声優 イン ポッシブル〜アラサー女が演技未経験で声優を目指したら〜

星名 泉花

voice【6】惑わすエチュード♬.*゚荒夢ジェットコースター(脚本)

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〇小劇場の舞台
ジェーン「お姉さま、どこにいらっしゃるの?」
ラピス「こっちよ、ジェーン」
ジェーン「まぁ! その人形、どうされたの?」
ラピス「お父さまからマリンへのプレゼントよ」
ジェーン「素敵ね。 お父様、もうじき帰ってくるのかしら?」
ラピス「まだお帰りにはならないそうよ」
ジェーン「・・・そう」
ラピス「さぁ、お家に帰りましょう。 マリンが待っているわ」

〇小劇場の舞台
マリン「おかえりなさい!」
「ただいま!」
ラピス「お父さまからよ」
マリン「お父さま・・・」
ジェーン「かわいいわね。 私も新しいお洋服がほしいなぁ」
ラピス「そういうことはもう少し料理が出来るようになってから言ってちょうだい」
ジェーン「あら、お料理なんてして私の指が傷ついたら嫌だもの」
マリン「ジェーンお姉さまのピアノはとっても上手。 お歌も素敵なのよ」
ジェーン「よーし、そのお人形さんと一緒に 歌いましょう!」
ラピス「まったくもう! マリンに変な影響与えないでよね!?」

〇小劇場の舞台
ラシード「だから僕の家に来てほしい! ジェーンもマリンも、みんなで一緒に暮らせばいいんだ!」
ラピス「・・・でもお父さまが。 それにお母さまのこともあるわ」
ラシード「そんなこと言って、父親は何年帰ってこない!? マリンちゃんはあんなに小さいんだぞ!?」
ラピス「やめて! お父さまは帰ってくるわ!」
ラピス「ジェーンもマリンも私が守る! 必ずまた家族全員で笑って暮らすんだから!」
ラシード「ラピス・・・」
マリン「・・・ラピスお姉さま」
マリン「あたしが小さいからお姉さまは・・・」

〇小劇場の舞台
ジェーン「マリン! どこにいるの!?」
ラピス「あの子、ラシードとの会話を聞いてたんだわ」
ジェーン「またラシードから求婚を?」
ラピス「・・・出来るわけないじゃない」
ラピス「家族全員でなんて、そんな都合のいいことあるわけないじゃない!!」
ラピス「ラシードの両親がよく思ってないのはわかってるもの!!」
ジェーン「大丈夫よ、お姉さま」
ラピス「お父さまだってきっと・・・」
ジェーン「な、なに!?」
ラピス「あれはマリンの」
ジェーン「追いかけましょう!」

〇小劇場の舞台
マリン「ここどこ?」
マリン「ラピスお姉さま、ジェーンお姉さま・・・」
マリン「や、やだ! こっちに来ないで!!」
ラピス「マリンに手を出すなあああ!!」
マリン「お姉さまっ!!」
ラピス「マリン!」
ラピス「無事で良かった」
マリン「お父さまが帰ってきたら、 ラピスお姉さまはお嫁に行けるでしょう?」
マリン「あたしがお姉さまの分まで 働いて家事もします」
マリン「だから帰ってきてくださいって・・・」
ラピス「・・・私がバカだったわ」
ラピス「私にはジェーンとマリンほど大切なものはないわ。世界で一番、二人を愛してる」
ジェーン「あ、私だってお姉さまとマリンが一番よ!」
マリン「お父さまがいなくても? お嫁にいけなくても?」
ラピス「まだお嫁さんになりたくないの。 姑にいびられるなんてごめんだわ」
ジェーン「ラシードのお母さま、 とっても怖いものね」
ジェーン「私だったら隣町のクォーツ様の方がいいわ。 カッコよくてお金持ちだもの」
ジェーン「ラシードは優しいけど頼りないわ。 お姉さまが嫁ぐにはもったいない」
ジェーン「何か変なこと言ったかしら?」
ラピス「さ、帰りましょう」
ジェーン「その蛇持ってかえるの?」
ラピス「蛇の肉は意外と美味しいのよ?」
マリン「あたしも作るの手伝うね!」

