ヤマダよ、ひたすら無心で鉄を鍛えろ!(脚本)
〇研究施設の廊下
──とある企業
センパイ「あっれー?」
センパイ(おっかしいな?)
センパイ(ヤマダの姿が見当たらねぇ)
〇鍛冶屋
ヨネさん、キジマさん
ヤマダの奴、戻って来てません?
ヨネさん「いいや、見てないねぇ~」
キジマ「あのガキ、どこで油を売ってるやら──」
ありゃりゃ?
(もしや、逃げたんか?)
〇怪しげな祭祀場
・・・
シサイ「おや?」
シサイ「誰かお探しで?」
センパイ「まぁ、ちょっとね」
センパイ(となりの祭壇にも居なかった──)
〇研究施設の廊下
となれば、あとは魔方陣の実験棟か
倉庫になるんだろうが・・・
〇魔法陣のある研究室
(大ボスだ・・・)
(なんか揉めてるな)
・・・
〇ボロい倉庫
センパイ(実験棟にも居なかったから・・・)
センパイ(ヤマダは、ここか?)
〇ボロい倉庫の中
「わーっはははははは!」
おっ、居たっ!
だいぶ探したぜ、ヤマダ!
ヤマダ「しまった!!」
ヤマダ「センパイに見つかっちゃった( >Д<;)」
〇ボロい倉庫の中
センパイ「まったく、こんな遠くで何やってんだよ?」
ヤマダ「センパイ、自分はもうムリです(ToT)」
ヤマダ「トツゼンの部署変更もだし、」
ヤマダ「イキナリしたことない仕事を任されても (;`・ω・)」
ヤマダ「やれる訳がありません! ( ノД`)」
センパイ「そりゃそうだけど、」
センパイ「だからこそ、キジマさんやヨネさんから」
センパイ「シッカリ技術を受け継いでいかなきゃだろ」
ヤマダ「うぅぅ・・・」
ヤマダ「理屈ではそうだけども・・・」
ヤマダ「やっぱ、自分には向いてないて言うか──」
センパイ「さぁ、休憩時間もオシマイ!」
センパイ「工房でのお仕事に戻りましょうね~」
ヤマダ「うぇぇぇん(´;ω;`)」
ヤマダ「職人さんらのお仕事 カッコいいけど、ツラいよぉ(;_q)」
〇塔のある都市外観
ここは、
剣と魔法と
そして科学が融合した世界
〇VR施設のロビー
街では──
人間や獣人が闊歩しており
最近は、
そこにヒューマノイドの姿もチラホラ
〇飛空戦艦
空では魔法を原動力とする
巨大な飛空艇が人や物を運び
敵対する勢力が、
凌ぎを削りあっているのだった
〇歯車
そのため、
武器や機械製品の需要はあるものの──
鉄工職人フジワラ(77)「長年、モノ作りに携わってきたケドよ!」
鉄工職人フジワラ(77)「俺たちは!」
魔装技術者タチバナ(86)「フツーのお爺さん・お婆さんに!」
S級研師スメラギ(95)「フがフガフガ~! (戻ります!)」
と、後期高齢者にも関わらず
第一線で働いてた職人・技術者の──
度重なる退職の影響で、
ニーズを満たす事がムズカしい状況である
・・・
今まで、ホントにご苦労様でした
〇大会議室
大ボス「──じゃないんよ!」
大ボス「──実際どうすんの!こっから!」
大ボス「エェッ!?」
部長「代わりの職人や技術者を探してますが──」
部長「ライバル社とも、人材の取り合い状態で~」
専務「若者のモノ作り志願者も少なく、 そもそも働き手の数が足りなさ過ぎて──」
大ボス「ったく! 最近はこんなんばっかだな!」
大ボス「なんでこんな、 職人や技術者が居ないンよ!」
大ボス「──ったく! 現場はどうなってんだ!現場はよ!」
(そこら辺は経営サイドとかの責任ですけどね)
大ボス「あーもう!受注はあるのに、 ヒトが居なくてモノが造れねぇ!」
大ボス「なんかこう、いい方法は無いもんか・・・」
大ボス「おっ!」
大ボス「そうだ!イイコト思い付いた!」
大ボス「ロボットによ! 職人や技術者がやってた仕事させようぜ!」
──と、言うわけで
〇怪しい実験室
鍛冶工房
キジマ「オラッ!昨日のオサライだ!」
ヤマダ「ふぇぇ・・・(;-Д-)」
キジマ「まず、鉄を用意して!」
「色が変わるまで、炎で熱する!」
「そしたら鉄が柔らかくなるから、 専用ハンマーを用意して──」
「叩く!」
「叩く!!」
「叩く!!!」
〇空
〇怪しい実験室
キジマ「っとまぁ、こんなもんよ!」
ヤマダ「ふぉぉぉぉ・・・( 。゚Д゚。)」
キジマ「ハンマーで叩き続けて、剣を形成してく!」
キジマ「ほんじゃ、お前もイチからやってみろ!」
ヤマダ「は、はい!」
ヤマダ「あ、あのっ!コツとかは???」
キジマ「コツだぁ~?」
キジマ「んー、まぁそうだな・・・」
キジマ「ひたすら! 無心で! 鉄を鍛えろ!」
ヤマダ「ひたすら無心で鉄を鍛える・・・」
キジマ「ま、頭カラッポにして叩き続けろ!」
キジマ「集中してやってりゃ、自ずと分かってくる」
ヤマダ「は、はぁ・・・( ;´・ω・`)」
〇怪しい実験室
「アツアツに熱された鉄を・・・」
(頭カラッポにして、叩く!)
