第2誓 返さなきゃ!(脚本)
〇中東の街
ルイーナ「・・・って──どうしよう・・・」
ルイーナ「・・・道・・・間違えたかな? ・・・何か、この間ラスキアと来た時の街並みと違う・・・?ような・・・?」
ルイーナ(ひ、引き返そう・・・!!)
ルイーナ「・・・」
ルイーナ「・・・って・・・あれ?──行き止まり──!?」
ルイーナ(落ち着け!落ち着け!! ・・・あっちから来たから・・・)
チャラい兵士「ん〜? お嬢ちゃん・・・こんな所でどうしたの? あ、もしかして・・・迷子ぉ?」
チャラい兵士「・・・お兄さんがぁ・・・ 道案内してあげるよぉ?」
ルイーナ(・・・!!)
ルイーナ「け、結構ですっ!!!!!!!!」
ルイーナ(・・・お、追って来てない!?よね!?)
チャラい兵士「つーかまえーたー♪」
ルイーナ「はっ・・・離して!!!!!!」
チャラい兵士「・・・イイねぇ♪・・・もっと抵抗してみろよ・・・?」
ルイーナ「だっ!!!!誰か──!!!!!!」
チャラい兵士「誰も・・・来やしねぇ──」
チャラい兵士「うっっっ!?!?!?」
???「ライオールの城下で・・・ 騎士が何をしている?」
チャラい兵士「あぁん!?誰だ?テメェ!? 邪魔すんじゃねーよ!!」
???「・・・なってないな・・・」
チャラい兵士「あぁん!?」
近衛騎士 エクス「はっ!お呼びですか!?」
???「・・・教育がなってないぞ? ・・・躾てやれ・・・!!」
近衛騎士 エクス「はっ!!」
???「・・・」
ルイーナ「・・・」
???「・・・大事ないか?」
ルイーナ「・・・はっ!! ハイッ!!!!!! 大丈夫ですっ! ありがとうございました!!!!!!」
ルイーナ「──って・・・あっ!! 貴方は・・・宝石の人!?」
???「ん? ・・・ああ、キミは・・・ 昨日の花売りの──?」
ルイーナ「良かった・・・!!」
ルイーナ「私!!貴方を探していたんです!!!!!!」
〇中東の街
???「・・・オレを?」
ルイーナ「はいっ! ・・・あの──助けて頂いたのに・・・不躾で悪いんですが・・・」
ルイーナ「コレを・・・お返ししようと思って──」
???「・・・その為に・・・わざわざこんな所を一人で?」
ルイーナ「・・・は、はい・・・」
ルイーナ「・・・ライオールの市場を目指して・・・うっかり道に迷ったのは・・・想定外でしたけど・・・」
???「・・・この辺、今・・・治水工事で・・・ 今だけ東西の市場は合同で中央広場で開かれているんだ・・・」
ルイーナ「!? そうだったんですか!」
???「・・・というより・・・宝石は花代だ ・・・もらってくれないと・・・こっちが困るんだが・・・?」
ルイーナ「いやいや! 花代にしては高価すぎますっ!!」
???「・・・そうなのか?」
ルイーナ(・・・この人・・・宝石の価値・・・わかってないのかしら・・・? ・・・それとも・・・この宝石、偽物!?)
近衛騎士 エクス「・・・失礼ながら・・・ゼノンアビス様・・・ その宝石だと・・・花売りの1日の売り上げの10倍以上の値打ちかと・・・」
ルイーナ「ひょえっ!? や、やっぱり高価すぎますっ!!!!!!」
???「・・・だが・・・この者の働きは・・・ この宝石に劣らない働きだったように見えたが?」
ルイーナ「えっ!?」
???「あぁ・・・すまない ここ数日、ライオール以外の市場にも視察に行って・・・皆の働きぶりを見させてもらってたんだ・・・」
???「・・・その中でも・・・キミの働きは素晴らしいと思ったんだが・・・?」
ルイーナ「・・・あ、あの・・・ 失礼ですが・・・ 貴方は・・・!?」
近衛騎士 エクス「──コホン・・・」
近衛騎士 エクス「太陽の王子──ゼノンアビス様で あらせられる!!!!!!」
ルイーナ「・・・太陽の・・・王子様・・・!?」
ゼノンアビス「ああ!! 堅苦しいのは嫌いだ! ゼノと呼んでくれ!!」
ルイーナ「・・・ゼ・・・ゼノ様・・・?」
ゼノンアビス「ああ! 良ければキミの名前も教えてくれると ありがたいんだが・・・?」
ルイーナ「はっ!! 失礼致しました!! ルイーナと申します!!」
ゼノンアビス「良い名だな!! ルイーナ!! 良ければ・・・キミの店を出している市場まで送ろう!」
ルイーナ「へっ!?そんなっ!? 太陽の王子様に──!! そんな手を煩わせるような真似はできませんっ!」
ゼノンアビス「気にするな! ・・・それに・・・また迷われても困るしな?」
ルイーナ「・・・ゔっ・・・──!!!!」
〇西洋の市場
ゼノンアビス「・・・ここまで来れば安心だろ?」
ルイーナ「はい! すみません! ありがとうございました!」
ラスキア「ルイーナッッッ!!!!!!!!」
ルイーナ「・・・あ・・・ラスキア・・・」
ラスキア「どこに行ってたんだ!? 探したんだぞ!!!!」
ルイーナ「・・・ご、ごめん・・・」
ゼノンアビス「ルイーナの家族の者か?」
ラスキア「・・・貴方は?」
ルイーナ「あ、ラスキア! この方はね! 私がライオールの城下町で迷子になってる所を助けてくれた──」
ゼノンアビス「ゼノだ! よろしくな! ルイーナのお兄さん♪」
ラスキア「・・・」
ラスキア「ルイーナを助けてくださって ありがとうございました・・・」
ラスキア「では・・・」
ルイーナ「あ、ゼノ様! 今日は、本当にありがとうございました!」
ルイーナ「このお礼はいつかまた! 必ず! 月影のご慈悲を!」
ゼノンアビス「ああ! 月影のご慈悲を!」
〇小さな小屋
ルイーナ「・・・・・・心配かけて・・・ ごめんなさい・・・・・・」
ラスキア「・・・何かあってからじゃ遅いんだからな!?」
リムド「・・・ルイーナ・・・ ラスキアが怒るのも無理はない・・・ きちんと反省しなさい」
ルイーナ「・・・はい・・・」
ラスキア「で? 宝石は、返したのか!?」
ルイーナ「えっ!? あ・・・えーと・・・その・・・」
リムド「・・・返してないんだな!?」
ルイーナ「・・・う・・・うん・・・ ごめんなさい・・・」
「・・・」
ルイーナ(・・・ゼノ様は・・・ お忍びで市場に来てるみたいだったから・・・ 太陽の王子様って事は隠した方が良いかな・・・?)