〇説明会場(モニター無し)
  長女・ラピス役 石動 凛子
  次女・ジェーン役 木嶋 萌奈
  三女・マリン役 七海 さくら
木嶋 萌奈「お姉さま、どこにいらっしゃるの?」
石動 凛子「こっちよ、ジェーン」
木嶋 萌奈「まぁ! その人形、どうされたの?」
石動 凛子「お父さまからマリンへのプレゼントよ」
木嶋 萌奈「素敵ね。 お父様、もうじき帰ってくるのかしら?」
石動 凛子「まだお帰りにはならないそうよ」
木嶋 萌奈「・・・そう」
石動 凛子「さぁ、お家に帰りましょう。 マリンが待っているわ」
七海 さくら「おかえりなさい!」
「ただいま!」
石動 凛子「お父さまからよ」
七海 さくら「お父さま・・・」
木嶋 萌奈「かわいいわね。 私も新しいお洋服がほしいなぁ」
石動 凛子「そういうことはもう少し料理が出来るように なってから言ってちょうだい」
木嶋 萌奈「あら、お料理なんてして 私の指が傷ついたら嫌だもの」
七海 さくら「ジェーンお姉さまのピアノはとっても上手。 お歌も素敵なん・・・なのよ!」
木嶋 萌奈「よーし、 そのお人形さんと一緒に歌いましょう!」
石動 凛子「まったくもう! マリンに変な影響与えないでよね!?」
小鳥遊 真緒「うん。 はじめて合わせたにしては良かったね」
小鳥遊 真緒「あー、でも石動さんと七海さんは ところどころアクセントおかしかったから気をつけてね」
「は、はい!!」
小鳥遊 真緒「これは全員に言うけど、 これからは発声やアクセントの指摘はしません」
小鳥遊 真緒「木嶋さんはもっと動きつけて。 ジェーンにしては型にはまりすぎてる」
小鳥遊 真緒「でもセリフの感じとかは良かったよ」
木嶋 萌奈「ありがとうございます!」
石動 凛子(また、アクセント。 演技はどうだったかな?)
石動 凛子(ローズマリーに比べたら ラピスに共感出来る・・・けど)
石動 凛子(弱気になったらダメ。 次までにラピスをものにしないと)
石動 凛子(想定よりも遅れてる。 周りと差が出来てないもの)
石動 凛子(むしろ演技に入ってから私・・・)

〇説明会場(モニター無し)
石動 凛子(ジェーン!?)

〇説明会場(モニター無し)
廻 心春「お姉さま、どこにいらっしゃるの?」
養成所の生徒「こっちよ、ジェーン」
廻 心春「まぁ! その人形、どうされたの?」
養成所の生徒「お父さまからマリンへのプレゼントよ」
廻 心春「素敵ね。 お父様、もうじき帰ってくるのかしら?」
養成所の生徒「まだお帰りにはならないそうよ」
廻 心春「・・・そう」
養成所の生徒「さぁ、お家に帰りましょう。 マリンが待っているわ」
宇野 聖羅「ぉかえりなさ〜ぃ」
「ただいま!」
養成所の生徒「お父さまからよ」
宇野 聖羅「おとーさま」
廻 心春「かわいいわね。 私も新しいお洋服がほしいなぁ」
養成所の生徒「そういうことはもう少し料理が出来るように なってから言ってちょうだい」
廻 心春「あら、お料理なんてして 私の指が傷ついたら嫌だもの」
宇野 聖羅「ジェーンおねーさまのピアノはとてもじょーず。おうたもステキなのよ」
廻 心春「よーし、 そのお人形さんと一緒に歌いましょう!」
養成所の生徒「まったくもう! マリンに変な影響与えないでよね!?」
小鳥遊 真緒「廻さんって遊び心あるのね」
廻 心春「えっと・・・」
小鳥遊 真緒「そういう解釈もいいね。 ジェーンは華やかな世界に憧れてるから」
小鳥遊 真緒「どうしてそう演じたの?」
廻 心春「ジェーンは華やかな世界に憧れてるから、少し勝気に背を伸ばす子かなと思って」
廻 心春「自由気ままなお転婆さを残しつつ、澄ました顔をしたがる年頃かと・・・」
廻 心春「あと、家族との関係性・・・。 ジェーンにとって父親はどんな存在かなって」
小鳥遊 真緒「なるほどねー。 廻さんらしいジェーンじゃないかな?」
小鳥遊 真緒「もっと思いきり動いていいよ。 動きが遠慮がちなところがあるから」
廻 心春「はい!」
小鳥遊 真緒「宇野さんはずいぶんとのんびりしたマリンって感じだね」
小鳥遊 真緒「マリンは年齢の割にしっかり者だから もう少し一生懸命な感じが欲しいかな」
宇野 聖羅「・・・はい」
小鳥遊 真緒「それこそ普段の宇野さんと足して割る感じが あってると思うけど──」
石動 凛子(負ける)
  このままだと講師推薦に選ばれない。
  一番になれない。

