人の波が幾分やわらげてくれたという事なのでしょうか? これほどのショックは体験した人にしかわからないですね・・・。