迷走楠高校

嬌乃湾子

楠高校を守る者達!(上)(脚本)

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〇教室
高科朗久「あー」
高科朗久「昨日は目一杯走ったから体に響くよ」
仮名相「ろく君~!」
高科朗久「あ、あいちゃん」
仮名相「昨日はビックリしたわ」
仮名相「ろく君がお坊さんみたいな格好で」
仮名相「遠藤君と聖子ちゃんが喧嘩してたのを止めに入ったから」
高科朗久「えっ?どういう意味?」
仮名相「だから、二人ともパニックで騒動になった挙げ句に」
仮名相「暴れて怪我をした聖子ちゃん助けたのよ」
仮名相「格好良かった~」
高科朗久(なんか凄いシチュエーションになってるけど)
高科朗久(あいちゃんにはそう見えたのだろうか?)
高科朗久「みんな妖の事は覚えて無いのかな?」
高科朗久(‥‥とにかく)
高科朗久「昨日飼から聞かされた」
高科朗久(古の扉を繋ぐ迷走の数珠のせいで)
高科朗久(俺は知ってしまったんだ)
高科朗久(この楠高校が妖に狙われている事を‥‥)

〇城
(あの頃の記憶の中の俺は)
(かげろうのように飛び回り)
(燃え尽きながら消えていった)
(だから‥‥‥‥)

〇教室
高科朗久「だからこそ、俺はそんな過去を胸に、今遊びたい」
高科朗久(よし!)
高科朗久「あ、あいちゃん!」
仮名相「んっ?何?」
高科朗久「こ‥今度、一緒に遊びに行かない?ゲーセンとか!」
凛「あーっ、行く行く~!」
高科朗久「君は、隣のクラスの凛ちゃんじゃないか!」
仮名相「あ、彼女ね。昨日のろく君の噂を聞いて来たの」
凛「いいねゲーセン行こうよ。私クレーンゲームで欲しいものあるんだ」
高科朗久(何だこの意に反するモテ期は)
高科朗久(落ち着け、慣れない出来事に脳内が戸惑っている。一旦整理するんだ)
高科朗久「すう~はぁ~」
凛「ん?何それ、ブレスレット?」
高科朗久「それは‥‥そうそう!ブレスレットだよ」
高科朗久「成績を上げる為のパワーストーン的な」
凛「へーなんか渋いね。ちょっと貸して見せて」
高科朗久「あ~これは親戚から貰った形見だから‥ちょっと手放せないんだ」
凛「へー、まあいいや」
凛「じゃ、今度皆で行こうぜ!」
高科朗久「はーヤバかったぜ」
高科朗久「危うく俺がこの学校を守るという身の上を巷に晒されるところだった」
戸田司「嘘つけ。鼻の下なんか伸ばしやがって」
戸田司「この前学校を守るとか言いながら学生生活をエンジョイするとほざいていたくせに」
戸田司「しかし‥‥お前もそうだったとはな」
高科朗久「は?どういう意味だ?」
戸田司「いや何でもない」
戸田司「だが、俺はお前のような妙な格好に変わる奴なんか認めていないからな」
高科朗久「うるさい、あんな物騒な刃物持ち歩いているお前に言われたくないわ」
戸田司「黙れ、とにかくあいにも近付くな」
高科朗久「なんだと」
高科朗久「ていうか、お前、あいちゃんが好きなのか?」
高科朗久「まさか‥付き合っているとか」
戸田司「俺は」
戸田司「彼女の友達として心配しているだけだ」
高科朗久「は??何言ってるんだ」
戸田司「まあいい。行こう」
高科朗久「くそっ、訳わかんねぇ奴だ」

〇明るい廊下
「あいつら、今日も授業中ずっと五月蠅かったわ」
「一刻も早くあれを我らの物にしないといけない」
「しかし、扉は既に開いたんだよ」
「この場所が我らの城になる日は近いぞ」
「ククク‥‥」
「ここに居る者共を全て」
「私の忠実な下部へと変えてくれるわ」
「‥‥‥‥」
「ふふふ‥良い方法を思い付いた‥‥!」