ルイーナ「・・・ゼノ様は・・・ ライオール城の関係の人らしくて・・・ 市場視察に来てたんだって・・・」
ルイーナ「・・・で、働きぶりが良い人を見つけては・・・それに見合う宝石をお代で支払っていたんだって・・・」
ルイーナ「私の働きも・・・この宝石分の価値があるって言われて・・・」
リムド「・・・王城の視察の者に認められたのは 悪くない事だが・・・」
リムド「あまり目立ちすぎは良くない・・・」
リムド「ルイーナ しばらくは・・・ ラスキアと一緒に店を出しなさい」
ルイーナ「えっ!?」
〇西洋の市場
ルイーナ「いらっしゃいませ〜!!!!」
ラスキア「いらっしゃいませ〜!!」
お客さん「おやまぁ! 今日はラスキアくんも一緒かい?」
ルイーナ「ええ・・・」
お客さん②「旦那と一緒なんて珍しいじゃねーか!?」
ルイーナ「だっ!?旦那じゃありません!!!!」
お客さん②「ハハハッ!! いいじゃねーか!! 一緒に暮らしているんだ! もう夫婦みてぇなモンだろ!?」
「え〜!!!! ラスキアさん、結婚してたのっ!!!!!!!?」
ラスキア「・・・ああ・・・ 言ってなかったっけ? ごめんごめん」
ルイーナ「ラスキアも! 何、言ってるのよ!?」
ルイーナ「してない!! 私達、結婚してないからねっ!?」
ラスキアのお客さん①「・・・結婚してないなら・・・ ワタシ・・・!! ラスキアさんの『太陽の涙』に立候補しようかしら?」
「えー!? ずるーい!!!!」
ラスキアのお客さん②「なら、ワタシも立候補する!!」
ラスキアのお客さん③「なら、ワタシも!!!!」
ラスキア「お言葉は嬉しい・・・けど 俺・・・ もう心に決めている人がいるから・・・」
ラスキア「ごめんね?」
ラスキア「お詫びに 今ならこの縁結びのチャームも付けるよ? どれか、買って行かない?」
「!!!!!!!?」
ラスキアのお客さん①「ラスキアさんの縁結びのチャームは レアアイテム!」
「買います!!!!!!」
ラスキア「まいどあり〜♪」
〇西洋の市場
ルイーナ(・・・そう言えば・・・ ライオール王城からのご招待の手紙・・・)
ルイーナ(期日が書いてなかったけど・・・ いつ行けばいいんだろう?)
ラスキア「・・・どうした? 何か企み事か?」
ルイーナ「ヘッヘッヘッ・・・ 実は・・・」
ルイーナ「・・・って── ひどいなぁ!! 何も企んでないよ!!」
???「こんにちは! ヘリアンテス、まだ残っているかな?」
「いらっしゃいませ〜!!」
ゼノンアビス「やぁ!!」
ルイーナ「・・・って──ゼ、ゼノ様!?」
『月影のご慈悲を』とても素敵でロマンチックな挨拶ですね🥰
独特の世界観と緻密で素敵なイラストがマッチしていて、第2誓も惹かれるようにすらすら読み終わってしまいました。王子様と幼なじみに挟まれたルイーナ、二人には静かな火花が散っていそう。お城への招待の思惑も気になります🤔
ラルクの『flower』、私もとても好きな曲です!もしかしてゼノのイメージですかね…?
今後は爽やか美青年2人がルイーナを巡って取り合い、なんて展開も…?🤔
玉の輿かはたまた幼なじみか…🤔🤔
少女漫画のような雰囲気でありながらicoさんの世界観が出てて好きです!
普段ラブロマンスものを見る機会がないのでその辺の知識がないのですが、それがまた新鮮な気持ちでicoさんの物語を読めるので逆に良かったなとも思います笑
女の子たちに売りつけるラスキアが商売上手で笑いました🤣
この丁寧に編み上げられた物語世界……大好きです😂 そしてルイーナさんの正統派ヒロイン的な清々しい様子が、見ていて何とも心地いいです😊
ラスキアさんの取り巻き達のシルエット姿、インパクトが凄いですが見事にフィットしてますね😆