貧乏貴族な勇者の末裔とチートな武器屋

郷羽 路

外伝、『古の勇者物語』(脚本)

貧乏貴族な勇者の末裔とチートな武器屋

郷羽 路

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〇ファンタジー世界
  昔々、自然豊かな土地に
  一つの王国がありました。
  その王国は、森と湖に囲まれた、
  とても美しい国でした。
  人々は、森と湖から沢山の果物と魚を得て
  暮らしておりました。

〇ファンタジー世界
  しかし、その平和な国に突如、
  多数の魔物が襲いかかってきたのです。
  魔物たちは人々を襲い、食糧、金品を奪い、果ては女子供をさらっていきました。

〇荒廃した市街地
  魔物たちの襲来により、美しかった国は
  次第に荒れていきました。
  連日の襲来に人々は、魔物を恐れ、徐々に生気を失っていきました。

〇荒廃した国会議事堂の広間
  国の王様は困り果てました。
  そんなある日、魔王と名乗る人物が現れたのです。
  魔王は、魔物たちの襲来についての謝罪と
  国交を深める為の交渉に来たようです。
  『我が魔界は作物もとれず、常に貧困な状態だ』
  『此方の条件を飲めば、魔物たちに国を襲わせないと約束しよう』
  魔王はその条件を提示した直後、煙のように姿を消しました。
  『魔界に定期的に大量の作物を納めること』
  『王国の姫君を嫁に差し出すこと』
  一方的な魔王の態度に王様は憤慨しました。

〇魔界
  しかし魔王は魔物たちの王。
  交渉決裂となった暁には、全勢力を以て、
  国を滅ぼすことでしょう。
  対してこの国の戦力は魔物の襲来により、兵力は減少、戦力は無きに等しい。
  城にいるのは、
  年頃の姫君とまだ幼い王太子のみ。
  王様は
  要求を受け入れるしかなかったのです。

〇荒廃した国会議事堂の広間
  王様は途方に暮れ、藁にも縋る思いで
  神に祈りました。
  そして、神に祈り続けて数日後、
  一人の若者が現れました。
  その若者は、神殿に仕える騎士と名乗りました。
  『神託を受け、この国に参った。
  力を貸しましょう』
  王様はその言葉に心を打たれ、若者にこれまでの事を打ち明けました。
  王様の話を聞いた若者は、王様にある提案をしました。
  王様は驚きましたが、他に手立てがないので、若者の提案を飲むことにしました。

〇闇の要塞
  ──そして、魔王が定めた婚礼の日。
  王様が花嫁衣装の姫君を連れ、魔界にやってきた。
  魔王は笑みを浮かべて、姫君を迎え入れましたが──
  『父親の役目はここまで』と、
  魔王は王様を突き飛ばしました。
  『城に入れるのは姫だけ』と、王様の入城を拒否したのです。
  姫は涙を流し、魔王に懇願しました。
  『祖国から持ってきた花嫁道具だけは城に入れて下さい』
  姫は城から持ってきた大きな箱を指差しました。
  すると魔王は姫の願いを聞き入れ、
  箱を部下に持たせて、城の中に戻りました。

〇神殿の門
  城の中に入り、魔物たちは箱は置きました。
  すると・・・
  突然箱から光が溢れ、近くにいた魔物たちを消滅させました。
  そして、箱からあの若者が出てきました。
  その光景を見て姫は驚きました。
  箱に人が入っている事を
  知らなかったのです。
  魔王は、一杯食わされたと憤慨しました。
  そして、若者に襲いかかったのです。

〇神殿の門
  若者は襲いかかる魔王に対し、苦戦を強いられました。
  なにせ、相手は魔界の王。
  あらゆる魔術に長けており、連続攻撃も仕掛けてくるので当然です。
  しかし、最後に神の力を得た若者が、全戦力を攻撃力に集中させ、
  遂に魔王を倒す事が出来たのです。
  魔王は滅び、この場にいるのは
  若者と姫だけでした。
  世界に平和が訪れたのです。

〇教会の中
  後日、
  王国では盛大な結婚式が行われました。
  若者は、王国を救った褒美として──
  王家の姫を妻に娶り、『公爵』の地位を
  賜りました。
  若者は『公爵』となってからも、民の為に剣を振るい、善政を尽くしました。
  王家の姫も『公爵夫人』として、
  常に夫の傍にいました。
  王族としての知識を振るい、
  生涯夫を支え続けました。
  後に若者は皆に『勇者』と讃えられ、
  姫君といつまでも仲良く、
  幸せに暮らしました。

〇鍛冶屋
エンブ「はぁ~・・・」
エンブ「やっぱりいつ読んでも素敵ですね」
アルバ「なんてったって、俺のご先祖様だからな!」
エンブ「小さい頃からこの本読んで、勇者様に 憧れていたんですが・・・」
エンブ「勇者の末裔がこんなに弱いとは 思いませんでした」
アルバ「・・・悪かったな」
エンブ「物語を読んでわかる事なのですが、」
エンブ「アルバさんは、『王族』の血も 引いているんですよね?」
アルバ「俺も両親から、幼い頃から言われてきた」
アルバ「『お前は古の勇者と姫の高貴な血を 受け継ぐ後継者』だってな!」
エンブ「更に血の濃い歴代当主達は、一体何をして 落ちぶれたのですかね?」
エンブ「『公爵』から『男爵』ですよ?」
アルバ「それは俺にも分からねぇ・・・」

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