マッチングビースト~野獣が美女とアプリで出会うまで~

YO-SUKE

第七話「マッチングアプリでは奇跡が起こることがあります!」(脚本)

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〇講義室
呉羽七海「五年前──」
呉羽七海「私はあの山に遊びに行って 仲間とはぐれた」
呉羽七海「そしてあなたに見つかって あの山小屋に連れて行かれたのよ」
ダン「そうだ・・・あの時」
ダン「捕まえたはずの女が いつの間にか消えていたんだ」
呉羽七海「まともに逃げたら、異常な嗅覚を 持っているあなたに捕まる」
呉羽七海「だから私は、あなたが食べ残した 熊の肝を身体に塗りたくった」
呉羽七海「あれは・・・」

〇流れる血
呉羽七海「今でも夢に思い出す くらいの悪臭だったのよ」

〇講義室
ダン「あの時の女が なぜいま俺を捕まえるんだ?」
呉羽七海「街に戻った私は、あんたのことを 話したけど誰も信じてくれなかった」
呉羽七海「山に野獣が住んでいるなんて ただの妄想だとバカにされてね・・・」
呉羽七海「だから時間をかけて準備をした」
呉羽七海「生物学の研究員としてここに入ったことも こうしてあなたを白日の下に晒すためよ」
呉羽七海「私はあなたへの復讐と、研究員としての 栄光を同時に手に入れてみせる」
ダン「そうか・・・ なら俺は、桃香になんてひどいことを」

〇川に架かる橋の下
ダン「うるさい! 俺は七海を信じる!」

〇講義室
ダン「桃香・・・すまない・・・」
呉羽七海「桃香? ああ、あの女子高生ね」
呉羽七海「昨日もここでコソコソしてたみたいだけど」
呉羽七海「わざと泳がせてやったわよ」
ダン「! 桃香に何かしたのか?」
呉羽七海「別に」
呉羽七海「マッチングアプリで男を漁っているような 女子高生、最初から相手にしていない」
ダン「黙れ。桃香を悪く言うな」
呉羽七海「それに、あの子が私の正体を あなたに話したところで」
呉羽七海「どうせあなたはそれを信じないでしょ?」
ダン「それは・・・」
呉羽七海「他人に信じてもらえない苦しみを あの子も味わうといい」
呉羽七海「バカな女子高生には いいお灸になるんじゃない」
ダン「許せん・・・許せんぞ・・・」
呉羽七海「あははっ! なんとでも言いなさい!」
呉羽七海「あんたにはもうどうすることもできない」
ダン「グ・・・グヌ・・・」
呉羽七海「ふふ、無駄よ。あなたの体が 膨張することも計算してるわ」
ダン「グギィヤァァァァァ!!!」
呉羽七海「なっ! 嘘でしょ」
呉羽七海「ここまで体が大きくなるなんて 今まで一度も──」
研究員「うわぁぁぁぁ!!!」
呉羽七海「落ち着きなさい! 殺しちゃダメ! 麻酔銃を使いなさい」
研究員「ダ、ダメです! 針が刺さりません」
呉羽七海「そんな・・・!」
ダン「ガァァァァァァァァァーーー!!!」
呉羽七海「バ、バケモノ・・・!」
ダン「今、ここで・・・お前を食う・・・」
呉羽七海「ひぃ・・・! 助けて!」
江守桃香「ダメ!」
ダン「桃香・・・?」
江守桃香「そんなやつ食べたっておいしくない それに」
江守桃香「せっかく頑張って相手を探してきたのに そんな勢いだけで食べちゃっていいの?」
ダン「しかし──」
江守桃香「どうしても食べたいっていうなら 私のことを食べて」
ダン「・・・ダメだ。それはできない」
江守桃香「元に戻った・・・!」
江守桃香「良かった!」
ダン「桃香・・・すまない」
ダン「俺はお前の言うことを 聞こうともしなかったのに・・・」
ダン「なぜここに来たんだ?」
江守桃香「だって・・・」
江守桃香「私以外に、あんたを扱える女は いないだろうしね」
ダン「桃香・・・俺」
ダン「多分・・・お前のこと──」
呉羽七海「死ね・・・!」
ダン「ぐっ・・・!」
江守桃香「拳銃!? そんなものまで・・・」
呉羽七海「こ、これくらい用意するわよ バケモノ相手だもの」
呉羽七海「もう一発、今度は頭にぶち込んでやる──」
小湊亜衣「させるか」
小湊亜衣「このバカァ!!!」
呉羽七海「くっ・・・!」
警備員「こ、こら! 暴れるな!」
呉羽七海「は、離しなさい! あのバケモノは私が殺してやるっ・・・!」
江守桃香「ダン! 傷・・・」
江守桃香「血がたくさん出てる! 早く手当てをしないと・・・!」
ダン「だ、大丈夫だ。これくらい」
江守桃香「そんなわけない!」
江守桃香「このままじゃダンが死んじゃう」

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