(頭カラッポにして、叩く!!)
(頭カラッポにして、叩く!!!)
キジマ「ゥオイ、コラァ! 舐めてンのか、お前ェは!」
キジマ「んだ、その 「ナイフが落ちる」様な音はよ!」
ヤマダ「す、すみませんすみません! ( ノ;_ _)ノ」
キジマ「『頭カラッポにして叩く』とか、 しょーもねー気構えでイんだろ、どーせ!」
ヤマダ「ぐふぅ(´;д;`)」
キジマ「雑念を混ぜるな!」
キジマ「集中して叩いてけ!」
ヤマダ「は、はいっ(>Д<)ゝ”」
〇怪しい実験室
ヤマダ「えー、それでは・・・」
ヤマダ(──集中して)
(叩く!)
(叩く!!)
(叩く!!!)
「よし、いいぞ!」
(そういや最近、創作関連の ストーリー更新を全然できてない──)
(アノ話の続きどうしよ? ラストの展開をどう演出するか──)
(あーもう、大変な時期に 厄介な仕事を振られちゃったなコレ)
キジマ「だーかーら~!」
キジマ「雑念を混ぜて仕事してんじゃねーよ! シバキまわすぞ、ポンコツロボット!」
ヤマダ「ヒィィィィ!」
ヤマダ「ごめんなさい!ごめんなさい!! (*ToT)」
〇鍛冶屋
ヤマダ「ようやっと、形にできた(。-ω-)。」
キジマ「ふん、やりゃ出来るじゃねーか!」
「おや、剣の方は上手くいったようだね」
ヨネさん「それじゃ、 次はアタシの研磨作業を教えるヨォ~」
ヨネさん「1000分の1㎜レベルで、 金属を磨いてく仕事だからねぇ~」
「せ、1000分の1㎜レベル!? ( д) ゚ ゚ポーン!!」
ヨネさん「心カラッポにして、集中してやってこね~」
センパイ「ワリィ、ヤマダ! 俺らの班で手が足りなくてよ!」
センパイ「今日、こっちの部署で 補助の残業を頼めるか!?」
シサイ「すみません、ヤマダくんはこちらに?」
シサイ「ワタシらの祈祷術についても、 伝承させると上から連絡ありましてな」
シサイ「つきましては、少々打ち合わせを──」
ヤマダ「う、」
ヤマダ「うぅ、」
〇空
「うぼあああああああああああああおあぁ!!? (ノ;≡ω≡)ノ」
〇空
・・・
平穏な日々が訪れるのは、
まだまだ先のようだ──
独特の世界観が斬新で面白かったです!!
ヤマダという主人公を探していて、どんな人物かと思えばロボット! という引き込みから上手いと思いました。
彼が人間以上に人間臭くてすぐに追い込まれる。ロボットなのに過労死しないか心配です😅
日本企業は慣れた頃に他部署に回すのが、海外に比べ生産性の低さに繋がってるのかも? 色々考えさせられる作品でした。
ヤマダの発言に顔文字が入ると感情移入しやすくて、なるほどその手があったか!と思いました。センス抜群ですね!ストーリーも楽しいですし、自分の状況を入れている所も親しみを感じます!😆次回作が楽しみです!
ヤマダくん、普通に人間を想像してたらロボットくんじゃないですか。ロボットなのに中身が一番可愛かったです。