25面 タイミングと歯磨き粉(脚本)
〇空港のエスカレーター
折中珠未「6日しか会ってない」
折中珠未「ちゃんと会いたかったのになー」
折中珠未「昨日出勤だったのに」
紫ネットワーク
クロスウォーク
振り返りぎみにクリ
〇空港のエスカレーター
折中珠未「あっぱっぱー」
折中珠未「ただの。かも知れないし」
折中珠未「片腕犠牲にして ちょっと外国人ぽいかもしんないけど」
折中珠未「旦那さんにする人は決まってる」
赤で 03
〇勉強机のある部屋
──目覚まし時計、『55』分で鳴る。
江藤鉱(珠未さんが送ってくれる ひまわりので起きてます)
江藤鉱(でも、したら 珠未さんは自分で起きてるんだから)
江藤鉱(たまにはこっちからも送ろうかな まだ来てないみたいだし)
江藤鉱(でも休みとかだったら悪いしな、んー)
〇空港のエスカレーター
折中珠未「なぜ、うちがあの階段を上るのか?」
折中珠未「あなたが上るから」
折中珠未「あなたが好きだから」
・・・なんてな
白いカクッとした翼のようなハート
〇空港のエスカレーター
茶系のシャツの背中に
『Report7』
と記された男性が、
ヤオヨロバザールから駅方面へ下っていく
反対にヤオヨロバザールの方へ
上って来る女性が、
誰か女性「どんぴしゃでいってほしいんだよ」
誰か女性「そうじゃなくてもいいのかもしんないけど やっぱり・・・」
誰か女性「ユニコーンの角で突くんだよ その子の左肩後ろをっ」
江藤鉱(押すと、ああってなって 広場入口左から入って)
江藤鉱(でもその突いたところではいわないよ)
江藤鉱(いうならあのエレベーターへいたる 細道の手前だろうなー)
江藤鉱(どうかな、角か・・・)
江藤鉱(でもまだ届けてもいない カラオケも言ってない・・・)
〇未来の店
だれかにがっかりアウエウウ
だれかがっかりカーディガン
・・・帰ったか折中さん。
〇未来の店
女神「いい夢と悪い夢がありますが」
女神「公開し直した方がいいと思います」
女神様が言ってるからそうなのか
「・・・隠れられないんで」
「お風呂の中入っちゃって下さーいっ」
江藤鉱「はいっ」
江藤鉱(尾沢さんの声だ)
江藤鉱(俺が嗚咽してたのでも聞かれたのかな)
〇清潔な浴室
わきの扉入ると浴槽があって、
江藤鉱(ここに入ればいいのかな)
尾沢吏帆「私の後でだいじょーぶ? 申し訳ないんだけど」
江藤鉱「わっ、尾沢さん」
江藤鉱「いや、自分はぜんぜん大丈夫ですよっ」
江藤鉱(服のまま?いいのか)
尾沢さん、銭湯みたいに開いてる
壁の上部から顔出して、そう言ってくれる
というか、浴槽に入ると上から次々、
女物のベージュの下着、
ブラジャーが放り込まれてくる。
江藤鉱(尾沢さんの? 下着、パンツやら、いいの?)
尾沢さんのいる方は女性専用か、
立っちゃうと向こうから
自分見えちゃうから浸かっとくしかない
しかし下着が湯船水面漂って
俺の顔に漂着するんだけど、
江藤鉱(わざとこっちでくっついてんじゃないよ)
尾沢さんは全然気にしてない
すごく優しい
ありがとうございます
尾沢さんは、ここってときに
ほんとに優しくしてくれて、感謝です
〇備品倉庫
尾沢吏帆「毒蛙6匹、ちゃんと確認して」
江藤鉱「セーブして?」
江藤鉱(他にないもんな)
と、倉庫で尾沢さんと話してたら、
江藤鉱「お、クリさん」
ヒョコッと事務所から出てきて、
江藤鉱「休憩ですか?」
軽く笑んでるし、大丈夫だな
〇ガラス調
電磁鉱の額に♡
逆さか、降ってくんのかね
〇電車の座席
──電車の3両目くらいかな
割と込んでて、
乗り込もうとすると、
クリさん乗ってる。
(ドールの値札が
鞄にひっかかったようになって
すぐ引っ込む)
俺乗ったらクリさん着席して、
その前行ったけど、避けられてんのかな。
〇未来の店
戦争は嫌い?
