Ep.9 / THE ELUSIVE NIGHT WATCH #9(脚本)
〇ビルの裏
モヒカン2「なに、ブツブツ言ってやがる! この野郎ぉっ!!」
久常紫雲「うおおっ。マジでっ!?」
僕は、バックステップで回避する。
久常紫雲「ちょっ! 危ない!」
モヒカン2「避けんな!」
久常紫雲「無茶言うな!」
モヒカン1「いくぞ! うおおおっ!」
そこに、もう1人のモヒカンもナイフを構えて参戦してきた。
久常紫雲(やばい!)
と思った時には、身体が勝手に動いた。
2人のナイフを、華麗な身のこなしで回避する。
久常紫雲「うひゃー!? って、あれ。意外と楽勝? いける?」
久常朱丹「・・・すごい!」
安藤緑「これはっ! 100万再生は堅いっ!」
モヒカンたちは肩で息をしている。
モヒカン2「ちくしょう、ちょこまかと!」
すこし余裕のできた僕は、朱丹に目配せをする。
久常朱丹「・・・!」
朱丹(すに)はハッとして頷き、緑ちゃんを引っ張って下がらせた。
安藤緑「ああん。ベストアングルが」
久常朱丹「危ないからっ」
僕はモヒカンたちを睨みつける。
久常紫雲「・・・そろそろ、帰る気になった?」
モヒカン2「馬鹿にしてんのか!」
また、ワンパターンのナイフ攻撃を仕掛けてくる。
久常紫雲「もう、仕方ないなっ!」
ナイフをかいくぐり、クロスカウンター気味に顔面ストレートを見舞う。
モヒカン2「うぶぅっ!?」
にぶい音が響き、モヒカンはナイフを落とす。
そして・・・僕の手首も「ぐきりっ」と不穏な音を立てた。
久常紫雲「~~~~ッ!?」
〇ビルの裏
久常朱丹「決まった? 少し浅い?」
久常朱丹「でもここから、畳みかければ、一気に・・・あれ?」
〇ビルの裏
僕は手首を押さえて、数歩さがる。
久常紫雲「ッつぅ~~~~~ッ!!」
根須戸智是「しゅーちゃん、どうしたの・・・あっ」
ちーちゃんが僕のバイタルをチェックすると、右手首が真っ赤に点灯していた。
根須戸智是「大丈夫。手首、軽くひねっただけ」
久常紫雲「ヴィラハンで殴るのは、映像だから」
久常紫雲「拳・・・鍛えてないんだよね。イテテ」
根須戸智是「今後の課題ね」
久常紫雲「そうだね。・・・って、えっ。 今後もこれやるの? 決定事項なの?」
根須戸智是「さっき一瞬楽しそうだったじゃない」
久常紫雲「・・・正直、調子乗ってました」
根須戸智是「後悔してるヒマないよ。ほら、きた」
モヒカン2「どぉりゃぁあああっ!」
モヒカン1「うおおおお~~っ!」
久常紫雲「ああもうっ!」
身体が勝手に動いた。
モヒカンのアゴに鋭い蹴りが炸裂する。
モヒカン2「・・・ぽふぉ!?」
モヒカンの姿が元のチンピラに戻り、倒れる。
チンピラ2「・・・・・・」
モヒカン1「・・・えっ。一撃・・・」
久常紫雲「お帰りはこちら」
僕は路地の脇に寄り、道をあける。
戦意を失ったモヒカンの姿が、元のチンピラに戻った。
チンピラ1「・・・! はい、帰ります!」
チンピラは僕の脇を抜けて、脱兎のごとく逃げていった。
根須戸智是「しゅーちゃん、そろそろ警察来るよ」
表示された地図に、近づいてくる警察のマークが表示されている。
久常紫雲「おっとと。僕らも早く帰ろう」
久常朱丹「・・・あのっ!」
久常紫雲「なんだい?」
久常紫雲「・・・正体バレたかな? もしかして」
根須戸智是「それ、困る。うまくごまかして」
久常紫雲「無茶振りよくない」
久常朱丹「あのっ! あなたは、その」
安藤緑「ナイトウォッチでしょ! 今話題の!」
久常紫雲「えっと・・・」
久常紫雲「コスプレの偽物です。 とは言いずらい空気・・・どうしよ」
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