Case10 最強の一般人、ヒーローと一戦交える(脚本)
〇コンビニのレジ
Case10 最強の一般人、ヒーローと一戦交える
地味田地味子(じみた じみこ)「モクモク・・・」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「せんぱーーい! こんにちはー!」
地味田地味子(じみた じみこ)「おはようございます」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「そろそろ交代なんで、もう裏に回っていいですよ」
地味田地味子(じみた じみこ)「うっす」
ピロロン♪ ピロロン♪
ウイーン
派手宮派手菜(はでみや はてな)「いらっしゃいませー!」
地味田地味子(じみた じみこ)「いらっしゃしゃしゃしゃせー!」
正義のヒーロー・アカガミ「・・・」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「・・・」
地味田地味子(じみた じみこ)「・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「・・・」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「先輩、警察呼んだ方がいいですか?」
地味田地味子(じみた じみこ)「その前に潰す」
正義のヒーロー・アカガミ「ま、待て待て待てーーーい!!」
正義のヒーロー・アカガミ「見た目で勝手に犯罪者扱いしないでくれ!」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「いや・・・そんな、身体の凹凸がはっきり分かるパツパツな格好をしているから」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「てっきり公然わいせつ罪扱いの方かと思ったので・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「いや・・・まぁ、確かにこんな格好をしているけど・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「俺はヒーローのアカガミって言うんだ!」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「アカガミ・・・ハッ!」
正義のヒーロー・アカガミ「おっ、知ってくれているのか?」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「いや、『アカガミ』っていう名前が、いくらなんでも安直過ぎじゃないと思って・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「そ、そうか・・・」
地味田地味子(じみた じみこ)「ところで、何の用すか?」
正義のヒーロー・アカガミ「あぁ、そうだった! 落ち込んでいる場合じゃなかった!」
正義のヒーロー・アカガミ「そこの君」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「なんですか?」
正義のヒーロー・アカガミ「君じゃない。そこの地味な君だ」
地味田地味子(じみた じみこ)「はい、なんすか」
正義のヒーロー・アカガミ「君が昨日怪人に人質になった子だよね?」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「え?! そうなの?!」
地味田地味子(じみた じみこ)「そうっすけど・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「君は人質になった怪人を倒したよね?」
地味田地味子(じみた じみこ)「そうっす」
正義のヒーロー・アカガミ「どうやって、そんな力を手に入れたんだ?」
地味田地味子(じみた じみこ)「鍛錬」
正義のヒーロー・アカガミ「ぐ、具体的に・・・」
地味田地味子(じみた じみこ)「基本ストレッチと健康的な食事と睡眠と実戦経験っすね」
正義のヒーロー・アカガミ「お、おぉ・・・割と普通」
地味田地味子(じみた じみこ)「これでいいっすか?」
正義のヒーロー・アカガミ「えぇ・・・まぁ・・・」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「じゃあ、とっととお帰りください。変態ヒーロー」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「三秒以内に出ていかないと、警察に通報しますよ」
正義のヒーロー・アカガミ「ま、満面の笑みでなんて恐ろしい事を言うんだ・・・」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「あ、三秒経ったので、警察呼びますね」
正義のヒーロー・アカガミ「や、やめてくれーーーー!!!」
店長「お前ら、さっきから騒がしいぞ」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「あっ! 店長!」
地味田地味子(じみた じみこ)「うっす」
正義のヒーロー・アカガミ「・・・ん?」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「店長ー! 聞いてくださいよ!」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「そこのパツパツの格好をした変態が、故意に局部を強調させたズボンを私達に見せてくるんですー!」
正義のヒーロー・アカガミ「してねぇわ! お前らが勝手にそう思ってるだけだろ?!」
店長「・・・お客様」
正義のヒーロー・アカガミ「ち、違います! 違います!」
正義のヒーロー・アカガミ「私は正真正銘のヒーローです!」
正義のヒーロー・アカガミ「・・・というか、こんな所で何をしている」
正義のヒーロー・アカガミ「"悪の女帝"さんよ」
店長「!!」