江藤鉱「・・・帰るか、クリさん」
女性「違うよ、クリの代わりに来ただけだよ」
女性「あの子素直じゃないから」
江藤鉱(九宝さん?)
黒地に白玉模様のカーディガンに、
下に着てる紫の布地が出てる。
ホットパンツに、
脚スラッとして、背高くなってる。
女性「ごちゃごちゃになってる印象はないけどねー」
女性「5円玉落としたのもクリかな」
〇備品倉庫
──小さい女の子。
髪がユタッと長く腰くらいまであって、
薄手のロングワンピースを着ている。
女の子はクリの胸に手を当てて、
諭すように言うのは──
少女「嫁のクリ」
少女「手に入る」
少女「ママのおっぱい?」
俺はうがってねーで
大地でも手に入れりゃいい
少女「お兄ちゃん 脚を」
脚を?
(足寄は手に入れたけど、チハル)
〇居酒屋の座敷席
誰か女性「カフェオレでーす」
俺のは注文聞かないでジョッキで
女性「いいのよ」
って、さっき頼まれて
色が全然カフェオレじゃない
薄い緑茶色、ホットだし・・・
テーブル挟んで俺の前、
ヤオバザの同僚女性3人
何はしゃいでんだ?
恥ずかしがって
「言っちゃいなよー」みたいなていか、
で、真ん中の女性が、
自分の小さなジョッキの飲み物を
わざと俺の前こぼして、
拭くていでちらつかせる
黒地に白の玉模様の写真を撮った紙片を
タオル代わりに出して──
クリの代わりに来た
九宝さんが着てた服の柄?
素直じゃないのかあの子は──
〇未来の店
江藤鉱「お先失礼しまーすっ」
クリが、えっ?て顔(マスク越しに)
するのでちょっと戻って、
江藤鉱「だって俺今日終わりっすもん」
折中珠未「・・・・・・」
何か目を閉じて
ちょっと眉上げたような顔して、
江藤鉱「ははは、何だかな」
折中珠未「じゃあね」
仕事中だから
そんな話しできないのできり上げて、
〇事務所
江藤鉱(おおっ)
帰ろうとしたのに、また社員さんやら
スタッフいる室に出ちゃった。
ホワイトボードの裏通過して・・・
その前に何か、
江藤鉱(お疲れさまでーすくらい言えばよかった)
変な間になって、
〇スポーツクラブのプール
江藤鉱「あ、どうもー」
秋原町子「何どうしたのー?」
江藤鉱「いや、これから家に いったん帰らないといけないんすよ」
江藤鉱(何でだっけ 証明書か何かいるのでだっけ?)
江藤鉱(はて、店長さんあたりに 何か言われた気もする)
秋原町子「てゆーかもう付き合って下さいっ」
って秋原さん言ったかな。
プールの中で流れの中でスルーして
泳ぎ離れちゃった(誰かに呼ばれてか)
何か一緒にいて
仲良くさせてもらって
拍子に後ろから腰に手回すくらい
しちゃったと思うのに
ほんと申し訳ない
俺好きな人がいるんです
紫のハートを抱えた熊のぬいぐるみを
お客さんが何人かで何個か持っている
それが来るんです
(値札にも小さな♡なくらい)
〇未来の店
尾沢吏帆「ミライ」
尾沢吏帆「弱虫弱弱弱虫でいいの?」
勇気があればいいんじゃないっすか?
尾沢吏帆「ただ友に恋心発覚」
大きな桃さながらにハートが
〇ハート
(その中の)
折中珠未「私を食べて」
──の最終プレゼントか、ばーか
〇未来の店
葵星羽「珠未はわかりやすいから」
葵星羽「江藤さんに対しては態度が違うでしょ?」