〇女子トイレ
生徒1「ったくよ」
生徒1「今日もあの先公ウザかったわー」
生徒1「お喋してただけなのに静かにしなさいって」
生徒「ほんとほんと。シカトしてたら机叩くから」
生徒「何です?暴力ですか?訴えますっつったら黙ったわよ。ギャハハハハ!!」
生徒1「こっちは大人数なんだからそっちが勝てる訳ねぇっての!」
生徒1「‥‥やべ、誰か居たよ」
生徒「すみませ~ん出てきて貰えます?」
「‥‥学校の風紀を乱す人は許しませんよ」
「‥‥直ちに是正させますから」
生徒1「誰だよ、出てこい!」

〇清潔なトイレ

〇女子トイレ
凛「んっ!?」
凛「きゃあぁあ!」
凛「うふふ‥‥」
凛「一度でも人気のある可愛い女の子になりたかったのよ‥‥」
凛「これでアイツに近付く事が出来るわ」

〇学校の廊下
「‥‥ろく君」
高科朗久「あっ、凛ちゃん。どしたの?」
凛「さっきのブレスレット‥‥もう一度見せて」
高科朗久「えっ‥見せるだけならいいけど」
高科朗久「わっ、盗られた!」
凛「あはは、迷走の数珠は我らが頂いたぞ!」
凛「欲しかったら取り戻しに来な!」
高科朗久「待て!」

〇明るい廊下
高科朗久「凛ちゃん止まってくれ!」
凛「あははは、こっちだよ!」
高科朗久「はぁ、はぁ」
高科朗久「苦しぃ‥誰か水を」
喜佐夫「ほら」
高科朗久「ぷはー生き返った!」
喜佐夫「いい飲みっぷりですねー」
高科朗久「喉乾いていたから秒で飲んだぞ!」
喜佐夫「あ、君急いでいるんだよね」
高科朗久「そ、そうだ」
高科朗久「誰か知らないけど助かったぜ。サンキュー!」

〇開けた景色の屋上
高科朗久「凛ちゃん!」
凛「あはは、捕まえられるものなら捕まえてみな」
凛「じゃないと‥‥ここから飛び降りるから」
高科朗久「わっ、止めろ!」
高科朗久「ぐぅっ。は、早い」
凛「何だもう終わり?」
凛「お金くれたらもっと相手してあげるけどね」
高科朗久「ぐぅっ」
喜佐夫「君、困ってるようだけど」
喜佐夫「よかったらこれ貸してあげようか」
高科朗久「釣り竿か!重ね重ね礼を言うぜ」
高科朗久「ぬぅうっ、釣りやクレーンゲームのように取れそうで取れない!」
高科朗久「(しかも殴られる)」
高科朗久「まさに‥‥人の心理を突いてくる!」
凛「あはははっ」
高科朗久「ちくしょう‥‥‥‥人の心をを弄びやがって」
高科朗久「この悪魔め!」
凛「いいカモだね」
喜佐夫「君」
喜佐夫「そんなんじゃダメだよ。何か気を引く物を使わないと」
高科朗久「そ、そうか」
高科朗久「あ、これがあった」
凛「あっ、あれは私の欲しかった奴!」
凛(ナーンて、引っ掛かると思ってるの?)
凛「死ね!!」
凛「!!」
凛「な、何!?」
凛「まさか‥迷走の数珠を持った我との間に念じた奴を近付かせたお陰で防衛反応が起こったのか?」
凛「あぁあぁあっ!」
高科朗久「はぁ、やっと迷走の数珠を取り戻せたぞ」
水上飼「ろく」
水上飼「妖はまだ校内に居る。それを倒さねばならない」
高科朗久「ああ」

〇明るい廊下
高科朗久「かい、俺があの姿に変わるのは」
高科朗久「妖を倒した事により来るモテ期で」
高科朗久「あいちゃんと仲良くなる為だろ」
水上飼「いや違う」
水上飼「これは」
水上飼「お前がずっと望んでいた事を」
水上飼「俺が実現させたのだ」
水上飼「‥‥六歳」
高科朗久「‥‥‥‥‥‥‥!!」

〇城

〇明るい廊下
高科朗久「迷走」
高科朗久「やっとお前の事を思い出したぜ」
高科朗久「まさか‥貴方さまだったとは」
水上飼「ここでは俺は水上飼だ。その言い方はよせ」
高科朗久「ああ解った」

〇学校の廊下
「おい、高科がまた袈裟姿で校内を走っているぞ!」
仮名相「ろく君‥‥」

〇グラウンドのトラック

〇学校の廊下
  ‥‥続く!?

次のエピソード:楠高校を守る者達!(中)

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