地味田地味子(じみた じみこ)「!!」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「な、なんで・・・ボスの異名を・・・」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「ハッ! まさか、あなた・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「俺は一度世界を救ったヒーローだぞ?」
正義のヒーロー・アカガミ「格好は違えど、戦った相手の顔を忘れる訳ないだろ」
店長「・・・」
派手菜(怪人化)「ヴウウウウウウウウ・・・!!」
正義のヒーロー・アカガミ「・・・ほう、君は確か女帝の幹部だった者だね」
正義のヒーロー・アカガミ「確かあの時冷凍して木っ端微塵にしたはずなんだけど・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「なんで、生き返ってるんだ?」
派手菜(怪人化)「オマエガ シル ヒツヨウ ナシ!!」
派手菜(怪人化)「コロス コロス コロス コロス コロス」
派手菜(怪人化)「コロスウウウウウウウウ!!!!!」
正義のヒーロー・アカガミ「いいぞ。だが・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「今度は二度と生き返られないように、原型留められなくなるまで、破壊してやる」
派手菜(怪人化)「ヴゥッ!! ヴウウウ・・・」
店長「やれろ。派手菜」
派手菜(怪人化)「ぼ、ボスゥウウウウウ・・・デモォオオオ」
店長「やめるんだ」
派手菜(怪人化)「ウゥゥゥウウウウウ・・・」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「ムゥ・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「ほう、理性を取り戻すと、人間になるのか」
店長「アカガミ、悪いが、帰ってくれ」
店長「私達はもう引退したんだ。今はこうして、真面目に働いている」
正義のヒーロー・アカガミ「ふん! どうだか・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「そう言って、こっそり何か企んでいるんだろ!」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「ちょっと! ボスが『何もしていない』って言うんだから、さっさと帰りなさいよ!」
正義のヒーロー・アカガミ「悪の言うことなんか、誰が聞くか!」
正義のヒーロー・アカガミ「ここで、店ごと破壊してやる!」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「なっ?! この──」
正義のヒーロー・アカガミ「ぶふっ?! うっ・・・」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「え?」
店長「なっ・・・」
地味田地味子(じみた じみこ)「・・・」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「せ、先輩・・・」
地味田地味子(じみた じみこ)「帰ってください」
地味田地味子(じみた じみこ)「この店は店長と、派手菜さんと、根暗くんと、私のものなので」
地味田地味子(じみた じみこ)「勝手に壊すのは止めてください」
正義のヒーロー・アカガミ「くっ・・・悪の味方をするのか・・・君は・・・」
地味田地味子(じみた じみこ)「私から見たら、あなたの方が悪に見えます」
正義のヒーロー・アカガミ「なっ・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「なんだとぉおおおおおおおお?!?!?」
正義のヒーロー・アカガミ「正義のヒーローに向かって、『悪』だと?!」
正義のヒーロー・アカガミ「世界を救ったヒーローに向かって!!」
地味田地味子(じみた じみこ)「でも、犯罪は未だに無くならないじゃないっすか」
正義のヒーロー・アカガミ「あああああああああん?!?!」
派手宮派手菜(はでみや はてな)「せ、先輩・・・ほどほどにしないと・・・」
地味田地味子(じみた じみこ)「全ての争いと犯罪が無くなってから、ヒーローと名乗ってください」
正義のヒーロー・アカガミ「ぶっとばあああああああす!!!!」
地味田地味子(じみた じみこ)「ほっ」
正義のヒーロー・アカガミ「ちっ・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「まだまだあああああああ!!!」
地味田地味子(じみた じみこ)「ほっ」
地味田地味子(じみた じみこ)「ほっ」
地味田地味子(じみた じみこ)「ほっ」
地味田地味子(じみた じみこ)「ほっ」
地味田地味子(じみた じみこ)「ほっ」
正義のヒーロー・アカガミ「ちぃ! ちょこまか動きやがって・・・」
地味田地味子(じみた じみこ)「とても正義のヒーローらしからぬ攻撃っすね」
正義のヒーロー・アカガミ「くぅぅぅぅ・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「ならば、見せてやるよ」
正義のヒーロー・アカガミ「俺の本気を・・・!!」
正義のヒーロー・アカガミ「ハァ!!!」
正義のヒーロー・アカガミ「ハァァァァァァ・・・!!」
地味田地味子(じみた じみこ)「・・・」
正義のヒーロー・アカガミ「フフフ・・・この本気モードの俺は今まで強さが桁違いになるぞ」
地味田地味子(じみた じみこ)「そうっすか」
正義のヒーロー・アカガミ「見るがいい!!!」
正義のヒーロー・アカガミ「破滅の一撃《ジエンド・ワンパン》!!!!」
正義のヒーロー・アカガミ「死ねぇええええあああああああ!!!!」
地味田地味子(じみた じみこ)「ほっ」
正義のヒーロー・アカガミ「ぐっ・・・!!」
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