〇オフィスビル前の道
石動 凛子(ちょっと、つかれたなぁ)
石動 凛子(久しぶりにカフェでも行こうかな。 でも練習時間が・・・)
七海 さくら「おまたせー」
(とっさに隠れちゃった。 ・・・リア充とか見たくなーい)
七海 さくら「これ、おすすめされた本。 読んでみたよ」
???「あ、読んでくれたんだー。 今日の勉強会はみんな読んでるから話も通じると思うよ」
七海 さくら「・・・うん」
???「じゃあ行こうか。 そういえば──」
石動 凛子(勉強会? 養成所以外になにかやってるのかな?)
石動 凛子「でも七海さんってあの年齢で社会人だから 養成所通うのも大変だよね」
石動 凛子「えらいな。 私も・・・もっとがんばらないと」
石動 凛子(がんばらないと、夢に届かない。 前例を作るのだからまだまだ努力が足りてない)
石動 凛子「──他の人、気にかけてる余裕なんてないのに」

〇高層ビルの出入口
石動 凛子「見失っちゃった」
石動 凛子(こんな服装で歩く場所じゃないわね)
石動 凛子「帰ろ・・・」
石動 凛子「ん?」
石動 凛子「ご、ごめんなさい!」
???「あんた・・・」
石動 凛子「どこかでお会いしました?」
???「別に。 覚えてないならいいです」
石動 凛子「ちょ、ちょっと待って!!」
石動 凛子「ごめんなさい、思い出しました。 近藤くんのお友達の脚本担当くんだよね?」
???「・・・はい」
石動 凛子「どうしてここに? 一人なの?」
???「・・・ちょっと」
石動 凛子(会話が続かない。 私みたいなかなり年上とは話したくないか)
石動 凛子「引き止めてごめんね。 それじゃ!」
石動 凛子「・・・どうしたの? 大丈夫?」
???「・・・シャ」
石動 凛子「え?」
???「サーシャだよね?」
石動 凛子(誰!?)

〇高層ビルの出入口
石動 凛子(こ、これは・・・)
「一体なにごとなのー!?」

次のエピソード:voice【7】夢をバカにするな! タイムイズマネー? ドリームイズ……?

コメント

  • お、ここでイケメンくんが登場ですか!
    ちょっとニヨニヨ展開期待しちゃっていいですか?😇
    年齢ってどうしても誰にでもやってきて逃れられない壁のようなものですよね。凛子の気持ちが痛いほどわかります。

  • 凛子さーん、恋の予感ですか⁉️そういうのきますか⁉️😍
    年下の男の子とのラブ💓💏💓……密かに期待しております😌
    そして今回、うちの子にジェーンという名を下さりありがとうございました✨✨
    パッと若草物語を思い出しました!(ぜんぜん違うかもしれませんが💦)
    うちの子がジェーンで、みんながジェーンになりきるという難しい設定ですね😵💦でも新鮮で楽しいです😆
    次話も楽しみにしています☘️

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