ひと駅Novelコンテスト『渋谷』 鉄砲かついだディアブロ

松岡公平

読切(脚本)

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〇SHIBUYA109
  ディアブロは、屋上から渋谷スクランブルを眺めていた。多くの人が、ぶつかり合うこともなく、交差点を渡っていく。

〇暗い廊下
  欲望にかられ、簡単に、人間を困らせることのできる小才と胆力のある手下をディアボロは探していた。

〇渋谷の雑踏
  よく見ると、仮装した者が多くいる。ディアブロは、背中に鉄砲をかつぎ、地上に降りて、みんなと一緒に歩き出した。

〇渋谷の雑踏
  みんなは、ディアブロをチラリと見るだけで、その本性には気づかなかった。

〇綺麗なダイニング
安奈(待っていたよ!)
咲良(こんにちは!安奈やってきたよ!)

〇ポリゴン
  久しぶりに会った二人は、いつまでもお喋りで盛り上がった。

〇食器
安奈(あした、渋谷に行こうよ!)
咲良(行く行く!渋谷って時代を先取りしているんだよね!)
  咲良は、おおのりきで答えた。

〇UFOの飛ぶ空
  翌日、咲良と安奈、そして、鉄砲をかついだディアブロも、前の日、本性を見破られなかってことに、上機嫌で歩き廻っていた。

〇渋谷の雑踏
ディアブロ「ギラギラと何かを求めている、人とのつながりを求めている若者が、多くいるな!小才と胆力のあるやつはどいつだ!」
  ディアブロは呟いた。

〇オレンジ(ディープ)
咲良(ここは、私の気持ちを解ってくれそうな雰囲気があるね)
安奈(me to !)

〇海
  日本も、家電の三種の神器で生活が手助けされ、次の、好景気がきて、3Cで、さらに快適になった。社会が、豊かになった。

〇風
  咲良や安奈のお爺ちゃんやお父さんは、家電の三種の神器、3Cを持つために頑張った。今は、それらが、当たり前のようにある。

〇渋谷の雑踏
警察官「背中に背負っているものを見せて下さい」
  近づいた警察官は、ディアブロに職務質問した。

〇SHIBUYA109
  ディアブロが悪魔であることに気づいた若者が、大きな声で叫んだ。
若者(人間の姿をした悪魔がいるぞ!追い出そう    !カウントダウンだ!9,・・・,3,2,1,0,悪魔よ 出ていけ!)

〇渋谷のスクランブル交差点
若者(人間の姿ををした悪魔がいるぞ! みんなで、追い出そう! カウントダウンだ!10,9,・・・、1,0,悪魔よ、出ていけ!)

〇渋谷駅前
  本性を見破られたディアブロは、一瞬のうちに姿を消した。

〇スカイフィッシュの群れ
  カウントダウンは、みんなをひとつにした。

〇海
咲良(ここでは、みんな孤立していないね。仲間がいる。応援してくれるひとがいる)

〇木調
安奈(咲良ちゃん、あの仮装をしたひとは、本当に悪魔だったのかしら?)
安奈「マジックのように一瞬で消えたね!」

〇オレンジ(ディープ)
咲良(此処に来て、何か目標のようなものが見えてきた気がする)
安奈「むしゃくしゃすると私もここに足がむくの」

〇SHIBUYA109
  渋谷は、ひとを惹きつけ、何かを成就させようと力づけてくれる”まち”だ

コメント

  • 警察官が悪魔(ディアブロ)の存在に気付いたとき,渋谷に居る人々(若者)の心が一気に1つになったのですね。悪魔はある意味,人間を良い意味で1つにさせてくれたのかもしれないと思いました。

  • 私の”渋谷”という街のイメージは、様々な存在を受け入れ、その中でアクティブに活動させる舞台というものです。鉄砲かついだディアブロがいても、、、と想像してしまいます。

  • 人が集まるところには色々なものが集まるんですよね。
    人間にしろ、悪魔にしろ、霊にしろ…。
    色々なものが乱れているからこそ、面白い街なのかもしれませんね。

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