花姫様と最強の冷徹騎士様

ちゅるちゅるめん

剣術大会(脚本)

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〇謁見の間
(前)国王「アレグラットよ。先日の活躍、見事であった」
(前)国王「・・・よく、我が娘を賊から無傷で取り戻してくれた」
(前)国王「よって褒美を与えよう。そなたは何を望む?」
アレグラット(幼少期)「・・・陛下の御心のままに」
アレグラット(幼少期)(嘘だ。俺は本当は・・・)
(前)国王「・・・そうか。では、そなたに『願の魔剣』”ミゼ・ラットイヤズス”を与えよう」
アレグラット(幼少期)「!・・・ありがたく頂戴いたします」
(前)国王「そなたならば、この魔剣を十分に扱えよう」
(前)国王「さぁ、手に取るが良い」
アレグラット(幼少期)「・・・」
騎士「アレグラットが持ったら光ったぞ!」
(前)国王「おめでとう、アレグラット。見事にその魔剣の主になれたようだな」
アレグラット(幼少期)「僕が、この魔剣の主・・・」
(前)国王「その力、我らと国のため、存分に発揮せよ」
アレグラット(幼少期)「はっ」

〇英国風の部屋
アレグラット(幼少期)「願いの魔剣か・・・」
???「我が新たな主よ。そなたはどんな力を願う?」
アレグラット(幼少期)「!?誰だッ!」
魔剣「我はそなたの魔剣、ミゼ・ラットイヤズスだ。我には我の願いのため、新たな主が願う力を授ける義務がある」
アレグラット(幼少期)「お前の願い・・・?そして俺が願う力・・・」
魔剣「だが、我は精霊ではない。簡単に言うと中立の立場にある悪魔だ」
魔剣「我が主の願いと我の望む我が主の大事な価値。それらを交換することで、この取引は成り立つ」
魔剣「さぁ、そなたは我に何を願う?」

〇闘技場
「続いて第4回戦、カルウェリー・アレグラットVS城ノ内琉翔の対決です!!」
琉翔「・・・よぉ。2ヶ月前に言ったな。俺はお前に勝つと」
アレグラット「えぇ、仰っていました」
琉翔「俺は今日のために鍛練を重ねてきた」
琉翔「シャイローゼ様との婚約のため、貰うぞ!」
アレグラット「お嬢様を守るため・・・」
アレグラット「勝たせてもらいます」
審判「勝利条件は、相手を戦闘不可能にする、もしくは『参った』と言わせることのみだ。 それでは!第4回戦・・・始め!」
アレグラット(早い、懐に入られた。・・・だが躱す余裕はある)
琉翔(躱したか)
アレグラット「琉翔様・・・」
アレグラット「まさかとは思いますが、今のが全力でしょうか?」
琉翔「・・・!!貴様・・・俺を愚弄するか?!」
アレグラット「・・・剣技に上下間系はないので」
アレグラット(攻撃は重い。だが・・・)
琉翔「どうした!攻めてこないのか!?」
アレグラット(攻撃したあとは隙が大きい)
琉翔「オラァァ!」
アレグラット(ここだ!)
琉翔「なっ・・・」
琉翔(刀が・・・吹っ飛ばされた・・・)
アレグラット「あなたの刀は手元からなくなった。・・・僕の勝ちです」
琉翔「・・・チッ」
審判「城ノ内選手が先頭不能のため、第4回戦は、カルウェリー・アレグラット選手の勝利!」
ダルメリアス「お姉様!アレグラット様が彼に勝ちましたよ!本当にお強いです!」
シャイローゼ「えぇ、そうね。ありがとう、アル・・・」
ゼルベイク「本当に強いな・・・だがあと3年のうちにアレグラットと同じくらいに強いものを見つけなければ・・・」
アレグラット「琉翔様」
琉翔「なんだ、まだ何か言いたいことがあるのか?」
アレグラット「・・・あなたはミルェーツという名前を知っていますか?」
琉翔「は?ミルェーツ?聞いたことの無い名だ な」
琉翔(少なくとも、東の方に住むやつの名前ではない)
アレグラット「そうですか、知らないなら良いんです。・・・では、さよなら」

〇闘技場
司会「以上で、本日の日程を終了させていただきます。明日は残6名で優勝者を決めますので、しっかり休息をとってください」
アレグラット(残ったはいいが・・・まさかあのあと戦う奴ら全員琉翔より弱いとは思わなかったな)
リヴェス「アレグラット!」
リヴェス「俺も明日残ることになったんだ。もしかしたら戦うかもしれないし、互いに頑張ろうな」
アレグラット「えぇ、よろしくお願いします」
リヴェス「じゃ、またな!」
シャイローゼ「アル!」
アレグラット「シャイローゼ様・・・」
シャイローゼ「おめでとう、残ったから明日も戦うんでしょう?」
アレグラット「はい」
シャイローゼ「なら早く帰って休みましょう?馬車でダルもお兄様もまっているわ!」
アレグラット「わかりました、では行きましょう。・・・シャイローゼ様?」
シャイローゼ「ありがとう、アル。ないとわかってたけどもし琉翔が勝ったらどうしようって思ってたから」
アレグラット「シャイローゼ様。僕は負けませんよ。明日は優勝しますので」
アレグラット「僕を信じてください」
シャイローゼ「!!」
シャイローゼ「ん、そうね・・・頑張ってね」

〇闘技場
  翌日
司会「続いては決勝戦! 出場者は・・・」
司会「3年のアズラギー・リヴェスVS1年のカルウェリー・アレグラット!」
リヴェス「やぁ、結局戦うことになっちゃったね」
アレグラット「ですね。でも・・・」
アレグラット「シャイローゼ様に言ったんです。優勝するから信じてください。って。なので手は抜きません」
リヴェス「良かった。俺も今年で最後だしね」
リヴェス「全力で行くよ」
審判「それでは決勝戦・・・始め!」
リヴェス「魔剣は使ってくれないんだね・・・ちょっと残念だけど」
リヴェス「来なよ」
アレグラット(なるほどな。恐らくだが打ってくることはない。なら・・・)
アレグラット(突くと見せかけて峰打ちだ!)
リヴェス「!!」
アレグラット(読まれてたか・・・いや、勘か?まぁ どっちでもいいか)
リヴェス(前より動きが早くなったね・・・でも勝ってみせるよ!アレグラット!)
リヴェス「そういえば、”ミルェーツ”を探しているんだって?」
アレグラット「・・・奴の事を知っているんですか?」
リヴェス「少しだけね。僕に勝てたら教えてあげるよ」
アレグラット「この試合、何があっても勝たせてもらいますよ・・・!」
リヴェス(さっきより明らかに重くなった上に速くなった・・・キツいな)
アレグラット(──ここだ!)
リヴェス「!!」
リヴェス「!!」
リヴェス(利き腕が・・・)
アレグラット「・・・もう、剣を今持っているだけでやっとでしょう」
リヴェス(・・・強くなったなぁ・・・本当に)
リヴェス「あぁ、俺の負けだな。楽しかったよ、ありがとうな」
審判「アズラギー・リヴェス選手が敗けを認めたため、今年度の優勝者は・・・」
審判「カルウェリー・アレグラット選手!」
リヴェス「じゃ、僕は医療班のところに行くから」
アレグラット「いえ、僕がやってしまったことなので僕が治します」
アレグラット「回復魔法 level Ⅱ」
アレグラット「・・・これでもう大丈夫です」
リヴェス「ありがとう。・・・情けないな。負けた相手に怪我を治して貰うだなんて」
アレグラット「情けなくなんかないです。普通であれば負けたことに苛立ちを覚えたりするのが普通でしょうに。とても立派だと思います」
アレグラット「本日はありがとうございました。後でまた会いましょう」
リヴェス「うん、また」

〇宮殿の門
アレグラット(式、凄く長かったな・・・)
アレグラット「あ・・・」
シャイローゼ「お疲れ様!アル!」
アレグラット「ありがとうございます。ですが、ぼくはお嬢様御付きの騎士として当然の事をしたまでです」
シャイローゼ「またそうやって・・・いいこと、アル?勝つことは当たり前じゃないの。あなたが勝っていることで負けている人はたくさんいるのよ?」
アレグラット「あっ・・・」
シャイローゼ「勝つことを当たり前と思うのではなく、勝者として恥じない行動をとるのよ?良いわね?」
アレグラット「承知しました、自分が凄く・・・情けないです」
シャイローゼ「情けなくはないわ。遅かれ早かれ、知ることが出来たんだもの」
シャイローゼ「改めておめでとう、アル!今晩はお兄様が騎士舎の方にご馳走を用意してくれているらしいの!」
アレグラット「!!本当ですか?」
シャイローゼ「えぇ、だから今日はたくさん食べて休んで・・・ね?」
アレグラット「お心遣いに感謝します」
???「あはっ、あの子が僕のずっと探してた花姫様かぁ」
???「結婚式が楽しみだね、僕の、僕だけのお姫様・・・」

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